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ゼンブ・オブ・ぽぽず

 中学生の頃、修学旅行で初めて東京に行きました。当時、田舎の中学校に通っていた私でしたが、しかし初めて踏み入れた「東京」に対して、そこで何をどう感じたかはもう覚えていません。きっとその後、東京を何度も訪れる度に上書きされてしまったのでしょう。その修学旅行では班行動の自由時間もあったはずですが、どこを訪れたかも覚えていません。唯一、ゆりかもめでお台場に向かうとき、グルーっと回るところ(レインボーブリッジかな?)で「まっすぐつなげたらいいのに、東京はヘンな経路を作るもんだなぁ」と思ったことは覚えています(だからフジテレビには行ったのでしょう)。あとは、修学旅行に行く前段階で、「修学旅行は私服にすべきか制服にすべきか?」という、今考えたらどうでもいいような議題が学年全体で立ち上がり、最終的に学年投票みたいなことをした記憶が残っています(最終的には私服で行くことが決定し、服に関心がなかった私は着ていく服を用意するのに難儀しました)。

 そんなことを久しぶりに思い出した(東京のこと自体はあまり思い出せてないのですが)のも、日向坂46四期生主演映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』を観たからです。『ゼンブ・オブ・トーキョー』、面白かったですね。

 『ゼンブ・オブ・トーキョー』に登場する大人たちは、「ルールを遵守すること」を最優先に考えて行動しています。担任のヒヌケンは口酸っぱく「他人に迷惑をかけるな」と生徒に言い、ルールを破った者には罰を与えます。タクシードライバーの五十嵐も、自分の喫煙しているところが写真に写っていることを嫌がり、その疑いのある者には問答無用で写真を消させます。それはまぁ考えれば当たり前なことで、それが大人が仕事をしていく上で立場を守り責任を持つということであって、生きていくために優先されることなのでしょう(五十嵐についてはタクシー会社から咎められているシーンもありましたし)。逆にいえば、ひとまずルールさえ守っていれば社会から排除される可能性は低くなり、安心できるといえます。ルールがあることによって、集団生活が可能となり、やがてルールがさらに作られあるいは法というものに置き換わり、より大きな集団生活が可能となっていく。集団は社会となってそして都市となっていく。考えてみれば東京という土地自体が、より複雑でより強固なルールの上に成立している場所と言えなくもありません(もちろん、東京に限ったことではないのでしょうけれども)。
 ルールは人々を円滑に制御するために不可欠なものなのでしょうけれども、そのルールによって、未成熟な年齢である登場人物たちは失敗を経験します。説田(石塚瑶季)、角村(清水理央)、梁取(宮地すみれ)、門林(山下葉留花)たち4人は限定グッズを手に入れようとも、限定やUFOキャッチャーというルールによって手に入れられず(梁取茜ちゃんの大逆転で最終的に手に入れられますが)、枡谷(小西夏菜実)は下北沢のおしゃれパンケーキ屋の複雑すぎる注文ルールに苦しみ(私やったら気絶してた何なんあれ……)また東京から来たクール系でやっていこうという自分で設けたルールにも苦しみ、羽川(藤嶌果歩)と辻坂(竹内希来里)は恋する守谷くんに対してお互いに不可侵のルールを設けるもその間に別の女子にかっさらわれていきます。桐井(渡辺莉奈)に至っては、ルールを破ったことによりスマホを没収されるし、またアイドルのオーディションも時間に間に合わず受けられないなど、結果だけみれば散々で、それぞれが失敗を経験しています。
 唯一、班長の池園(正源司陽子)だけが、東京を全部回るために決めたルール(計画表)を順守しようとします。班員がバラバラになって一人だけになっても計画を曲げず遂行しようとしますが、その足取りはどこかさみしげです。東京の観光スポットを一人でトボトボと歩く姿は、予定通りすべてを満喫しているはずなのに、どうみたって楽しくはなさそうです(池園が橋の上から電車を眺めるシーン、胸がギュッとなりました)。
 しかし物語の後半、ヒヌケンから桐井のスマホを取り返すために自分で作った計画表を破り捨てるシーンで、すべてが反転します。桐井の手を取り走り出すことで、それまでの一人だけで歩いて巡っていた時には得られなかったようなワクワクドキドキを感じているように見えます。
 その光景を「青春」と言い切ってしまうのはあまりにも単純だし大人のつまらない目線なのかもしれませんが、それでもやはり「青春」を感じる要素の一つなんだろうなと思いました。だって大人はルールを破れないから。ルールを破ること、そしてそこには共犯関係の仲間がいることが、青春みを感じさせる要素の一つになっているのかもしれないな、と思ったのでした。

 という感想はどうでもよくて、門林萌絵ちゃんそして「ぽぽず」の4人めちゃくちゃ良いよね~~~~!!!!ということを書きたいのです(なのでここまでは前振りで読まなくても良いやつです残念でしたね)。

ぽぽずの4人いいよねっていうメインの話

 改めて、ぽぽずこと説田詩央里(石塚瑶季)、角村若菜(清水理央)、梁取茜(宮地すみれ)、門林萌絵(山下葉留花)の4人についてです。
 (もともと狙ってデザインされたそうですが)4人それぞれのキャラが立っていますし、どの子も可愛らしいんですよね。全力真面目タイプ(説田)と不思議ちゃん(梁取)とサバサバ系(角村)とギャル(門林)という、一見混じり合わなさそうに見えて、「同じキャラクタを推している」という点でつながっているというのも、現実でも有り得そうなところで良かったです(そういえば高校生の頃、私はバキバキの体育会系でしたが美術部でインドアな友人と共通の趣味でつながっていたことを思い出しました)。
 高校二年になって説田ちゃんだけが違うクラスになっても、修学旅行で4人で(限定グッズを手に入れるための)計画を立てるくらいの仲になっているということは、一年生の頃からかなり親交を深めていたということでしょう。そのきっかけが誰始まりだったかはわかりませんが、私の想像ではサバサバ系の角村とおっとり不思議系の梁取はもともと中学の頃から仲が良かった線がすわりがよくて好きです(想像です)。原宿で限定グッズをゲットできなかった角村が新宿駅で迷っている梁取のもとに合流しようとしていましたしね。普段から梁取ちゃんの面倒をみてあげてる角村ちゃん、なんか良くないすか?そして、そこに全力系の説田ちゃんが同じキャラクタを推していることを知って二人に話しかけたか、あるいはギャルマインドで門林萌絵ちゃんが仲良くなったと私はにらんでいます(想像です)。最初に二人に話しかけようとした説田ちゃん、きっとめちゃくちゃ緊張してたんでしょうけれども、「友達になりたい!」という一心で話しかけたと思うと微笑ましいですよね(想像です)。あるいは最近、「ひなこい」の『ゼンブ・オブ・トーキョー』コラボ企画で門林と梁取の母親同士が同じパート先、という情報があったので、そこきかっけで門林が梁取に話しかけたという線も捨てがたいです(想像です)。

恋愛ゲームという皮の都合とはいえ、ぽぽずの中で好きな男子かぶってるの地獄すぎるだろ。

 なので、このぽぽずの4人が仲良くなるまでに至った番外編も是非みてみたいな、と思いました。『Re: Mind』における『Re: Wind』みたいな感じで(誰が覚えてんねん)。

 修学旅行で班を抜け出した4人はそれぞれ「ぽぽまるず」の限定グッズを手に入れるために、説田は池袋、梁取は新宿、角村は原宿、門林は上野へ散ってきます。結果論ですが、この場所の組み合わせが違っていたら限定グッズをもう1個〜2個ぐらい追加で手に入れられてたかもしれないのも良いですね(そうじゃないところが)。全力系の説田ちゃんが原宿だったら守谷くんに話しかけることもなく一直線で店舗に向かって整理券を手に入れられてたでしょうし、新宿よりも迷いにくそうな上野の担当が梁取もしくは角村だったら整理券をなくすこともなかったかもしれません(でもそうじゃないところが良いのです)。
 門林は整理券を早々に手に入れるも、余裕ぶっこいてタピオカを飲んでいるところで整理券をなくしてしまいます(鳩許すまじ)。しかし他の3人からさほど責められていないのを見ると、大事なところでやらかしてしまうとはいえ基本的にはしっかりものなのでしょう。新宿に合流するときも「地下だと迷うかもしれないから直接店舗に向かう」と言っていましたし、桐井のスマホを取り返すために担任のヒヌケンの情報を集めるシーンでもいち早く場所を特定してましたしね。
 映画ラストの卒業式のシーンでは桐井を除く池園班と花里さん(平尾帆夏)しか出てきてませんでしたが、説田ちゃんがぽぽまるずのぬいぐるみ(?)を持ってきていたことから、きっと式の後にはぽぽずの4人でも集まることになっているのでしょう(想像です)。そういうところもひっくるめて、映画では描かれていない部分も色々と想像したくなる作品でした。
 ぽぽず、フォーエバー。

門林萌絵ちゃん(補講の常連)(学校にヘアアイロン持ち込み常習犯)(カバンの中ぐちゃぐちゃ)(弟おる)(担任のこと下の名前+ちゃんで呼ぶ)(ウィルコムと2台もち)(ソーイングセット持ち歩いてる)(前略プロフ)※イメージ

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