有機JAS認証
農業を始めたのは2008年、農業法人にしたのは2012年、有機JAS認証を取得したのが2014年です。
「有機野菜、オーガニックと名乗るためには有機JAS認証が必要である」
単純にそのために取得したのですが、有機農業者の中において、その考えは広く共通認識としては広まってはいません。
理由は「毎年の認定料が高い。」「取得したからと言って高く売れるわけではない。」「認定してもらうための資料つくりが大変」というところにあると思われます。
今年も11月の下旬に定期検査が1日がかりでありました。だいぶ慣れては来ましたが、検査(チェック)されることになれていないせいか、「なんだか尋問されているみたいで嫌だなぁ。」と思うようなことも多々あることも事実です。
だから、有機農業を始めたばかりの人から、「有機JASを取得した方がいいですか」と質問された時に、「有機野菜と名乗るためには必要だよ」とは単純に行かず、「必要になるような経営体を目指したらどうかなぁ」と釈迦問答みたいになっています。
参考になるかどうかわかりませんが、有機JASについて書いたことを紹介します。
(2015年12月、取得した1年後の記述)
昨年の11月に有機JAS認証を取得し、1年が経過しました。
有機JAS認証がされていない農産物は有機肥料を使って無農薬栽培をしていても、本当は有機野菜とかオーガニックと名乗ることができません。
しかし、認定を受けるには、施設や機械に使用規制があったり、生産履歴(トレーサビリティー)の記録の提出が求められたりして少々面倒であり、取得している生産者は稀です。
味や品質を評価しているわけではありません。教員免許を取得すれば「いい先生」になれるわけではないのと同じで、有機JAS認証を取得しても「おいしい有機野菜」と評価していただくには栽培に関する努力や工夫が必要です。
この認証を得ることを通して有機野菜の現状を知ることができました。有機JASは生産方法を定めたもので、生産地は問いません。認証を受けた輸入業者さんが、日本と同等の制度であるアメリカやヨーロッパの有機認証の農産物や加工品を輸入し有機JASマークを貼ることや、有機JAS認証を取得した外国の生産者が、中国や東南アジアで農産物を栽培し有機JASマークをつけて日本に輸出することもできます。
だから、有機JAS認証の国内産の野菜というのはごくわずかです。実際、自分が参加した有機JAS講習会は参加者10名のうち生産者は自分だけで、他は輸入業者さんと、外国の有機野菜を使う加工業者さんでした。
「おいしい国内産の有機野菜」として、お客様に喜んでいただけるような野菜つくりをしていきたいと思います。
「有機JAS認証」
第1版 2024年12月13日発信 2025年1月28日 配信
オーガニック農園 株式会社 しあわせ野菜畑
代表 大角昌巳
#有機JAS
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