Louis Sachar 『SMALL STEPS』を読んで
読み終えた感想
物語の展開がとても面白かった。一番心に残っているシーンはライブ会場で偽のチケットと気づかずに警察沙汰になった時のGinnyとArmpit(Theodore)に対する周囲の視線。「黒人」「障害者」のように社会的にマイノリティーに属す人が排除されてしまう世間の風潮になんとも言えない気持ちになった。外見だけで勝手に相手の事を判断してしまいがちだけど、そのままでは絶対に人種差別は無くならないと感じた。
しかし、現実をつけつけられた一方で、Armpitと歌手のKairaの対話から人は過去の罪から学んで少しずつ、少しずつ変わっていけるという希望をもらった。Armpitって心が温かくて正直者で素敵な人物だなって思った。
歌手としてブレイクしているKairaの観点から物語を振り返ると、有名人としてヒットしている人はその他の何かを犠牲にしているんだなということを感じ取った。何かを手に入れるには何かを犠牲にしなければならない。私にとって孤独は一番辛いものだから友達・家族・パートナーとの人間関係はずっと大切にしよう。自分にとって何が大切で何は不要か自分の価値判断をしっかりと持っておくことも大事だな、って思う。
印象に残った言葉とそれに対する自分の考え
完璧な人間はいない
当たり前だけど、人って完璧でなくて良いんだね。自分は他人と比べてアレも磨かなきゃ、これもできるようになりたい、って常に自分を追い込みがち。でも、完璧な人間なんていないから。自分が今持っているものに目を向けて、褒めてあげよう。そして自分が不得意なものはちゃんと認めて、自分の理想像に必要なことであれば少しずつ克服していけば良い。大切なのは自分がどうなりたいか。そうやって自分に向き合ってコツコツ頑張っている人って確かに素敵だよね。
自分中心ではなく相手の気持ちを第一に
私はこれまでいろんなダンスのイベントに出たりショーケースを作ったりしてきたけど、お客さん目線で何かを考える視点が欠けていたことにKairaのステージを見て気付かされた。
アーティストのライブも、ダンスのライブも一緒。会場にいるのはパフォーマーだけじゃなくてそれを盛り上げてくれるお客さんがいて初めてパフォーマンスが成り立っている。これまでの自分は自分がどう見られるか、どう見せるか、そればかりに気を取られてお客さんが何を期待しているかは考えたことがなかった。今後踊る機会があったら、思わず見ている人も一緒に口ずさんだり体を動かしたくなるような、そして元気を与えられるような時間を提供したい。
自分らしくいること、それがカッコイイ
多くの人は社会的に作り出された〇〇像に当てはまるために必死で努力している。男だったら〇〇であるべき。女の子は〇〇らしくしなきゃいけない。そもそも誰がそんなこと決めたんだろう。このままじゃどんどん生きづらい世の中になっちゃうよね。アンラーンの大切さを感じた言葉だった。
一歩ずつ、一歩ずつ進めば良い
何かを成し遂げようとする時、私は掲げた目標に対して1番の近道で、できるだけ最短で達成しようとする癖がある。もしそれが上手くいかなかった時、自分を追い込んで自己肯定感が下がってしまう。そうじゃなくて、どんな小さなことでもアクションを起こした自分を褒めてあげて、少しずつ少しずつ一歩前進していこうと思えた。
相手の目を見て、肌で感じる
コロナ禍でオンラインでの面接とか授業が主流になっていてふと思った。遠隔でいろんな人と出会って話せるっていうオンラインならではの良さはあるけど、やっぱりその人が放つオーラとか雰囲気は対面でなきゃ伝わらないんだよね。対面で会える人には、しっかりと相手の目を見て、その時を共有している時間に感謝しながら日々を過ごそう。
そのうちわかるよ、焦らなくて大丈夫
卒業後の自分は何をしているのか、全く想像がつかなくて、考えれば考えるほど不安になってしまう。でも考えたって仕方のないことじゃん。今自分ができることを着実にコツコツ積み上げていこう。そしたらそのうち何にせよ結果が出る、未来が現実になる。だから頑張ろう。
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