とてつもない孤独と向き合って学んだ「周りの目を気にしない」武器
メキシコのゲレロ州、コパラでのホテルボランティアに取り組んだ。
ホテル以外に鶏と野良犬しかいない、バスも電車も通らない、無人島のような場所。
そこに、スペイン語も話せない状態で働きに出た。
号泣した初日
ボスに言われたのは、英語は使用禁止。
従業員はわたしを含めて5人(有給労働者2人、ボランティア3人)しかいない。そのうち英語話者は1人のみ。
指示が分からなくて、話し方もきつめで、自分の考えも伝えられなくて、周りと比べてしまって、以前働いていたスタッフの方が使い物になっていたに違いない、と自分を責めてしまう。
周りに話せる人がいない孤独と仕事の不安から、挙げ句の果てに仕事中に号泣してしまった。
どこの国に行っても、「働く」となった時に、自分は使い物になっているのか他の人と比べてしまう。他の人の目を気にしてしまう。それが自分の短所。
このままでは自分がもたないと思って、翻訳機を使って自分の不安を伝えて、ちゃんとマネージャーと話したら、勝手にネガティブな思い込みをしている事がわかった。
Don't think yourself as little. You are brave. They need you if they won't, you're not here.
だから、まずは3日間頑張ってみることにした。
働く中で見えてきたボランティア労働の問題
しかし、2週間ホテルで働く中で、ボランティアの人がタダ働きの労働者として見られているのではないかという疑問に変わった。
30度の炎天下の中、毎日5時間働き、日に日に、体の疲労が溜まっていくのを感じた。
部屋にはエアコンがなく、暑くてぐっすり眠る事ができなかった。
休憩時間にはスペイン語の勉強に励もうとするものの、お客さんがいる間は共用施設を使わせてもらえない。
そのため、外に出歩くしかない。けど、ホテルの周りにはお店がなく、タクシーで3000円かけて町まで出歩くのも気が引けた。
停電による静寂の夜
宿泊客がいない平日の夜。
突然電気、水、Wifi全てが遮断された。
他の従業員4人はどこにいるのだろう。暗闇の中、誰もいない空間で1人、恐怖を通り越した不思議な感覚を味わった。
唯一プールを使うチャンスだと思って、水の中に飛び込んだ。
そして、水に浮かびながら、星空をぼーっと眺めた。
まるで耳が聞こえなくなったのかというくらいに静かな環境。
ちゃんと聞こえてきた心の中の声
"Being offered a free place with food, but working for no money and with nothing to do, and no people to meet, is not something I would want"
あの時の、「この世界にいるのは自分1人だけなのじゃないか」という感覚は今でも忘れない。
Take care of yourself ≠ Being selfish
日本で育った私は、相手に迷惑をかけないようにと積極的に仕事をしようとする。また、相手の機嫌を伺ってしまう。
皿洗いなどの掃除や時間外労働を自ら進んですると、喜んでもらえて、マネージャーや他の従業員と仲良くなれた気がした。
だから、毎朝6時から植物の水やりや部屋の掃除を頑張った。
そんな中、唯一仲良くなったドイツ出身のボランティアの女性に言われた言葉
You don't have to do this. Don't let them take advantage of you.
その言葉が、私は何のために働いているのだろうと考えるきっかけをくれた。
今だから言えること。
環境が嫌ならそこから離れること。
相手に気に入られようと働く必要はない。そして、離れるなら早いほうが良い。
自分のことを大切にしてあげてほしい。
最終的には2週間続けたところで限界を迎え、ドイツのボランティア女性と話し合って、ホテルを一緒に出ることにした。
だけど、この孤独の期間は
自分を喜ばせることだけに集中できる環境でもあった。
このボランティアから学んだこと。
過去の自分は、自分の思うがままに行動すると、それは自己中心的なのではないかと悩む時があった。
でも、誰かに気に入られようと自分を犠牲する必要は全くない。
自分が幸せに感じること、自分が成し遂げたい夢や目標があるなら、それを第一優先にして、努力をして良い。
もし、今いる環境がそれに適していないと思うなら、迷わず逃げて良い。
Searching for our wellness and happiness is our main life goal, and that can't be selfish. Be proud of yourself, and love yourself.