キャズム理論に基づき、属性ごとにユーザーリサーチをプロットする
スタートアップのデザインというのは変更を前提としたものなので、プロダクトが提供するソリューションが合っているかどうかを確かめる時期、そこから最小限の価値ではなく、コアバリューを軸に周辺の完成度を高める時期、マスに広げていく時期などで調整を繰り返していくものだと思います。
そんな時に「キャズム理論をベースにして、属性別にユーザーをプロットする」という作業を行うと、設計する時にユーザー像が明確になり、デザインのパフォーマンスが上がると思います。
キャズム理論とは
キャズム理論では初期市場でのユーザーの属性を「イノベーター(2.5%)」「アーリーアダプター(13.5%)」。キャズムを超えたメインストリームでのユーザーの属性を「アーリーマジョリティ(34%)」「レイトマジョリティ(34%)」としています。
この考え方についてこの記事で詳しく説明するものでもないと思うので、参考のリンクを貼っておきます。
属性別にユーザーをプロットする
さて、キャズム理論自体は初期市場からメインストリームにいくために、大きなハードルがあるので、それを乗り越える必要があるよ、という考え方です。
これ自体はそれまでなのですが、私が普段やっているのがユーザーインタビューを行なった際などに、属性別にこのユーザーはキャズム理論でいう、どの属性に当たるのか?をプロットしていくという方法です。
実際のインタビューや、人柄がわかるSNSなどがあればそれもプロットします。画像はイノベーターですが、アーリーアダプター、アーリーマジョリティなどもまとめて、柔軟に更新していきます。
フェイズによって主要ペルソナは変わる
サービス開発でよくペルソナを使うケースはあると思いますが、そのペルソナはフェイズごとに微妙に変わっていくものだと思っています。
例えば、キャズムを越えようとする時には、熱量が高いアーリーアダプターでは問題なかった懸念事項も、アーリーマジョリティにはハードルに感じてしまう場合もあるでしょう。
自分の開発しているサービスが現在どの属性のユーザーを相手にしているフェイズなのか、自覚的になることで適切なサービス設計をすることができます。
アーリーアダプターを相手に開発している時期なら、アーリーマジョリティ以降が懸念するところは無視して開発した方が限られた開発リソースを有効に使うことができます。
反対に、レイトマジョリティへのリーチにさしかかっているサービスではマスの人々が懸念するところを解消する必要があるかもしれません。
プロットすることを習慣化すると、ユーザーの声もこのユーザーはこの属性だから、優先度をこうしよう、という判断がしやすくなります。
現状のフォーカスする属性のNPSや継続率を取る
この記事は、以下の記事の続編のつもりで書きました。
この記事では起業した後にどのように初期ユーザーが継続していくところまで持っていくか、という点を書いています。
属性別にNPSや継続率を取っていき、フォーカスする属性が目標値に達したら、次の属性にいくというのがおすすめです。
全体でNPSや継続率をとると数字が濁るので、属性を絞ることで現在フォーカスしているユーザーが満足しているか?を測った方がいいということです。
ただし、キャズム理論で最初に位置する「イノベーター」は課題の当事者でない人が紛れていることが多いので、注意してください。
まとめ
・属性別のユーザーリサーチのプロットをすると、設計の際にペルソナをフォーカスしやすい
・属性に対して指標を設定し、その指標のクリアを目指すと数字が濁らないのでおすすめ
私が今開発しているサービスは初期市場なので、まずはこの層のユーザーを満足させられるようにがんばります。
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