【音楽】ああ、これで良かったんだな、と。【紅白歌合戦】
2024年・ 第75回NHK紅白歌合戦の余韻が抜けぬまま、年末年始休みが終わろうとしている。
大好きなB'zの全力のパフォーマンス。
毎朝朝ドラ「おむすび」で聴いている軽快な、それでいて優しく包み込むような歌詞の「イルミネーション」。
年末年始はきっちりと休む彼らのことだ、きっと事前収録だよね。そう思いながら、彼らのライブで慣れ親しんだバンドメンバーに大喜びしていたのも束の間。
暗転して浮かび上がる「B'z」の文字。紛れもなく大好きな、あの陽気で気さくで、バンド愛にあふれた彼が回すドラムスティック。
からの、ストリングスのイントロ。
生演奏なのかという驚きと、ああ、なんて「わかってる」選曲なんだろうという嬉しさと。
「Cause I'm "LOVE PHANTOM"」
↑ 0:57あたりから必見。↑
からの、響き出す「ultra soul」。
NHKホールが、一瞬にしてLIVE-GYMの会場になった。
出るからには・やるからには、手を抜かずに。観客を・視聴者を楽しませる。そのプロフェッショナルな姿勢に、今までに増して、彼らを尊敬することになった大みそか。
その後。
ふっとかすんだような、まるで映画のような画面に、息を呑んだ。
B'zの余韻が残る中、すっとクールダウンさせてくれるような音と声。とはいえ、当日はまだ興奮していたのもあるのだろう。急に何が起こったのかよくわからなかった。
年が明けてから、NHKプラスとYouTubeで「満ちていく」を再生した。Xのポストで知ったが、この時のサポートギタリストは、B'zでもサポートギタリストを務めたこともあるDURAN氏だった。改めて見直して気づく。
数回観て、聴いているうちに、泣きそうになっている自分がいる。
なんて温かく、はかなく、生きていくことの本質をとらえた歌詞なんだろう。
情景が頭に浮かんで、泣きそうになった。
どんなにつらくても、悲しくても、苦しくても、夜は明ける。
自分も、周りも、世の中も、変わっていく。変わっていくことに対して「仕方がないね」と、執着を手放すことで、軽くなる。心が満ちていく。
ちなみに「放す」というのは「拘束を解いて自由にする」ことだそう。執着という拘束を手「放す」。
平坦ではない、でこぼこした道を歩んできた人生。「満ちていく」は、人生を善悪の判断なしに肯定してくれる曲だ。そんなふうに直感した。
嫌なことも、悲しかったことも、大なり小なり経験してきた。だけど、今になって振り返ってみれば「これで良かったんだ」と。この曲を聴いてそう思えた。
浮かんでは消えてしまいそうなこの思いを残しておきたくて、noteに綴る。
未来のわたし、忘れてたらまた聴いてみて。藤井風の「満ちていく」を。