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【感想】プロトリジゲンをプレイしました

こんにちは。
今回プレイしたゲームが驚きに満ちたものだったので
その時の心境や感想を雑につらつら書いていこうと思います。
文章の稚拙さや心境・考察の粗さが目立つとは思いますが、
あくまで自己満で書いただけなので目を瞑って下さると幸いです。


ゲームについて

概要

作品名  :プロトリジゲン
プレイ時間:1.5~2時間程度
ジャンル :アクション(2Dサイド/トップビュー・3D)

あらすじ

目が覚めると、そこは見覚えのない世界だった。
それどころか、自分が何者かも思い出せない。


謎の存在に導かれた先で、《主人公》は自らの正体を見出し、
元いた場所へと帰ることができるのか?それを決めるのはあなただ。

ストアページより抜粋

Steamストアページ

以下リンクから飛べます。なんと無料!
感想記事読む前に一度プレイして欲しい!
せめてライブラリに突っ込むだけでも!無料だから!

特徴

可愛いキャラクター達

主人公はもとより、主人公と邂逅するキャラクター達も個性も表情も豊富。感情の表し方がそれぞれ違うのも魅力的。

右がロボットの「Q-5」。どことなく楽し気に見える
作品問わず「><」の可愛さは異常。
会話ごとに主人公や各キャラの感情の起伏が見られる。プレイの際は要注目。


2Dと3Dの世界が纏めて楽しめる

本作最大の特徴がフィールド移動。
名前の通り「次元」を切り替え先に進んでいくのが基本の動き。
ちなみに2Dと3DでBGMも切り替わる仕様なので、音楽も2度楽しめちゃう。

この緑色のノイズが入った「歪み」を介して、次元を切り替えて進むのが本作の特徴。


この手の作品だと「スーパーマリオオデッセイ」が近いかな。多分。


次元を超えたギミック操作

一見進めないような場所があれば、別次元で色々操作する事で道が拓けちゃう事も。

3D世界で先に進めなくても…
近場の2D世界へ次元を超えてギミックを操作。
足場が追加されて先に進めるように。
これ以外にもストーリーが進むほど、色んなギミックが見れます。



プレイ中の心境や乾燥

本題に入りますが、
盛大なストーリーバレやギミックバレがある上、
内容を端折ってる部分が多くあります。
要所要所の大事な箇所が抜け落ちてる可能性が非常に、
それはもう非常に高いです。
記事を見るより、実際に遊んでみて初見の驚きを味わって欲しいです。

もう一度ストアページ貼っておきます。概要で興味が湧いたら是非。
感想見る前に引き返して遊ぶなら今の内よ?







エコード

「はじめから」を起動して主人公を操作出来た時に出た一言が
「キャラめっちゃかわいいじゃん!」

灰色と黄緑ベース、ヘッドホンを付けたままぼんやりとした表情…
いかにもダウナーっぽい感じ見た目がめっちゃ刺さる。
加えて頭頂から生えたアホ毛と遺伝子っぽい…三つ編み?なんだこれ。
その後ろに「Q-5」と自称する追従ロボット。
元はこの世界の案内ロボだったとか。

キューゴって言う位だから救護用ロボかと思ってた。

記憶が抜け落ちたまま何もない空間で目を覚ました主人公。
ゆくゆくは大事な使命背負ってるのがお決まりなパターンじゃん!
そう思いつつ、「果てまで行けば何か思い出すのでは?案内しますよ」
とQ-5に言われ、ついでに「マスター」と呼称される。
こうして追従型ロボを従えた(?)主人公は、世界の「果て」を目指す事に。

道中でモニター越しに「ミクリエ」と呼ばれるキャラと邂逅。
ログ送りの声、名前、見た目…どう考えてもはつ…気のせいだな!
ともあれ自称チュートリアル担当から「Q-5はこの3D世界へ来られない、それどころか3D世界を認知すらしていない」事を聞かされる。

何故主人公だけ出られたのか?何故彼女とは話す事が出来るのか?
疑問を持ちつつ、本格的に2Dと3Dを行き来する事に。

しかしそっくりだこと。

3Dキャラの操作も兼ねて周囲も確認。
辺りはグリッド線のみで構成された殺風景で無機質な空間。
底が見えないのがヒュッと来る…見た感じ電脳空間っぽい?

ジャンプすると両足を身体に引くのが躍動感あって良い。
動きの細やかさにも目を惹くものがある

道中は警備ロボにも行く手を阻まれますが、
プログラムされた通りの動きしか出来ないので特に脅威にはならず。
そんな彼らをQ-5は「アナタが触れる事で彼らも報われるでしょうね」と。

上下するだけだから避けるのも容易いし、何なら他に誰もいないと来た。
死ぬことすら許されず、上下するだけの奴隷みたいなものでしょ。
感情あったら発狂モンだよ。
そら当たればめちゃくちゃ喜ぶでしょうね。ただ次当たる日がいつになるか分からないから、延々待たなきゃいけないハメになるのだが。

可哀そうだったので一発当たってから先に進んであげた。

当たるとアウトな足場もある。「><」の顔が可愛いね。

そんなこんなで果てに到着…とQ-5から突然告げられる別れの言葉。
果てまで辿り着いた先の「管理者権限」を用いてステージクリアしたら何か進展があるかもしれない。
ただ、クリアすることで「お別れ」になってしまうかもしれないと。

同時にQ-5からこの世界が過去にどんな場所だったかを伝えられる。
この世界は巨大都市でありロボットが沢山いた事、
いつからか世界が壊れ始め次元の歪みが生じ始めたこと。
そしてロボットが歪みの中に次々呑まれ続け、Q-5だけになった事。
「もしステージクリアして何も変わらなかったとしても、
 できうる限りの事はします」とQ-5は後押ししてくれた。
消えるかもしれないのになんていい奴なんだ…

彼に後押しされつつステージクリアを選択すると、画面がノイズに覆われ…



フラクタル

目が覚めた先は別のステージ。
何か発生する訳でも無いと思った矢先、辺りを散策してるとミクリエから
「Q-5は先の世界と一緒に消えた」事をモニター越しに告げられる。
昔語り始める前からそんな気はしてたけども。

ステージクリアした事でその世界の存在を消してしまい、
罪悪感を覚える主人公。
「どのみち崩壊は免れられなかったから君が気に病むことは無い」
と慰められ、ミクリエからQ-5の顔を模したメモリを手渡されます。
彼女曰く「彼らのいた世界を収縮して遺ったもの」だとか。
メモリを渡し終わるなり「気を取り直して進もう!」なんて言うもんだからミクリエが急に怪しく見えてきた。この世界に一枚噛んでそうだな。

世界がなくなっても別の形で付いてきてくれるQ-5。

ともあれQ-5のカートリッジを手に入れ、ここでも「果て」を目指す。
次は2Dトップビューの世界がメイン。
昔のドラクエとか沢山遊んでいた世代なので滅茶苦茶刺さった。

ここでもバグっぽいエリアに当たると消される。「><」が可愛いね。

道中、人間のような形をした幽体っぽい何かと接触。
彼らは複数の人格が混ざり合った意識集合体で、「プシケ」と仮の名を名乗った。ここも前の世界と同じくほとんどの意識体が消えてしまい、
残ったのはプシケのみ。

プシケは主人公の事を「旅人」と呼称し、
果てを目指す主人公に助言をしながら行く末を見守り続けている。
意識集合体なだけあって異を唱える人格もいるが…

で、旅人と呼称した時にふと感じたのが、主人公に対する呼び方。
Q-5は「マスター」と呼んで主人公に追従したり都度説明してる辺り、
主人と付き人って感じが出ていた。
対してプシケは「旅人」と呼んで主人公の行く先々を見守っていたので、「呼称」が彼らの主人公に対する「見方」と捉えられて中々にエモかった。

閑話休題。
道中、プシケから「ここは元は大きなお城が建っていた事、綺麗な姫様が居て賑わった事、暫くして崩壊が始まり、それは今も続いている事」を知る。
意識体が呑まれたのも崩壊によるものかな、とは予想はついたものの、
ここまで被害がデカいと天変地異と言われてもおかしくない…
そんな中、2D世界の入り口付近にメモリの差込口がある事に気付く。
ミクリエ曰く、ここにQ-5のメモリを差し込むと…

メモリを挿入。挿入時のロード画面がまた良いんだ。

なんとトップビューからQ-5のいた世界のサイドビューに切り替わる。
ここからはメモリの書き換えも駆使して果てを目指すことに。
プシケもメモリ書き換えに驚いて「戻せるんだろうな!?」と焦る焦る。
戻せはするものの、そりゃ普段住んでた世界が急に変わったら驚くよ普通。
気が付いたら世界から天地がひっくり返ったようなもんでしょ多分。

Q-5の遺したものが役に立ったよ

更に進んでいくと、プシケから問いを投げかけられます。
この世界の住人でないのに、障害に阻まれずスイスイと進む事が出来る上
メモリの書き換えで進める配置にもなっている。これは偶然なのか?と。
その問いについてミクリエからも聞かれるが…

BGMが止まると同時にこの選択肢が。

急にホラーテイストっぽくなるの怖いね

これは主人公の言葉じゃないよね?ちょいちょい主人公自身で思案する事があったから分かる。こんな言い切るような事は言わない。
とするとこれは「プレイヤー」の声?
確かにゲームはどれだけ難しかろうとクリア出来る設計になっているはず。
それこそ致命的なバグで進行不能とかにならない限り。

その上で、なぜミクリエとは話すことが出来るのか?
と主人公も疑問に思い始める。会話を通して目をパチパチさせていたから、てっきりQ-5やプシケの言葉を静かに聞いてるだけかと思っていたけど、
どうやら違ったらしい。

そんな疑問をありつつこの世界の果てへ。
するとプシケが主人公のステージクリアを踏みとどめるような
言葉を投げかけてきた。
前の世界を主人公が消した事、果てに辿りついた末にこの世界も消えるのではないか?という事、プシケ自身消える覚悟はあれどやはり怖いという事、前の世界を消したことに対する主人公の罪悪感その他諸々…

あれこれ言われつつ、最終的な選択は主人公に委ねられる

とはいえ彼らの想いを跳ね除けなければ、主人公の正体を明らかにする事も出来ない訳で…結局ステージクリアを敢行するのでした。
この世界を歩き続けて、主人公は自らの行動やミクリエの思惑に対して
大きく疑問を抱く事に。

ミクリエに対する回答といい、主人公「自身」の意志ではないのは確実。
だって主人公操作してるの、プレイヤーだもん。
漫画とかでよくみる「身体が勝手に!」状態だから、
操作してる手前ちょっと心が痛むね

少しずつ自身の行動に疑問を持ち始める主人公

最初の世界、最初の住人

クリア後、ポップアップの裏側に隠れた謎のアプリケーションを起動。
「プシケのメモリ」も手に入れ、次のステージへ

終了ボタンを押したらダメらしい。押すとどうなるかは実際にプレイして試してね!


と思ったら主人公はおらず、目の前には
育ちの良さそうな見た目をしたお嬢様型ロボットが。
黄色と白ベースのデザインにAラインのドレスが良く似合う。
球体関節なのもグッドだ…

日傘を差してる姿からお淑やかさを感じる

最初の住人と名乗るカトラズ。彼女からこの「世界」はそれぞれが独立して出来た仮想世界であり、今までステージクリアしてきた世界含め、1つ1つがプログラムによって構成されたファイルである事が明かされます。
最初に創った世界で、なおかつ最初に創り出したキャラクターなんだから、そりゃ愛着が湧くようなキャラデザなのも頷ける話。

そして次に切り出したのがミクリエの正体について。
彼女こそがカトラズ含む全ての世界、キャラクターを創った「神」
そのものであり、今まで消してきた世界も彼女が作ったものだったそう。
主人公自身がこの世界の創造主なんじゃないのかな、と思ってたけど、
2D3Dどちらの世界も、住人の事も余さず知っていたし納得が行く。
とすると主人公の正体は?なぜ記憶がないのか?疑問が広がる。

そんな中、カトラズから操作権限を全て渡された。
ここにも果てはあるらしいが、どうやら行く手を阻むものが多く、
力を貸してほしいとの事。
代わりに歩きながらミクリエの真意やステージクリアの事など、
色々と教えてくれた。

ギミックをこなして驚いてくれるカトラズ。瞳が「!」でキュート

主人公が動き出すと同時に、これまで途絶えていたミクリエの信号も観測した事が語られるのだが、会話の一節で「あなたをガイドしている」と。
どうやら「プレイヤー」視点ではなく、主人公視点になっていたようだ。
そうかだからステージクリア後に現れなかったのか…

カトラズは続けて、ミクリエは主人公を導きつつ自分自身が作り出した
この世界を削除して欲しいのでは、と推測を立てる。
ならば神であるミクリエがなぜ自分の手でこの世界を削除しないのか?
彼女自身もその点については謎のまま、先へと進むことに…
更に歩みを進めると、カトラズから主人公の名前が「レクト」である事、
そしてレクトは世界の外と継続して通信を行っている事を知らされる。

特にレクト自身の心境は語られていないが、
前の世界で疑念を抱いてた手前、レクト本人は
「どうして世界の外と通信が出来るのだろう…」と思っていたと予想。
こちらが操作したり選択肢を回答したので、一方的に送信した命令を
レクトが無意識下で遂行していた、と言った方が正しいかも?
とはいえ思っていたらメッセージログが流れていてもおかしくない上に、
一方的とはいえ通信してる事に変わりは無いので正直分からんです。

正体を知る頃には世界の果ても間近、ステージクリアが迫りつつあった。
最後にカトラズは、ミクリエやレクトが不幸になって欲しくないと
自分の気持ちを打ち明ける。
そしてこの一言を残し、ステージクリア。

この辺りから色々正体バレやら何やら始まって心が苦しいのなんの

クリアの直前までカトラズは笑顔を絶やさずに彼女の身を案じ続けてた
本当はカトラズ自身消えたくなかったかもしれないのに

リードミー

クリア後、次の3D世界に弾き出された主人公のレクト。
カトラズの想いを胸にミクリエに逢いに行く。
記憶を取り戻す旅が、いつの間にか世界を消す役目を負う事になろうとは。
ミクリエが何を想っているのかを聞かないと。

最後まで寄り添う為、ミクリエの元へ

今回も初期地点からすぐ近くにいたので見つけるのは容易だった。
ただ今までモニター越しだったのが、今回は直接待ち構えていた訳で。
本人も真実を話す覚悟が出来た、という事の表れなのか。

ミクリエに近付くとすぐ、カトラズの事を話し始める。
例外なくはじめの世界のやり取りも聞いていたらしい。創造主だもんね。
ミクリエは仮初の姿、本当の名は「みくり」であり、
彼女は人間である事を明かした。

VRゴーグルに、腕とか膝に付けてるのはトラッカーかな。

ここは仮想空間の外側に存在する次元の狭間であり、
みくりはここから各世界を観測していたという。
そしてこの世界を削除して欲しいと、レクトにお願いをする。
同時に世界を削除するにあたり、この世界について語り始めるのだった。

彼女本人は「長いから読み飛ばして良いよ」と言うが、そんな事はしない。
消すことが出来るならすぐ消してるはずなのに、どうして最後まで削除せずに留めているのか、彼女の口から聞かないと分からないしね。
そんな訳でみくりの話を聞きつつ、次元の狭間にある果てを目指す事に。
やる事自体は変わらずシンプル。

道中、ギミックを解くためにゲーム内のポインタを表示させると
キャラがしがみ付いているように見え…これはカトラズでは!?
うっすらクリーム色した長髪に、頭には髪飾り…と、
そこから垂れてる青いコードのような線。恐らく彼女に違いない。

彼女の存在はファイルと共に消えたと思っていたはず…と思った所で
この世界へ来る直前に「カトラズのメモリ」を手に入れたのを思い出した。
メモリのお陰で同行出来たという事なのか…
みくりがこの世界に初めて生み出し初めて友達になったキャラクターだからカトラズも最初の世界と共に消えず、みくりの元に共に来て欲しかったと思っていたが、まさかこんな形で叶うとは。

がっしりポインタにしがみつくカトラズ。
プレイヤーと手助けしてレクト達の道を作ってくれているようにも見える。可愛いね

カトラズの助け、そしてQ-5とプシケの助けで2D世界と3D世界を行き来
しながら、レクトはみくりに対して今までの疑問を1つずつ投げかける。
最後まで彼女の想いと、彼女自身に寄り添う為に。

みくりは何者なのか。
みくりは元々研究者で、並行世界の移動を研究していた事。
並行世界を移動するにあたり、理論を確立する手立ての1つとして仮想世界への転送技術を任され、「プロトタイプ」としてこの世界を作り出した事。
この世界がグリッド線のみで構成された殺風景な電脳空間である訳だ。

どうしてここにいるのか。
現実世界から逃げてきたそう。
というのも、仮想世界へ人間を移動させる装置は試験機ながら完成させた
ものの、端的に言って倫理的にアウトな仕様だった。
なので代替案を模索したが見つからず、装置自体どこかへ転移して
無かった事にした(実質的な廃棄)。
とはいえそれを上に知られたら何されるか分からなかったので
仮装世界へダイブした、との事。

どうして彼らを創り出したのか。
仮想世界に一人閉じこもってたら発狂しそうだったから。
まず最初の友達としてカトラズを創り出し、
次にプシケの世界や人たちも創り出した。寂しくならない様に。

で。名前をミクリエと称し自身の正体を隠していた所にピンと来る。
「クリエイター」の「みくり」で「ミクリエ」なのでは?なんて。
彼女が創造したんだから強ち間違いではないのでは。
仮にそうとして、拭えない既視感はそのままだが。勿論誉め言葉ですよ。

閑話休題。
みくりの事だから多分他にも世界は作ってたんだろうな、
と思ってたけれど増やしすぎて厄介ごとが起きたらしい。
人が居ればちょっとした火種で争いになっちゃうからね、仕方ないね。
1対1でも気に入らない事があったら口論に発展しちゃうし
そこはプログラムして作られた人間も現実世界の人間も同じなんだね。

…とか考えながら、実際に仮想世界の移動が確立されたら
現実・仮想問わず片方どちらかの身体(仮想世界で言えば精神体?)
を処理してしまえば、
リンクした人間は消滅ないしその世界に幽閉されてしまうのでは?
なんて予想がすぐ思い浮かぶから確立されなくて良かったと思う。

その後にQ-5のようなロボット達の世界を作ったんだと。
「居心地は良かったけど大きくなりすぎちゃった」って言ってたくらいだし
巨大都市になる程の街並みは逆に混み混みしすぎてダメだったのかもね。
実際の街並みがどうだったかはさておき、気持ちは分からんでもない。
道路の近くに植え込みがそこそこあって、車の通りもあまり少ない、
人の往来もご近所付き合いがある程度に留められるくらいの
「閑静な住宅地」ぐらいが丁度良いと思う。知らんけど。

仮想世界の住人達が、みくりを「神」と呼ぶ理由。
それはそうとレクトのアイコンが可愛い。

どうして現実世界へ戻らないのか。
戻らないのではなく、「戻れない」が正しいらしい。
権限自体は生きていたので、仮想世界に閉じこもってても変わらないから
現実世界へ戻って仮想世界を何とかしようとしたらしい
…のだが、戻れなかった。

みくりは「取返しの付かない事をやらかしたんだろうね」
と言っていたけど、これ間違いなく現実世界の身体消されてるよね。
みくりがやった事を考えればすぐ思い浮かぶところではある…
莫大な研究費を投じて任されたプロジェクトとはいえ、
代償としてはあまりにもエグい事を簡単にやりおる。

代わりはいくらでもいるという事なのか、
はたまた1人の身体を処分しても足りないぐらいの額だったのか…
身体を消されたかどうかなんて想像でしかないから、実際の所は不明だが!

で、現実世界に戻れないと知って仮想世界に戻ろうとしたら
移動中に次元の狭間へ弾き出され、仮想世界にも戻れなくなった。
と同時に、各世界で崩壊が始まった事を観測。
管理権限はあれど、次元の狭間から管理する事は出来ず
各世界の崩壊を見ているしかなかったらしい。
いつ頃から崩壊が始まったのかは分からないけれど、巨大都市や城のあった世界が原型を留めていない辺り、だいぶ前からなのは間違いなさそう。

不運に不運が重なったと言うべきなのか…

どうして削除に踏み切ったのか。
崩壊して変わりゆく人々を見るのが辛かったから。
特にプシケのいた世界は、崩壊の影響で意識集合体のまま
存在しているのを見ていられなかったらしい。
不慮の事故とはいえ、自責の念に駆られるのは仕方ないよね。

人によってはエゴの押し付けと捉えられてもおかしくないところでもある。自分が寂しいから創り出したものに対して、過程はどうあれ削除して欲しいって頼む訳だもの。彼らの神様に対する気持ちはどうなるんだろうか。
Q-5やプシケは消えたくない気持ちが見え隠れしていたけど、
あそこまで崩壊が進んだ以上、残り続けたいと思う人は少ないのかも。

プレイヤーの操作に抗えないレクト。このまま削除するしかないのか

レクト自身について。
レクトは並行世界の移動媒介として利用されるはずだったAI。
仮想人格の精神を媒介する事で、人間の精神負担を軽減しよう
という狙いで生み出したそうな。
AIとして生み出した際に情報伝達出来る様、仮にみくりだけと
会話できるようインプットされていたとしたら、言葉を交わせるのも納得。

加えて並行世界と交信する機能も併せ持っていた事が明かされる。
つまり、Steamアプリを起動する=レクトが「外」の通信をキャッチする
レクトを操作する=彼の周囲情報が無意識下で外部へ送信され、
それを元にプレイヤーはレクトをステージクリアに導いていた…
って解釈で良いのかな。知らんけど色々むずかしいわね!

心なしかみくりがこっちを見ている気がする

そして、その機能を利用してここまで来るようにみくりが誘導した。
カトラズも「レクトが起動したと同時に(今まで反応すらしなかった)みくりの信号もキャッチした」と言っていたくらいだし、外部からの接続をずっと待ち続けてたって事になるよね。ある種の賭けだったとしか。
崩壊を終えるまでにプレイヤーがこの世界へ接続しない可能性もあったし、
みくりは外部に弾かれて管理権限を行使できないしで割と積みの状況だったから、文字通り祈るしかなかったはずだし。

何故世界の削除をレクトにお願いしたのか。
それはみくりごと、全ての世界と住民を消し去ってもらう為。
みくり自身は権限を持っている為、権限を削除する事は可能だが
削除に時間がかかってしまい、住民たちを苦しめてしまう、と。

何よりどうやっても自分自身を消去する事は不可能だから、
みくり自身を消し去るには仮想世界でも次元の狭間でもない、
完全に「外」にいる存在が必要である、と。
その為に外部と通信可能なレクトを利用したらしい。

そしてその「外」の存在こそが…

え・・・
ええええ!?

第四の壁超えてきた!?!?!?!?

いや本当にここで名前告げられてびっくりした。
これ以外にもシステムに直接干渉してくるギミックがあったから、
みくりが話すたびにちょいちょいこちらに視点を移しているって事は
プレイヤーの存在は気付いてたんだろうなーくらいは思っていたが!

まさか直接名前を伝えてくるとは…
それも「プレイヤー名を書いてください」って文言はひとつも無かったから
間違いなくSteamアカウントそのものを参照したんだろう。恐れ入った…
今まで崩壊を食い止める為に引き続けていた導線も、
ご丁寧に「ゲームのように捉えられている」と表現するんだもの。
その通りだよこのゲーム面白そうだから触ってみたら思いのほか楽しすぎてガンガン進めちゃったらどんどん激重展開に引き込まれて今じゃこの始末だよどうしてくれんの!最高すぎる!

で、今まで歩き続けていた世界についても
レクトが歩く事でその世界の構成データをロード、
最後にステージクリアを実行する事でロードした構成データを全消去する、
というカラクリだったらしい。
つまりプレイヤーはステージクリアを文字通り「ステージ攻略を達成する」と捉えていると仮定し、それを利用して「ステージを消去する」意味も含んだ「Stage clear」を組み込んだって事らしい。とんでもないなこのゲーム!
プシケが「書き換え等を駆使してスイスイ動けるような配置」っぽい事を
言っていたのも頷ける話だよ

ステージクリア後、各世界のメモリが自動で手に入る仕様だったのも
プレイヤーが新しいギミックに刺激されて先に進みたくなるよう仕向けた
ものだったらしい。プレイヤーはまんまと術中にハマってたって訳!
なお、彼らの遺した物で構成されたメモリなのは本当らしい。マジかよ…

みくり…恐ろしい人だ…

なぜレクトはみくりとだけ話せるのか。
確かにミクリエの頃から話が出来たよね。でもみくりも分からないらしい。
勿論プレイヤーである自分も分からない。

レクトの問いに対する答え、そしてレクトの権限が
プレイヤーに掌握されたもどかしさを抱えたまま、果てが近付く。


ゲームクリア

ごめんねレクト…

為す術もなく果てに到達するレクトとみくり。
レクトの意志を汲むのであれば、ここでゲームを中断したら
少なからず二人を留める事は出来る。
みくりはゲームクリアによるこの世界の消去を望んでいる。

二人の意志がどうあれ、これがゲームである以上は
どうしようもないんだよね。
プレイヤーはゲームを色んな形で楽しむ事はできるけど、
行き着く先は(MMO等一部例外あれど)殆どゲームクリア。
カトラズごめん、どちらも幸せには出来ないわ…
そう思った瞬間

レクト?
もしかして…

暗転が開けると、そこにはレクトがみくりの手を握る姿が。
最後の最後でプレイヤーの支配から離れ、
一緒に消える選択をレクト「自身」が選んだんだ。
みくり一人が削除されるのは寂しいものね。

彼女が寂しさを埋めるためにこの世界を創り出したのに、
最後の最後でまた寂しい想いをするのは本末転倒。
ならせめて二人でこの世界から削除されてしまえば、
寂しくないと思ったんだろうね。

初めに崩壊した世界の住民たちの、世界に対する思いに触れ、
次にカトラズの2人に対する想いに触れ、
最後にみくりの創り出した世界と寂しさに触れたレクトだからこそ
起こせた奇跡なのではないかと思わずにはいられない。

2人はデータの存在でしかないけど、
この時は削除されてもお互いの心は永遠に生き続けて欲しいと願いつつ、
ゲームクリアを押し世界を消して終了した。

これでもう寂しくない



おわりに

初めは無料でこんなに可愛いキャラを操作できる!
プレイ時間も短めだし掛け合いも面白そうだから
ちょっと触ってみようかな程度の気軽さで起動したつもりが、
ゲームながらこんなに感情移入するとは思いませんでした。

システム面で言うと、2Dと3Dの切り替えはさることながら、
ジャンプや落下等のレクトのモーション一つ一つが丁寧に作られており、
躍動感ある動きを楽しめました。その上ボタンを押すとアプリが落ちる、
キャラが直接プレイヤーに介入してくる等のシステム周りを利用した
ビックリ要素も多く盛り込まれていたので、
シーンごとに驚きの連続があるのも良かったです。

改善点を挙げるなら、移動中のログ送りが早くじっくり見られない所、
2D床の接地面でジャンプと着地が連続してダバダバする所でしょうか。
それでもなおギミックの新鮮さやストーリーの濃さが勝ったので
非常に満足度は高かったです。プレイした後の余韻が数日続く程でした。

この作品に出逢えて本当に良かったです。
ありがとうございました。


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