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幻、ツルチック。ああ再会。
最近、ポッドキャストで、「ホントのコイズミさん」を聞いている。
「本」と「本に関わる人」を紹介する小泉今日子さんの音のコンテンツ。
月曜日の更新が楽しみになっている。
4回目は向田邦子さんの話しだった。
向田邦子さんの話を聞いて思い出した。
「ツルチック」
向田邦子さんのエッセイ集「眠る盃」の中に、「ツルチック」という話しがある。「ツルチック」とは向田邦子さんが昔飲んだ思い出の飲み物だ。名前だけ「ツルチック」と覚えてて、味がなんとも言えぬ美味しさで!「またあの味に会いたい、又飲んでみたい!」と思いながら、探してもなかなか会えない。と言う内容だった。
「ツルチック」この響きが好きで覚えていたこの名前。
私の中では、白濁した白色に少しベリー系の赤系が混ざり、ちょっぴり発酵して甘酸っぱく、控えめながらそれでいてパンチのある忘れられない味。
一体どんな味なのだろう。控えめながらパンチのある忘れられない味。。。私も飲んでみたい!!!
勝手に味の妄想が広がっていた。
久しぶりに「眠る盃」を読んでみたくなり、目次で確認すると、「続 ツルチック」とある。???
「ツルチック」には続きがあった。
それは「ツルチュク」という韓国語だという。ベリー系の様な葡萄酒だそうだ。もう一度読んでみたら、「ツルチック」の時も、赤い色の飲み物で水に薄めて飲んだ記憶と書いてあった。
この「ツルチック」のエッセイを読んだ読者が向田さんに情報をお手紙で送ってくれたり、電話でのやりとりも沢山あったそう。
時代だ。
今では信じられないことだが、平和でのんびりして良いなー。
時代の違いをしみじみしたりして、気がつけば、
私は、現代に戻り、「ツルチュク」で検索していた。
便利が売りの今、とうとうツルチックを飲む時が来たか。
ネット注文で。。。
出でいた。
北朝鮮の葡萄酒として、お土産などでも売られているらしい。
そして便利が売りの今だとしても、北朝鮮だったのか。
別の意味で又ツルチックが遠い飲み物なってしまった。
妄想の味は、まだまだ続きそう。