プライマーと戦う地球防衛軍

2024年、どうやら合計1000時間以上ゲームをしていたらしい。その中でも最も熱中したのは『地球防衛軍5』『地球防衛軍6』で、今でも6は毎日のように触っている。この5〜6のストーリーが、ゲーム体験としてかなり衝撃だったので、一旦コントローラーを置いて記録しておきたい。

そう、ストーリーがあるのだ。ミッション形式のTPSで、「プライマー」と呼称されるエイリアンどもがワサっと押し寄せて来るのを、銃やら鈍器やらをぶん回して駆逐していくのが『地球防衛軍』だ。敵を倒して出たアイテムを拾うと武器が増えたり強化されたりする、いわゆるハクスラ要素も含まれる。大群で押し寄せる敵をチマチマと倒し、可能な限りアイテムを拾い集める。単純作業といえば単純作業で、それ自体もたまらなく楽しい。また、ミッションごとに適した武器や進軍方法を模索するのも楽しく、こういったストラテジー的要素も熱中する一端の要因だと思える。

各ミッション中ではキャラクター同士の通信がある。基本的には隊の名前で呼ばれ、ほとんど個人名はない。しかし、作戦でよく同行する隊の名前を覚える頃には、信頼できる大切な仲間、戦友だと認識するようになる。その戦友たちと主人公がストーム隊の名前を冠するようになるくだりでは、胸が熱くなった。過酷な戦場を切り抜けることで絆を固いものとし、辛くも勝利を手にするのが、5での大まかな流れである。仲間のうち生き残ったのは主人公だけで、世界の総人口も3割しか残らなかった。

この悲惨な状況で抗い、プライマーに一発喰らわせるために戦うのが6だ。6ではバディとして、科学者であるプロフェッサーが随行する。彼は随行するだけでなく、武器の開発担当であるという設定を持つ。物語が進むにつれて武器のランクが上がっていくのは彼のおかげとされ、ゲームのお約束に説得力を持たせる一助となっている。

6をプレイすると、5での壮大な物語がもっと大きな流れの一端でしかなかったことが判明する。プレイヤーの知らないところで、主人公とプロフェッサーは床を舐めている。6を進めていくことで、彼らと戦いを共にすることで、その大きな流れをプレイヤーが共有することになるのだが…

途中で少々嫌気が差すのだ。マップの数も敵の種類も、決して多くはない。似たようなマップで、増援・増援・増援を丁寧に処理し、やっと片付けたと思ったら強敵が現れ、床を舐める羽目になる。クリアできても、また大群を一匹一匹倒していくのが延々と続くのだ。5,6と連続でプレイするとなおさら。うんざりする瞬間もあった。

この感情が、主人公とプロフェッサーの感情とリンクしていると気付いた時、このゲームに心底感情移入している自分に気付いた。何度も何度も辛酸を舐め、今度こそはと思ってもプライマーに絶望させられ、もう嫌だと思ったからこそ、奴らに一発喰らわせないと気が済まないのだ。

最終局面へ突入するにはちょっとした気付きが必要になる。プライマーに勝つには、プライマーと同じことをすればいい。この演出は、「目には目を」主義の私には心震える演出だった。

ゲームでしかできない演出は数多くあり、私もたくさん経験してきたはずだ。それでも新鮮に響いた体験だった。没入とは、そこに自分が存在しなくてもできるという気付きは大きい。

タイトルは知っていたけど敬遠していたゲームが、実はこんなに面白かったとは思わなかった。同じように敬遠している人にも、ぜひプレイしてほしい。胸を張っておすすめできる、最高のゲームだ。

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