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洋画鑑賞『スカイエース』感想
2023年4月鑑賞。
予告編でSE5が飛び立つのをみてこれは観なければと。
第一次世界大戦イギリス軍の話、王立陸軍航空隊がメインの話だ。RFC! 邦訳本が見当たらず古い英語の本を探し回り泣きながら読んでる身としては、動くRFCが日本語字幕つきで見られるなんてありがたすぎて夢かと思った。
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大きな事件はなにも起きない。
上空の戦闘と地上のバカ騒ぎの繰り返し。
戦場で仲間がいなくなるのは日常茶飯事。
仲間がいなくなり新人がやってくるのも繰り返し。
繰り返しのなかで、精神を病んでいく。
戦地でのありふれた日常が個人の視点で描かれる。
胸を熱くする英雄譚でもなく涙を誘う悲劇でもない。派手な物語ではないけれど、その分若者たちの苦悩が身に迫る。
えっここで終わり?!と唐突にも感じた幕切れにしばし放心…あとには両極の余韻が残った。
このあとも延々繰り返しを予感させる救いのない話への虚脱感、でもそれとは別の、充足感。
SE5が飛び回り、RFCの軍服が歩き回り、歌と銃声が響き渡る。
あれもこれも、写真で見たことある、本で読んだことある!
最初の数分ですぐに引き込まれ、100年前の世界を2時間じっくり堪能した。充実した時間旅行だった。これは観て良かった。良い体験をした。
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鑑賞中SE5の翼の形の違うのが気になったので、あとで調べたところ…
Stampe et Vertongen SV.4というベルギーの複座機を改造し代役として使用したとのこと。なるほど~。
そういえばキャメルじゃなくてあえてSE5なのも興味深い。
キャメルは英雄の撃墜と結びつく有名な機体だ。
新人でもだれでも容易に乗りこなせたというSEのほうが、英雄的でない無名の隊員たちを描くのにふさわしかったのかなと。
結構細かい所まで見たつもり、だったけど。一度で味わい尽くせなかった部分もまだありそう。また観る。