コレクションの話 RAF S.E.5/5aの切手
以前、推し飛行機が描かれた切手シートの話を書いた。
その後、他にもSE5aの切手をいくつか見つけた。
飛行機の切手というと把握できないくらい数多く存在する。
複葉機に絞るとそこそこ、さらにSE5aに限定するとごくわずか。
少ないからこそ、ひとつずつゆっくり集めていけそうだと思った。
前回の記事のあと入手した切手は5種類。まとめてみた。
「南アフリカの航空」シリーズの一枚。
南アフリカは大戦後イギリスからImperial GiftとしてSE5aを贈られた。
切手に描かれているのは銀色の機体に青赤緑黄の四色ラウンデル。当時の南アフリカ空軍(South African Air Force -wikipedia)のカラーリング、大戦中のイギリスの色と違うレアな姿だ。
凝ったデザインではないものの、さわやかな青空を背景に描いた美しい切手。この記事のヘッダー画像にもこの切手を使った。
Tommyの愛称で知られるトーマス・ローズ大尉(1895-1968)生誕100年記念。
WW1イギリス陸軍航空隊第64中隊のエース、撃墜数11機を全てSE5aで得た。
のちに飛行レースで優勝したり、テストパイロットになったり。
英王室属領オルダニー島にて没したとのこと。
Wolsley-Viperバージョンの麗しいSE5a。雲の上のワンシーン。
左下にアルバトロスらしき青いドイツ機が落ちている。
「複葉機」の切手シートのうちの一枚。
背景が北フランスというより中東のように見える。
イギリス機のカラーリングに関して「西部戦線では緑、中東戦線では茶色だった説」を思い出す。
小さくて見づらいがおそらくHispano-SwizaバージョンのSE5a。
後ろからフォッカーE3が追いかけてくる。
繊細なタッチで細部までよく描かれているけれど…機体の中隊マークが何中隊なのか、手元の本には載っていなかった。
「第一次世界大戦の軍用機」の切手シートより。
絵の右上はイギリス国旗で、主翼のラウンデルはアメリカ。
イギリス製SE5aがアメリカに渡って改造された「SE-5E」バージョンのようだ。
胴体のナンバーA.S.22-325を調べると、この機体はアメリカ空軍博物館(National Museum of the U S Air Force)に収蔵されているらしい。全体がライトブラウンカラーで、主翼の中央にルイス銃がない。本に載っている写真と同じ姿だ。
外国のコミックみたいなラフな画風がかわいい~と思っていたら、実在の機体だったとは。
第一次世界大戦ヴェルダンの戦い100年記念。
機首と尾翼が見えないので、SE5aなのかどうか判断に迷ったが、機体のマークで確認できた。主翼間支柱の白黒ペイントも特徴的。
第40中隊 G H Lewis大尉のSE5a、D3540。
SE5aの配備開始は1917年、このD3540が戦場を飛んだのは1918年。
ヴェルダン戦(1916年)とは関係ないのではという野暮なツッコミは置いといて、模型の箱絵を思わせるイラストの趣深さを愛でたい(黄色のドイツ機たちはファルツD3?)。
SE5とSE5aはいわばバージョン違い。特に好きなのは5aのほうだが絵の構図によっては判別が難しいこともあるし、切手を探す際にはあまりこだわらない。
入手後、検分しつつあれこれ調べるのは楽しい、だけでなく模型の参考にもなりそう。
一方で、海外の切手にはアバウトなデザインも珍しくない。
そういう時は、推し戦闘機が描かれているだけでありがたい……と拝んでおくのが吉。
今後もゆるりと集めていきたい。
※メモ。
切手シートの切手を切り取らずに一枚だけ撮影する方法。
この方法は、四角形の切手を想定している。多角形の場合は可能だけど煩雑。昨今のシールタイプの切手は不可。
1、切手シートの下に黒画用紙を敷いておく。
2、撮りたい切手の周囲を4枚の黒画用紙で覆う。
3、その上にフレームを置く。
4、真上から撮影。
5、フレームの外側をトリミングする。さらに補正で黒を強調すれば、画用紙の存在はたぶんバレない。
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