フジテレビは何がまずかったのかを考える【中居問題】
今回の中居問題でフジテレビへのCM見合わせるスポンサーが75社(2025/01/22現在)程度にまで及ぶほどの大ごとになっている。しかしなぜそこまで拡大してしまったのか?フジテレビのどの対応がまずかったのか?今日はそこを検証していきたい。
※ヘッダー画像に他意はない。
スポンサーが降りる経緯
まず1/18に日本生命がCMを見合わせた。
その後、明治安田生命とトヨタが見合わせ。
そしてNTT東日本が見合わせ。
すると、ここから急拡大。1/19以降花王や日産、マクドナルドが止めはじめる。
1/20には25社に
1/21には75社までに広がった。
現在もP&Gも見合わせなどさらに広がっている。
さらにキッコーマン提供の「食いしん坊!万才」の番組差し止めやシオノギ製薬提供の「ミュージックフェア」でもシオノギの名前を出すなという話が出ている。60年以上の長寿番組にまで影響が出ているのだから、かなり深刻である。
何がまずかったのか?
会見の問題
ここまで酷くなっているのは、やはり1/17の会見が原因のひとつだと思う。
スポンサーはここで何か新しいことや関与していないなど事実が明らかになると期待していたはずだ。しかし会見の内容は「回答は差し控える」など曖昧で社内で関与があったかどうかさえも明らかにされなかった。これではスポンサーも失望するのもやむを得ない。
大体スポンサーがCMを見合わせているのはイメージ悪化を恐れているからである。フジテレビにCMを出し続けることがリスクであり、危険だと考えているからだと思う。フジテレビはこの中居の問題に会社として関与していたのかどうか?ハッキリしないままでは、関与していたのではないかとみなされても仕方ない。昨今の企業はグローバル展開も多く、海外は特に性犯罪に対する目が厳しい。それでフジテレビが曖昧ではCMを出しにくいのも頷ける。
そもそもなぜ定例記者会見を前倒しする形でやったのかも疑問だ。これはどう考えてもこれだけで大問題なのだから、定例会見とは別に設定して会見をしても良かったはずだ。定例会見ぐらいで済むと思っていたんだろうか?
一番最初の対応
そもそもこの中居問題は年明けからすでに文春や女性セブンに出ていた。しかしフジテレビはそれを放置していた。そしてさらに中居氏がコメントを発表した後も対応を取らなかった。この時に対応していればここまで酷くはならなかったはずだ。外資系の株主に言われてから会見したかのように映った時点で印象はとても悪かった。
そもそも隠蔽したかどうかは個人のプライバシーに関係なく、会社としての問題なのだからすぐに答えられるはずだ。隠蔽していないのであれば、していないと即座に言えるはずなのに今でもハッキリした答えを出していない。それではやましいことがあるんじゃないかと疑われても仕方ない。佐々木アナなど関係しているであろう人物がすぐに否定すれば済む話をなぜしないのか?大いに疑問だ。
誹謗中傷への問題
先日、フジテレビのホームページにはこんな文章があった。
しかしこれほど事態が大ごとになっている今、こんな悠長なことを言っている場合なんだろうか?どこかまだ他人事のように考えているんではないか?フジテレビは。実際誹謗中傷や事実に基づかないコメントで社員が安心して働けなくなっている。そのことが影響して、アナにはタクシー勤務を義務付けるほどまで追い込まれている。(正確に言えばフジテレビという会社が追い込んだのだが)
こういうデマには法的措置を取ると強くいうべきだし、片っ端から訴えて訴状が相手に行くぐらいのことをしなければならない。社員が安心して働ける環境を作るのが会社の役目なのに、それを自己責任にして放置するのであれば、フジテレビはテレビ局以前に「企業として」失格という烙印を押されても仕方ない。
実際に罪のない関係ない人たちまでこうして影響が及んでいる。ただ企業というものは誰かがやらかすと全体的にそういう目で見られてしまうというのは今までいろんな不祥事を見てきたテレビ局だったら一番わかるはずである。
記憶に新しいのは、三菱UFJ銀行の貸金庫で金品を盗んでいた行員が逮捕された事件だ。その事件で顧客はどう思っただろう?三菱UFJ銀行にこれからも貸金庫に金品を預けようと思うだろうか?行員を信用できるだろうか?いや、できなくなったはずだ。一支店の一行員の行為が全部に波及し、結果かなりの社会的信用を失った。顧客の中にはUFJを解約する人もいただろう。そんな中でもUFJで今でも働いている行員はどう思うだろうか?きっとフジテレビアナなどと似ているような気持ちになっているんじゃないのか?
だからトップが出てきて謝罪し、トップが責任を取る。これが今までの会社の不祥事に対する対応の一般的な例である。一個人であっても社会的信用などを考えればトップが頭を下げる。これが企業だからだ。しかしフジテレビはどうか?しっかりと頭を下げても、静止画だけでは伝わらないところだらけだ。ちゃんと質問にも答えようとしたか?誠意ある態度だったか?責任を取ろうという態度がしっかり現れていたか?普段追及する側がされる側になった時保身に走るのなら、もうそれは整合性が取れない。ちゃんとやっていますか?フジテレビにはハッキリとした答えがないし、曖昧な対応ばかり。これでは良くない。
第三者委員会の設置に関する問題
さらに会見では第三者委員会を設置するのではなく「第三者の弁護士を中心とした」調査委員会を立ち上げると言った。しかしこれでは独立性の疑問符がつくのは当然。さらに今日(2025/01/22)になってようやく第三者委員会の設置を「検討」していると伝えられたが、この時期になってもなお検討段階なのか?かなり世間との認識にズレがある。この問題は社内で関与があったかどうかというフジテレビにとって会社が存続するかどうかの瀬戸際に立たされている問題なのになぜ早急に立ち上げようとしないのか?呑気すぎやしないか。
強烈な違和感についても触れる
しかしこの一連の問題には私筆者自身強烈な違和感を持っているし、すごく感じている節がある。これについても包み隠さずにぶちまけたい。
文春への過度な信用
そもそもこの問題の発端は文春などの週刊誌報道である。「週刊誌」と言えばネット上で言ういわゆるオールドメディアの一環だし、マスゴミとも呼べる🗑️そんな媒体のはずなのになぜそんなに疑うことなく、みな信じているんだろうか?
スポンサーもそうだが、週刊誌報道では9000万貰ったという話も結局貰っていないのではないか?という真逆の話が出ていて真実が不透明である。それなのにイメージだけが先行して皆ネット上でボロクソ叩き、スポンサーまで降りるというのはある種恐怖である。世界で一番怖い答えよりも怖い。完全に文春さえ利用すればなんでも気に入らないものは潰せてしまう。そんな前例を作っていいはずがないのだが。
気持ちの先行
イメージだけが先行しているが故に、完全に飛躍して「停波」だの「倒産」だのそんな話までフジテレビに罵声が浴びせられている。しかしながら、そんなことを言ってしまったら語弊はあるが、そんなにみなさんに関係ありますかね?
大体TBSだって昔はビデオ事件があり、それがきっかけで一家が殺害された。日テレだって去年セクシー田中さん問題で原作者が自殺している。人が亡くなってもなお、放送業は呑気に続いているんだからこの出来事で倒産や停波になるとはとても考えにくい。それなのになぜかネットは過去のこういう出来事には蓋をしてフジテレビだけを叩く。それはあまりにも不公平ではないか?逆に人の命はどうでもいいとでも思っているのか?そうだとしたら「ひとでなし」だ。(実際にそんな人はいないと信じたいが)
そもそもこの中居問題は中居正広と当事者の問題であり、この2人にはすでに示談が成立している。それなのに何が許せないんだろうか?示談は合意である。第三者がそこに割って入ることなんてあり得ない。それでも中居に対して許せないというならまだ中居は加害者だからと説明は付くが、フジテレビに文句を言うというのはどういうことなんだろうか?フジテレビだけが責められるのは奇妙である。フジテレビに親でも殺されたの?と言いたいぐらい気持ちが悪い。
報道機関の矛盾
ただ、フジテレビがここまで批判されるのは今までやってきた行為があるからだとも言える。
イット!などで大谷選手の家を勝手に取材。そして住めなくさせた。そういうことをしておきながら、自分たちはプライバシーの関係で回答は差し控えるではとても割に合わないし、人権を重視したとかいうが、旧ジャニーズ問題の時にあれほど「人権重視」って言っておきながらバラエティーや報道番組で人権が本当に尊重されていると思える描写はジャニーズ問題がある程度収まり、それ以降のテレビを見てもあまり感じなかった。大谷選手への突撃だけではなく、イット!では行き過ぎた取材がたまに問題になっていた。これでは社員はプライバシーがありますと言っても、他人には平気で人権を蹂躙しておきながら、そんなのお前が言うな状態であるということは強く言いたい。
さらに日テレのnewszeroで藤井アナはこう呼びかけていた。
確かに藤井アナの言う通りではあるのだが、日テレが言うの?という感想を正直持った。日テレは去年セクシー田中さん問題で原作者が自殺している。それなのにそんなことを言えるのか?さらに系列局が犯したことであるが24時間テレビの寄付金着服もあった。それなのに日テレの社長は一切会見を開かなかった。それでいながら、フジテレビには会見を開けとはどういうつもりなんだろうか?
ネットも日テレやテレ東には激甘だから困ってしまう。そこをしっかりと指摘しているアカウントは全くいないとまでは言わないがあまりにも少ない。まず報道機関やネットには自分の行為こそ先に見直してほしいものである。(この件に関して全く反論や意見を言うなという意味ではない。自分の不祥事を隠して棚に上げておきながらいうのはおかしいということである)
最後に
この件はまだまだ尾を引くだろうし、実際カンテレの社長も会見をした。さらに九州電力もスポンサー提供を見合わせことになりテレビ西日本に多大なる迷惑をかけている。もちろんFNS各局すべてにおいても。この事態を早く収束させ、スポンサーが安心して提供できる環境を整えるには早急に第三者委員会を設立し、早急なヒアリングと記者会見、社長の責任の所在、キッパリとした態度と根拠のないネット上の話には断固として法的措置を取ること、これに尽きる。
このまま事態が長引けば、R-1や27時間テレビ、YBCルヴァンカップなどフジテレビや系列局の大事なコンテンツにまで悪影響を及ぼす。フジテレビは報道機関であるのと同時に「株式会社」でもある。まずは一企業として、信頼回復に全力を尽くすこと、これに集中すべきである。