マルハボロの映画MURMUR⑤『|SAAHO《サーホー》』新世代ボリウッド極まれり!愛と知恵持つ怪盗!英雄の正体とは……!?
あの! バーフバリでも主演を務めたプラバース主演のハイパーボリウッドアクション全開の作品!! それがこのSAAHOです!!
のっけからテンションが高くなっておりますが、無理もないです。
なんとこの作品前後編に別れており、それぞれ約1時間半。要するに3時間の大長編作品となっているからです!!!
おかげでこまめに見つつ終わるのに10日ぐらいかかったけどね!!!!
あらすじ
架空の犯罪都市ワージー(ゴッサムめいたあれ)を表と裏両面から支配する大権力者ナランタク・ロイ。20年ぶりにムンバイへと帰還しようとした彼を暗殺の魔手が襲い、その命は奪われてしまう。組織の腹心であるデーブラージはこの機会に全権力を一手に握ろうと画策するが、そこにロイの息子を名乗る存在が現れ、彼は暗殺の際に失われた2兆ルピーもの遺産を上回る金庫の存在を明かす。しかしこの金庫を開けるには、ムンバイに隠されたブラックボックスを回収しなければならなかった。
そして同時期にまた一人、男が現れる。ムンバイではこの時期多数の民間人を利用した連続窃盗事件が発生しており、彼はその犯罪を追う潜入捜査官なのだという。女性捜査官アムリタと共に鋭利なほどの推理力で事件を見抜いていく彼は、やがて連続窃盗事件の犯人もまたブラックボックスを狙っていることを突き止める。
果たして、突如現れた男の真の狙いとは。ロイ・グループの命運は。
謎とアクションが渦巻き、背後ではハリウッド作品まで流れるとんでもインド映画がここに開幕する!!
前半は怪盗紳士! 後半は超人英雄譚!!
どう考えても成立するハズがない要素を成立させるにはどうすればいいか……ある日ある時誰かが考えた。そしてこう結論付けたのだろう……。
好きな要素を全部ぶちこめばいい……!!
と、でも言いたげなほどこの映画にはありとあらゆるハリウッドエッセンスが含まれています。もちろん例のごとくボリウッド的もといインド映画の歌とダンスはこの映画にも含まれます。
ちなみに敢えてここで断っておきますが、この作品────映画としては決してまとまっている作品ではありません。前後編に分けた理由はまあわからなくもないのですが、要素や要所が引き延ばされてしまっている部分が多々あり、同じ主人公を舞台にしたドラマを3時間の映画としてまとめましたと言われた方がすっきりするほどに、そういった部分ではハリウッド映画の闇鍋感があります。この映画が映画レビュアーから酷評されるのはそういった要素からでしょう。
で!す!が!
敢えて言わせてもらいますが、この映画は謎や真実を追う映画ではありません。徹頭徹尾エンタメにステータスを極振りしたレイピアもびっくりなほど尖った作品です。基本オールマイティに様々なステータスを平均値(意味は調べてね☆)にしてくる(やらざるをえない)現代の作品からは感じられない……むしろ90年代や00年代初頭の勢いだけでぶちかましてきたような作品と似たものを感じます。敢えてこういう映画を上げるならバトルシップが近い印象を受けます。あれも映画としてはともかく、エンタメとしてはかなり面白かったですからね。
……ただほんと惜しむらくはね、長いんですよ。3時間はまじで長いです。すでに申し上げましたが、例のごとく隙間時間で視聴してますので終わるまでに10日かかってます。それぐらいのボリュームなんですよ。
ステーキ頼んだら1キロで登場したぐらいの胃もたれ全開。可能な限り分けて食べましょう。一気に食べたら油分でお腹が受け入れ拒否を起こすのは必至。この映画を一気に見て詰まんないと思った人。それは決して本編が面白くないんじゃありません。そもそも普通の人間はゴリゴリに3時間映画を視聴できません。
そんな普通の人間の数十分の一程度の視聴力しか持たぬこのわたしですが…
わたしはこの作品に敢えて☆5を付けたいです。
なぜか。それは、この映画がバーフバリとプラバースいうネームバリューを使っているからでもなく、本編全てに挑戦的意欲が感じられるからなんです。え?そんなに目新しい要素があったかって?
いえ全然('ω')
むしろこれでもかってぐらい内容はベタベタですよ。油っこさとはこのことかと思うぐらいにはベッタベタです。ラーメン屋のテーブルどころじゃありません(偏見)。
もう、基本見たことないシーンなんてないんじゃないかってぐらい、ハリウッドのアクション作品あるあるがあちこちに存在します。だからこそ、この映画がボリウッドというハリウッドの二番煎じでありながら独自の映画館を創り出してきた業界に対する最高の作り方なんですよ。
ちなみに本編は、映画好きな人なら既視感出る勢いで如何にもな雰囲気と演出が続出します。
はい、それではなんでそれを挑戦的と言い切るのか。それは、んなこたぁ誰もやらねぇからです。
今現在面白い作品をハリウッドイズム的に言うのであれば、基本的にはいいスタッフと大量の予算とそれを運営する有能なマネージャーが必須です。そもそもこの作品からして、ボリウッドとしては規模が大きすぎるのもあってか、トラブル(該当リンク参照)も起きているぐらいなのですから。も起きているぐらいなのですから。
まあ確かに若いイケメンは殆どいませんよ。多分日本人の基準からすればおっさんだらけでしょう。そりゃそうですよインド映画だもん。
それに加え主人公は空を飛ぶわ、普通に超人血清打ったレベルの超人だわ(たぶんMCUキャップと殴り合えるぐらいには強い)、超がつく金持ちだわと、とにかく主人公を無敵無類の存在にしています。
ソーとキャップとトニーから要素を貰ってる?ハッハッハ、とんでもない。
むしろそれどころじゃないぐらいさらに盛ってますよ。今時二次創作のバットマンでもそこまで盛らないぞってレベルでスーパーヒーロー的設定てんこ盛りです。
いやでも面白いんですよ。特に後半はそもそも前半を見ることが必須なのですが、まーたこの前半ラブドラマめいた犯罪アクションにも一応必要性が生まれてきますので。というかぶっちゃけ前半のそこを乗り越えてください。面白いのはタイトルが劇中で名前が出てからなんです!
ウソは吐いてない('ω')(笑)
要するに、ボリウッドもといインド映画あるあるの”前半で飽きる”がここで来ます。余計なことは言いません、耐えてください。
そして前半の事件があるからこそ、一見不利な状況に主人公が身を置き続けた意味がわかってニマニマしたくもなります。
そしてこの映画最大の評価点なんですが、後味悪くないんですよね。
わたしがこの作品に高い評価をつけるのはひとえにそこにあるんですよ。
そりゃ量は多いし油マシマシですよ。でもステーキを頼んだらステーキが出てきたんですよ。そりゃ味付けに文句がある方だっているでしょうけど、昨今じゃカレー頼んだらカルパッチョ出てきたような映画を見てきた身としては今回のSAAHOは非常に満足がいく映画でした。
とはいえ他のボリウッド作品と比べるとあまりに毛色は違います。
ので!!
もし今後インド映画を見る気になりましたら、その際にはまず
『ムトゥ~踊るマハラジャ~』
と先ほども紹介した
『バーフバリ(せめて1作目だけでも)』
を見ることをオススメしておきます(下記画像にもリンクあり)。
ちなみに個人的オススメのボリウッドアクションは『ロボット(なお今現在はアマプラで見れない模様)』です。2は見れるよ!!1見てないとわけわかりませんがね!!!!
────少々長いようで短いお話となってしまいましたが、それでは今回も楽しんでいただけましたら幸いでございます(∩´∀`)∩
マルハボロの映画MURMURでした☆
上記太字に他の映画感想レビューへのリンクを貼っておきましたので、誤字脱字が気にならない心の広い方、よければ他のも見ていただけるとわたしが喜びます(*´▽`*)
それではまたお会いしましょう(((o(*゚▽゚*)o)))