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非エンジニア必見。─ Cursorがもたらす"不可逆な書く革命"

手で書く時代は終わった

AIが文章作成のツールとして浸透しつつある今、あなたもChatGPTやClaudeといったLLM(大規模言語モデル)を活用しているかもしれません。しかし、こう感じたことはありませんか?

「意図した通りの文章にならない」
「リライトすると微妙にニュアンスがずれる」
「そもそも、プロンプトを工夫しないと望む質が得られない」

もし、あなたがこうした壁にぶつかっているなら、それは「次に進む」段階にいる証拠。Cursorはそんなあなたにとって「創造性を引き出すパートナー」として、より快適な執筆をサポートしてくれます。

これからは単なる"文章作成"から解放され、本質的な"クオリティの追求"に専念できるようになります。では見ていきましょう。

Cursorとは?

Cursorは、世界中で人気のエディタ Visual Studio Code(VSC)互換のエディタに、LLMを統合した次世代の開発環境です。「開発環境」と聞くとエンジニア向けに思われがちですが、実は文章を書く人にも革命的なツールです。

Cursorの編集画面

プログラミング言語も自然言語もどちらも「言語」のため、極めて近い関係にあります。そのため、Cursorは「文章作成」に対しても絶大な効果を発揮します。エンジニアたちが先取りしているパラダイムシフトを取り入れないのはもったいないです。

なぜCursorが「通常のAIチャット」と違うのか?

通常のAIチャットでは、あなたが入力したものに対して、その場限りの返答をするだけです。しかし、Cursorは違います。

  • フォルダ内を横断的に理解

  • メンションでファイルやフォルダを指定可能

  • 継続的な対話と生成が可能

単発の質問や単一ファイルだけではなく、フォルダ内を横断的に理解してくれます。またファイルやフォルダをメンションで指定することで、その内容をコンテキストに含めることができます。そしてなんと、連続的にファイル生成したり相談しながら執筆を進められます。

実際に使ってみると、

同じ解像度を持つパートナーが文章を書いてくれる。
あなたは方向を指し示すだけでいい

そんな感覚を覚えると思います。

Cursorの基本機能

左から file viewer / editor / LLM chat

Cursorの基本機能は3つの構成要素から成り立ちます。

  • ファイルビューアー

  • エディター

  • LLM Chat

通常のテキストエディターにLLMが共存しているような状況ですね。ただ、Cursorはそれだけではなく強力なLLMサポートを受けるための機能が提供されています。

CursorでLLMを使う


CursorにはデフォルトでLLMを利用するための機能が3つ搭載されています。

  1. Chat機能

  2. Inline Chat機能

  3. Composer機能 

それぞれ見ていきましょう。

1. Chat機能

AIと対話するチャット機能です。通常のLLMチャットと似ていますが、違うのはメンション機能。これが優秀で、ファイルやフォルダを指定してコンテキストに含めることができます。

ファイルメンション
メンションするとコンテキストにファイルが取り込まれる

通常はファイルを開く、コピペ、チャットに挿入のような流れを取りますが、Cursorではファイルやフォルダ名を選んでメンションするだけです。これは思っている以上に体験がいいです。

2. Inline Chat

選択した行に対して、その範囲にのみプロンプトを適用できる機能です。通常のAIチャットとは違い、シームレスに文章を改善できるのが強みです。

私がよく利用するのは以下の用途です。

  • 長文をもっとシンプルに

  • 「です・ます調」を「だ・である調」に統一

  • ニュアンスを残したまま短縮 / 変換

  • 箇条書き→文章に。文章→箇条書きに

また、同じプロンプトをいれる際は「↑」を押すだけで、前回のプロンプトを呼び出すことができます。プロンプトヒストリが残っているのは非常に便利ですし、くり返し同じプロンプトを入れる際はこれを使うと楽です。

箇条書き → 文章変換

例えばこの節を全部文章に変換したい場合はこのようにinline promptを打ちます。文書生成はこの手の変換が時間を食うため効率的に文章を書くことが出来るようになります。

3. Composer

Composerは、単なるチャット機能を超えた、革新的な「AIエージェント」機能です。Composerの特徴はなんといってもその自律性とカバー範囲の広さ。

  • 自律的な問題解決

  • プロジェクト全体の理解

  • 継続的な対話と生成

Composerは一つの課題に対して、必要な情報を自動で収集し、複数のステップを経て解決します。フォルダ内のファイルを横断的に理解し、文脈を踏まえた提案が可能です。そして相談しながら複数のファイルを生成・編集してくれます。

メンションを使った変更提案

すでにある文章を元に、その文章をより良くするための提案をしてくれるのはもちろんのこと、新たなファイルを生成して試行錯誤してもらうことも出来ます。(なんとこの段落もほとんどComposerが生成してくれています。)

改善点を洗い出してファイル提案

例えば「より良くしたらどう出来る?」と聞くと 「cursorのススメ_new.md」というファイルが生成され、なぜそれが良いかを説明してくれます。もちろん捨ててもよいですし、提案を受け入れてそれをinline chatで更にブラッシュアップすることも可能です。複数のファイルを提案させることも可能です。

番外編: MCPとの連携

またCursor Composerを使うと、MCP(Model Context Protocol)と連携して、以下のようなことも可能です。

  • NotionやObsidianなど、外部のデータソースと連携して情報を取得

  • Web検索など、外部の情報を自律的に検索し取得

  • プロジェクト全体を理解した上で、関連ファイルを自動で生成・編集

詳しくは別記事にまとめているのでこちらを参照してください。

Cursorが書くパートナーになってくれる

通常のAIチャットでは「人間が情報を与え、AIが応答する」という一方通行の関係でした。Cursorでは「AIが必要な情報を自ら取得し、より良い提案をする」という、真のパートナーシップを実現します。

同じ解像度を持つパートナーが文章を書いてくれて、あなたは方向を指し示すだけでいい

と冒頭に書きましたが、Cursorを利用することで書くことではなく質を高めることだけに集中することが出来るようになります。

これは書くというよりは、「質を高めるために指示し判断する」という行為に近いです。これが非可逆なほどに体験が良い。自分の手で書いてきた時間が長い人ほど驚きの体験になると思います。

Cursorは"価値を届ける"ことを最速化してくれるツール

本質的に、文章を書く目的は「書くこと」ではなく、「価値を届けること」にあります。Cursorは、そのための強力なパートナーになってくれます。

  • 書き手にとっての価値

    • 時間や手間を掛けずに高品質な文章を届けられること。

  • 読み手にとっての価値

    • 受け取りたい情報が、スピーディーに、分かりやすく届くこと。

文章において最も大切なのは、価値のある一貫した情報や主張を届けることです。本質的でない形式の変換やトンマナの調整はLLMに譲っていきましょう。Cursorは単なる補助ではなく、文章作成の戦略的なパートナーとして機能します。そのため、表現の細かな調整に時間を費やすのではなく、本質的な価値の提供に集中できるのです。

まとめ:Cursorを使うべき人

もし、あなたが以下のように感じているなら、Cursorを試す価値は絶対にあります。

✅ 通常のLLMチャットでは満足できない
✅ よりよい文章を生むためのパートナーがほしい
✅ AIを活用して、より「質」に時間を使いたい

Cursorは、単なるエディタではなく、「文章を書く」という行為を根本から変えるツールです。文章をただ書くのではなく、届ける価値を最大化する。Cursorで、次のステージへ進みましょう。


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