ボリュームだけでなく、コンプレッサーとリミッターを覚える

しゅーぞーです。
今日は、音声を聞こえやすくする基本である「コンプレッサー」と「リミッター」について書きます。

音の要素はボリュームだけだと思っていないか?

音と聞くと変数は高低とボリューム(音量)だけだと思っていないだろうか?

そんなことはない。ボリュームにも「幅」があるのだ。

今日は音量の「幅」をコントロールする方法、コンプレッサーとリミッターについて説明してみる。

音量の幅ってなんだ。 ダイナミクス

音量には幅がある。音の大きさに差分があることは説明しなくてもよいだろう。

小さい声で話す人が笑うと大きい声だったりする。例えばそれが音量の幅だ。

そういった幅のことを「ダイナミクス」と呼ぶ。


ダイナミクスの例

リミッターはダイナミクスの「上限」を決める

音量の幅、ダイナミクスは理解できた。

直線上にボリュームを配置する。点が現在のボリューム。左下: 小、右上:大

では、その幅が大きいと何が問題なのだろうか?

それは「録音が難しい」ことだ。

普段の声に比べて笑い声だけが異常に大きい人の録音は難しい。なぜなら「どちらに音量を合わせておけば良いかわからない」からだ。

録音時はある一定の量を超えた信号を超えると音が割れてしまう。

「バリバリ」と声が割れているような音を聞いたことがあるだろう。あれが起きてしまう。

ではどうするかというと、音量の上限を決めてしまう。

リミッターの視覚的なイメージ。ある一定以上の音量をカットする

ある音量以上の音が来た場合は、その音を「バッサリ」と切って捨ててしまう。

これによって音割れを防ぐことができる。

 捨てずに弱めるコンプレッサー

リミッターは「バッサリ捨てる」方法であった。

何でも塩梅が必要なように、音量も「塩梅」をコントロールする方法がある。

それがコンプレッサーだ。


コンプレッサーは一定の音量以上を「弱める」働き

ある音量以上の音を一定の率で弱める働きをする。

現実世界にあまり存在しないので、例えづらい。

小さい音はそのままに大きい音だけ少し弱めるような働きがある。

結果として、音量の幅、ダイナミクスが小さくなり録音時に音が割れづらくなる。

しかし、コンプレッサーをかけすぎると音がベタッと潰れてしまい、あまり良い音ではなくなってしまう。あくまでも「上限を緩める」程度に利用しよう。

コンプレッサーをかけすぎている例。音質に影響しすぎるため返って潰れた音になる


リミッターとコンプレッサは編集時も活躍する

「そんなの知らずに録っちゃったよ!」という場合もある。

もちろんあとからかける方法もある。

弱い音を編集で大きい音にする場合、どうしても音が割れるケースが出てくる。

これをリミッターやコンプレッサで対応させるのだ。

マルチバンドコンプレッサもある

これは上級者向けだが、帯域(Hz)ごとに別々の強さでコンプレッサをかける方法もある。


マルチバンドコンプレッサー。ここでは、90Hz, 370Hz,5.7kHzの間で異なる設定を行う。

これはマルチバンドコンプレッサと呼ばれる。ドラムのようにある帯域の音だけがかなり強く出る(例えばスネア)音源には有効だ。

音声の場合は、ほとんど使うことがないだろう。

以上、コンプレッサとリミッターの解説をした。


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