この地球にいる限り向き合わなきゃいけない事とは 『岡山芸術交流』
昨年行った『岡山芸術交流2019』。
岡山市の市街地で行われた芸術祭。コンパクトにまとまっていて1日でほぼ観られた。
人が完全にコントロールする理想の生態系、自然界に(分子レベルで)存在しない香り、クローンの朝顔、宇宙空間で宙返りするカエル、生命のプール、AIの見る夢、人間が感知できない作品、機械(ヒトの次)と原始(ヒトの前)が奏でる音楽、などなど、ハードコアな作品たち。
こんな展覧会が2年に1度あるなんて、それは嬉しいに決まっている(しかも安い)。かの社長は、第二の大原美術館的な役割を担おうとしてるのかなぁと思ったり。
そんな気持ちで観ていたけれど、最終的に心に残ったのは、岡山ってとても暮らしやすそうだなぁということだった。どうしてここは穏やかな多幸感に溢れてる。
日照時間が日本一長くて、素晴らしい庭園や大きな川があり、街も広々としてる。近くには倉敷という文化都市もあるし、果物も美味しい。
観に来てる地元民らしき人たちも「よう分からんが面白いのぅ」と、作品を楽しんでいる感じじゃった。
野暮な想像だけども、例えば、寒くて曇りが多く、平地が少ない土地で観ると、これらの作品の印象はまた変わったのかもしれない。もしくは、科学博物館か、原発PR館ならどうだったのだろう。
いや、それはやっぱり野暮なのかもしれない。なぜなら、この作品たちは「あなたがどこにいたとしても、この地球にいる限り向き合わなきゃいけない事があるのよ」と言っているのだから。