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彼らが夢見た「理想の時代」のあとさき 『新しき村』
埼玉県毛呂山町に『新しき村』はある。
武者小路実篤が日向の次に選んだのは、僕が住むところから25㎞ほど北西に行った先の静かな土地だ。1918年に日向、1939年にここ毛呂山。今年で102年目の"新しき村"。
美と友愛を中心とした理想のコミューンをつくるべく、彼らはこの地を開墾し、井戸を掘り、畑を耕した。
現在は、日向に3名、毛呂山には8名が暮らしている。平均年齢は60歳を超える。畑の先には美術作品の展示があり、食堂には梅のシロップが売られ、外には大型のソーラーパネルが敷かれていた。
実篤の記念館には、白樺が、志賀直哉が、岸田劉生が、当時の仲間たちの本が並べられている。
この日はとても暑い日だった。明治大正に生きた彼らが夢見ていた「理想の時代」のあとさき。