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その人は、まるで自然を読み解くように線量をみる

2019年に福島県相馬市に行った時、地元の方に色々と案内してくれた。彼が持っていた、おそらく役場で借りたであろうガイガーカウンターは、我々が動く度に、その土地の今の放射線量を示してくれる。

彼は言う。「この常磐線の線路横切ると、ホラ、低くなる。何でだろね。盛土のせいかねぇ」
「ここらは、当時風下だったんだろね。ほんとたまたまよ。」
「ここはね、実は大丈夫なのよ。でも、同心円で分けられちゃったもんだから。」
「山はね、除染されないのよ。だからもうあの山に人は暫く入れないね。」

その人はまるで、地形や風、自然を読み解くように線量をみる。
僕はまるでわからない、見えないし感じられないけど、その人には見えてるみたいだった。

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