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『即効!電子帳簿保存法対応マニュアル』①

発売3カ月で4刷!経理の現場で大好評の『即効!電子帳簿保存法対応マニュアル』の一部をnoteで無料公開いたします。
第1回は著者・ 大山誠さんからのメッセージが込められた「はじめに」を公開します。本書の狙いと特徴がわかります。

※ 本書は2023 年6 月現在の情報を元に執筆しています。制度の内容などについては、その後変更になる可能性があります。予めご了承ください。


はじめに

電子帳簿保存法(電帳法)は、この数年目にすることの多くなった法律の一つです。電子帳簿保存法は平成10年に施行されましたが、対応する事業者は少なく、この数年にいたって、ようやく対応する企業が増えてきました。この本は、経理担当者やシステム担当者など、電子帳簿保存法にこれから実務で対応を考えられている方に向けて書かれています。
電子帳簿保存法に対応するには、まず保存対象となる帳簿書類を把握する事です。
電子帳簿保存法では、元になるデータをどのように作成しているのか、どのように受渡しているのかによって、電子データによる保存が認められる条件が違います。「元になるデータをどのように作成しているのか、どのように受渡しているのか」による分類である「電子帳簿保存法上の区分」を理解し、区分ごとに異なる「電子データ保存の認められる条件」を知ることが、電子帳簿保存法に対応する近道になります。
本書の特徴として、各章は電子帳簿保存法について初心者である田口さんの疑問で始まり、それに対する小田切さんの回答から展開していきます。切り口は実務に即した疑問から入り、どう対応するのかを説明する構成になっています。
また、本書では、電子帳簿保存法では必ず触れなければならない、なじみの少ないIT用語について、コラムを設け、わかりやすく説明しています。
本書が現場の皆様の力となれば、筆者としてこれに勝る喜びはありません。

2023年6月
公認会計士 システム監査技術者
大山 誠

著者略歴

大山 誠(おおやま まこと)
公認会計士・システム監査技術者・公認システム監査人(CISA)
東京大学経済学部経済学科卒業
公認会計士2次試験合格後、三興監査法人に8年、あずさ監査法人に12年勤務、現在監査法人アヴァンティアに勤務。主に玩具メーカー、証券会社、映像制作会社、リース会社等の会計監査、通信業、アミューズメント機器製造販売業、医療用医薬品、医療機器等の卸売業等のIT統制評価を担当。日本公認会計士協会「ITアシュアランス委員会」委員などを務める。
著書に「即効!インボイス制度対応マニュアル」(秀和システム)「一番わかりやすい! 税効果会計の教科書(ソシム)」「グローバル企業のビジネスモデルをつかむ英文決算書の読み方(ソシム)」。共著に「内部統制を高める IT統制と監査の実務Q&A(中央経済社)」「IT内部統制ケースブック ―最新50の不備対応事例で学ぶ(東洋経済新報社)」がある。

監査法人アヴァンティアについて
監査法人アヴァンティアは監査業務を中心として、成長意欲旺盛な企業の支援を行う中堅適正規模の監査法人(業界13位)です。2008年の設立以来、上場企業監査、IPO監査などの監査業務に加えて、IFRSアドバイザリー、財務デュー・デリジェンスなどの各種アドバイザリー業務を積極的に展開し、ひとりひとりが自由職業人としての誇りと使命感を持って、証券市場の発展に寄与すべく邁進しています。詳しくはウェブサイト(www.avantia.or.jp)をご覧ください。

目次

第 1 章 電子帳簿保存法ってどんな法律?
 1-1 電子帳簿保存法が適用される事業者は?
 1-2 電子帳簿保存法は何のための法律か?
 1-3 電子帳簿保存法はなぜわかりづらい?
 1-4 電子帳簿保存法に対応して、利益はあるのか
 1-5 電子帳簿保存法に違反するとどのような不利益があるのか
 1-6 電子帳簿保存法で対応すべきことは? 保存対象の書類とは?
 1-7 保存に必要とされる条件はどこで決まる?

第 2 章 電子取引データの保存方法について知ろう
 この章の学習範囲
 2-1 電子取引データの保存制度とは?
 2-2 電子取引に該当するものにはどんなものがあるのか?
 2-3 電子データで保存するための基本要件とは?
 2-4 必要とされる検索機能は?
 2-5 改ざん防止として、必要とされる措置は?
 2-6 電子取引の電子データを保存するにはどんな点に注意すればいいか
 2-7 どんな場合、重加算税の加重対象となるのか

第 3 章 帳簿書類の電子データ化について知ろう
 この章の学習範囲
 3-1 PC等を利用して作成する帳簿について求められる要件は?
 3-2 優良な電子帳簿の要件を満たすのは?
 3-3 マイクロフィルムを用いた保存はどう行うか
 3-4 過少申告加算税の軽減措置を受けるには
 3-5 適用を取りやめるにはどうすればよいのか

第 4 章 スキャナ保存できる書類を知ろう
 この章の学習範囲
 4-1 スキャナ保存対象となる書類はどんなもの?
 4-2 入力で求められる要件は?
 4-3 出力の要件は?
 4-4 検索機能はどのようなものが必要?
 4-5 一般書類・過去分重要書類の取扱いはどうすればよいのか

第 5 章 適格請求書等保存方式との関連
 5-1 適格請求書等保存方式の概要
 5-2 インボイス制度で保存すべきデータは?
 5-3 電子インボイスとは?
 5-4 受領した適格請求書等を電子データで保存するには、どのような対応が必要か

第 6 章 電子データ化、ペーパーレス化の実践ポイント
 6-1 ペーパーレス化するメリットの社内共有
 6-2 段階的ペーパーレス化の検討
 6-3 電子データで保存する書類はどのように決めればよいか
 6-4 会議書類の電子データ化、電子申請による経費精算、電子契約の導入
 6-5 優良な電子帳簿を作成するために、検討すべきことは

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