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業務を効率化するシナリオ作成の基本知識から学べる『WinActorシナリオ作成テクニック徹底解説』より第2回 ~シナリオ作成概論 ~

日本で最も売れている定型業務の自動化ツールのWinActor。業務を効率するシナリオ作成の基本知識から学べる『WinActorシナリオ作成テクニック徹底解説』から書籍内容を抜粋してご紹介。第2回は「シナリオ作成基本知識編」から「2 - 1 シナリオ作成概論」です。


2-1 シナリオ作成概論

2-1-1 シナリオ作成事前準備

 個人の業務をWinActorで効率化したい場合は、どの業務をシナリオ化するかは比較的明確かもしれません。私の場合は、PowerPointレポート作成でのマウス操作の繰り返し業務がいやでWinActorで個人業務のシナリオ化を始めたので、どの業務をシナリオ化することは明確でした。
 しかし、会社で業務のシナリオ化を始める場合は、まず、業務内容の把握・整理から始めて、業務フローの整理、優先度の検討などを行っていくことになるでしょう。そのようなシナリオ作成事前準備として、一般的には下記の作業が必要と思われます。
 最後の「詳細設計」まで作成して、初めてシナリオメイキングを始めることになります。

シナリオ作成事前準備

2-1-2 シナリオ設計書作成の勧め

シナリオ設計書作成の段取り
 
WinActorシナリオは、一から作成すると結構大変です。どうやって作成すれば良いか、最初は悩む人が多いでしょう。
 そこでまずは、次図に示した3つの手順を実行してください。

設計書はフローチャートの形で作る

 業務のRPA化セミナーに参加すると、だいたい下記のようなExcel形式のシナリオ設計書を紹介されます。

業務のRPA化セミナーでよく紹介されるシナリオ設計書

 業務とシナリオがどのように対応するか整理するにはこれで良いと思いますが、筆者の個人的な感想では、Excel 形式だと変更があった場合メンテナンスが大変そうな気がします。また、ループや分岐処理はExcel形式では表現しにくそうです。
 そこで本書では、PowerPointなどを使った次図のようなフローチャート型の設計書作成を推奨します。

PowerPointを使ったシナリオ設計書

 WinActorを使ったことがあれば、これがWinActorのシナリオ・フローチャートにそっくりであることに気づかれることでしょう。このように「繰り返し」と「分岐」を意識して、ノートにシナリオ全体のフローチャート(シナリオ設計書)を書いてください。
 最初にフローチャートを作成しておけば、後は、設計書の四角い箱をひとつずつ、WinActor 上でノードやユーザライブラリに置き換えていけば、最速でシナリオが作成できるので効率的です。分岐やループ処理も直感的にわかりやすく表現できますし、修正も比較的容易です。

複数環境で使う場合の変数名設定

 もうひとつ重要なことを説明します。テスト環境と本番環境が同じで、そのままシナリオをユーザに引き渡すシンプルなシナリオ構成の場合は、シナリオ本体のアルゴリズムさえきちんと作成すれば良いかもしれません。
 しかしテストと本番で環境が異なる場合や、複数の工場や営業所向けに似たシナリオを複数本作成する場合は、似た変数名がたくさん存在することになり、変数設定ミスを起こしやすくなります。
 そこで、シナリオを1本化し、シナリオ実行開始直後に、変数の初期値を環境に合わせて簡単にスイッチできる仕組みを推奨します。具体的には、変数一覧を環境ごとに、別々の外部ファイル(Excelファイル)に持たせ、シナリオ実行開始直後に、希望する外部ファイル(Excelファイル)を開いて、変数一覧の初期値を設定する作りにします。
 そのようなサンプルシナリオを、Chapter 3の「⑧類似シナリオを複数作成する場合に環境を簡単に切り替える方法」
にて掲示していますので、参考にしてみてください。

一度作ったシナリオを流用する
 また、よく使う機能はライブラリに登録しておくと便利です。特にブラウザの起動や、ExcelファイルやPowerPointファイルのオープン・クローズを作成するときには、過去に作成したものを流用するようにしましょう。

書籍目次

Chapter1:WinActor理解編
Chapter2:シナリオ作成基本知識編
Chapter3:著者が現場で習得した様々なシナリオ作成TIPS
Chapter4:Case Study

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