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話し合いの技術



選挙ドットコムに掲載された各候補の政策の違い

https://news.yahoo.co.jp/articles/3f886820859b20b9123d6cb2cd08c96b08ffda9d

「◯◯人は〜〜が苦手」というような物言いはあまり好きじゃない。

なんでもステレオタイプにまとめて大雑把に把握するのは解像度が低すぎると思うから。

とは言いながら、それでも僕ら日本人は議論や対話があまり上手じゃないようにも思う。それはなぜだろう。

人が「話し合う」時にはいくつかのやり方がある。

ディスカッション(議論)やダイアログ(対話)、ディベート、ブレストなどなど。それはスキルであって、今はディスカッションの時間なのか、ディベートの時間なのか、はたまた、、など、ゲームのルールに則って行うもの。

その寄って立つ土台の認識がずれていると話しは平行線をたどり食い違ったままで、あとは感情的になってしまって建設的な話し合いにならない。

ダイアログとディベートを取り違えてしまったり、ディスカッションのはずが、ただのアジテート合戦になってしまったりする。なんかよくありますよね。

どんなに身近な家族であっても、あるひとつのイシューで考えが食い違うことはある。それを解決するための話し合い方を間違うと、相手のことを親の仇のように感情的になってしまう。

それが利害も絡んでくる選挙ともなると先鋭化して分断を起こすことも往々にしてある。

日本どころかアメリカやヨーロッパだってそれは同じで、むしろ深刻な分断があるのは日々ニュースでも目にすることも多い。

ただ、欧米の彼らは話し合いには技術があるということを少なくとも認識しているようだ。主義主張と個人のパーソナリティをある程度切り離して考えられる人も多いようにも感じる。

もちろん全員がそうだとは言わないけれど、僕の欧米の友人でもかなり厳しい議論をしたあとで、ケロっとして雑談をしてくる人もいる。

ある意味でそれは成熟した大人の態度というものだし、政治を語る時に僕らは大人にならなければいけないのだと思う。

だから選挙に参加する権利は、ある程度大人の判断ができる年齢からしか認められていない。

大人になる時には成長の痛みを伴う。それでも僕らは次の世代にバトンを渡すためにその痛みも受け入れないといけないのだとも思う。

そういう意味では政治の話しを避けがちな我々日本人はいまだコドモのままなのかもしれない。

もっとセクターを超えてみんなで対話するべき。足を引っ張りあったり、相手を貶めるのではなく、おかしいと思うものには感情ではなく、リスペクトを持ったロジックによって対話をしたい。

どれだけ考え方が違っていても、自分たちの暮らす場所を居心地良くしていこうという方向は同じなはずだから。

ということで、少し前に友人が鹿児島県知事選挙の各候補のマニフェストをChatGPTにかけて整理してくれた。それを少しだけ見やすく個人的に表にしてみました。

個別のマニフェストはみなさんもっと細かく打ち出しているので、それはそれで参照してほしいところですが、機械が感情を一切廃して機械的にまとめたところ、このようなサマリーになった。

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▶鹿児島県知事選挙
選挙の争点は、人口減少対策、子育て支援、高齢者支援、産業振興に集中しています。

1)現職の塩田康一氏は、県政の安定的な推進と現状維持・改善に重きを置いています。

2)新人の米丸麻希子氏は、人口減少対策を中心に子育て・女性支援、高齢者支援、産業振興と幅広く具体的な対策を打ち出しています。

3)樋之口里花氏も類似の課題に取り組む姿勢を示していますが、特に地域経済と農林水産業の振興に力を入れています。
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人とも基本的には人口減少対策が最初にあり、そこから先が独自の主張になっている。

しかし大きく違うのは、現職の塩田知事のマニフェストは安定と現状維持と改善というニュアンスを強く感じ、個別の施策もどこかにあるものの基本は「誘致」といういかにも行政マンらしい着実な施策。

一方他の二人は女性らしい地に足をつけて具体策を打ち出しているように思える。

争点の整理のところで個人的に点数(順位)をつけながら読んでみた。最高得点が3点。言及なしは同じく1点。

僕の評価では、米丸さんが16点。塩田さんは13点。樋之口さんは12点でした。あくまで個人的な評価軸なのでそれぞれみなさんやってみてほしい。

VUCAな世の中で未来の見通しがし辛い現在、行政の常套句である手堅く現状維持というのは、停滞〜衰退を意味すると思う。

行政組織のトップに行政マンがいれば、下の官僚たちはやりやすいし安心するでしょう。ただ、行政はリーダーのビジョンを着実に遂行する役目であれば良いけれど、現在の日本では政治を行う部門が勝手に独り歩きしてしまっている。

過去20回鹿児島県知事選挙が行われ、9人の知事が誕生した。その中で民間出身は1人だけ。それが何を意味するのか。

それは見過ごすことのできない大きな問題なのだと僕個人は思っています。

みなさんはどう思いますか?
決めるのは自分。

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