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いつもさよならを〜Everytime we say goodby

「自分の葬儀の時に流してほしい曲はなにか今のうちにきいとくね」と唐突に妻に訊かれた(真意はよくわからない)。その時少し考えて僕が取り出した1曲。シンプリー・レッドが歌う、コール・ポーターの作詞作曲によるスタンダードナンバー”Everytime we say goodbye”。

あまりポップソングを聴く印象がないのか、シンプリー・レッドが好きだと言うと少し驚かれることがある。確かに90年代以降の彼らがビッグスターになってからのものはあまり聴かないけれど、デビューしたばかりのミック・ハックネルの歌声にはテクニックの稚拙をおぎなって余りある瑞々しさがある。

ファーストアルバムの頃はメンバーにトランペットが一人だけ入っているという少し変わった編成で、アコースティックにこだわったアレンジも悪くなかった。

初めて彼らの音楽を聴いた頃の僕はといえばまだティーンエイジャーでブルーアイドソウルというジャンルも知らなかったけど、中学生には少し大人びたサウンドは聴いてすぐ大好きになった。


当時ファーストアルバム"Picture Book"をよく聴いていたので、セカンド・アルバムが発表された時は飛びついて聴いた。アルバムとしてはファーストのほうが好きだったけど、セカンドの曲の中ではこのカバーの美しさに驚き、この曲ばかりを何度も聴き続けてきた。

コール・ポーターの原曲は詞と曲の構造がぴたりと一致していることでも知られている。英語の歌詞をみると最後に”From major to minor”という表現がある。

「さよならを言う時は、どこかでさえずるあかるい(メジャーな)ヒバリのラブソングさえ悲しい(マイナーな)響きに聴こえてしまう...」というような意味で使われているのだが、実際にこの曲はメジャーコードではじまりマイナーコードで終わる。この曲をシンプリー・レッドは歌に寄り添う楽器をチェロとピアノだけのミニマムなアレンジで表現した。


最初に聴いた時はアレンジが構造的に曲と歌詞の世界を表現しているなんて、考えたこともなかった。でも結局あまり好きにならなかったシンプリー・レッドのセカンドアルバムの中で、この曲だけをずっと聴き続けていたというのは、彼らが選択したアレンジの意図が何も知らない地方の中学生にも無意識にとどいていたのだなと思う。

この曲は他にも様々なアーティストによって星の数ほど再演されている。オンライン上にもたくさんあるのでぜひ検索して聴き比べてみて欲しい。この曲はあまりにも好きなので歌詞を自分なりに解釈(適当なので間違いの指摘は無しで)してみました。

僕がこの世にさよならする時はこの曲をぜひ流して送ってください。

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さよならを言う時はいつも
せつなくなる

さよならを言う時はいつも
ふしぎにおもう

神さまはなんでも知っているはず
なのにどうして君が行ってしまうのを
許してしまうのだろう

君がそばにいると
あたりの空気はまるで春の気配
遠くにヒバリの囀りの歌が聴こえてくる

これほど素晴らしいラブソングはないのに
なぜだか悲しい響きに聴こえてしまう
さよならを言う時はいつも

これほど素晴らしいラブソングはないのに
なぜだか悲しい響きに聴こえてしまう
さよならを言う時はいつも


Every time we say goodbye
I die a little

Every time we say goodbye
I wonder why a little

Why the gods above me
Who must be in the know
Think so little of me
They allow you to go

When you're near
There's such an air
Of spring about it
I can hear a lark somewhere
Begin to sing about it

There's no love song finer
But how strange the change
From major to minor
Every time we say goodbye

There's no love song finer
But how strange the change
From major to minor
Every time we say goodbye



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