見出し画像

大峯奥駈道

0日目 〜夜行バス

自宅〜京都駅

家をでたらいきなり雨。山にはいってしまえば多少雨にふられてもしかたないなと思えるけれど、山に入る前からぬれてしまうのはヤな感じ。

八王子駅から夜行バスにのる。運転手さんに「すいているから好きなところに変えていいですよ」と言われた。「元のままでいいです」。一番前の席。もしかして一番前ってちょっと狭いのか? あれやこれやと考えながら、うつらうつらとしていたら、いつのまにか眠っていて、最後は車内アナウンスに起こされた。

1日目 京都駅〜大峯奥駈道へ

京都駅〜六田駅〜四寸岩山〜二蔵小屋

事前にバスターミナルの前に24時間の「なか卯」があると調べていたので、さっそく「とろ玉親子丼」。歩いていてお腹がすいたらどうしようと思って、出発前はつい、もりもりと食べてしまう。

京都駅から近鉄で六田駅へ。途中の橿原神宮駅で、昔、関西にいたころの職場の上司だった人を思い出した。ここから通っていたけど、職場はけっこう遠いいんじゃないのか!?

六田駅は無人のなにもない駅。待合室で準備して出発する。

「柳の渡し」の説明を読んで、橋をわたって、少し道を探しながら「柳の宿」。説明の碑があった。いよいよ大峯奥駈道のスタートだ。


地味なスタート地点だけど、さてと。

歩きはじめるが、あまり歩かれていないような道で道標もないので、心配...。ようやく吉野神宮にでてほっと一息した。車道をたどって吉野の無料休憩所。暑いので人がいないすきをみてダッシュでズボン下をぬぐ。

吉野はお店がやっている時間だったら、ついひっかってしまいそうないい感じのお店がたくさんあった。「しかし道路長いな…。」と思いながら歩いていると、巨大な門があらわれた。金峰山寺とおって、吉野水分神社。奥千本。昔、両親ときたことがあるはず。金峰神社をすぎるとようやく道路が終わった感じになった。ながかった。

キツツキがいたが妙にでかい。クマゲラとかいないよね。(あとで調べたけどいない。)

青根ヶ峰を過ぎて、四寸岩山への登りに入る。きつい。四寸岩山の頂上で休憩している人一人。今回はじめて会った登山者だ。足摺小屋(閉まっていた)を通り、二蔵小屋に到着。4月終わりまでは閉まっていると掲示されていた。まずは水を汲みにいく。しっかり水はでていてほっとした。

結構疲れた。足裏、膝、気になるところはあるがなんとかなりそうな感じだ。でも一日目が終わってだんだんテンションがあがってきた。

2日目 二蔵小屋〜行者還避難小屋

二蔵小屋〜大天井ヶ岳〜山上ヶ岳〜小笹ノ宿〜大普賢岳〜行者還岳〜行者還避難小屋

なかなか寝付けなかったが22時ぐらいには寝れた。3時起床。雨はふらず。

まだ暗いなか歩き出す。雲は多かったが日の出がみれた。日の出の時間に歩くのは気持ちがよい。大天井ヶ岳への登りはモノレールと並行に歩いていく。なかなかの急斜面。山上ヶ岳の女人結界門を過ぎる。洞辻茶屋、陀羅尼助茶屋のアーケードがあるがまだ山開き前なので誰もいなくて閉まっている。ハシゴのところはところどころ雪が残っていた。

門をくぐって、西ノ覗を見にいく。なかなかな岸壁。ぶらさがる?ための吊り道具みたいなのがおいてある。山頂はまだお寺さんもしまっていて誰もいない。

山頂から下りに入ると霧がこくなり、ついに雨。カッパをきる。新しいカッパは撥水ばっちり。

小笹の宿につく。想像していたより小さかった。雨もふってるいるし、横の沢で水をとった。

白い。いい眺めのはずなんだけど。

雨の中をたんたんと歩く。小普賢岳のあたりもガスで何もみえない。なかなかにとおい。雨もひどいし、テントにするか避難小屋にするか悩みながら歩く。小屋の手前の行者雫水はパイプからは水はでてなかったが、パイプの上の沢状から水はとれそうだった。(小笹の宿で汲んでいたので使わなかった。) 雨もひどいし風もつよくなる予報なので小屋にすることにした。とてもきれいな避難小屋でびっくり。だれもいないなと思っていたら、しばらくして若者がひとりきた、3泊で抜ける予定とのこと。一日目でこの避難小屋は早いな。部屋は他もあるよと教えてあげたけど、誰にも会わなかったのはつらかった?のか、同じ場所でいいですかといわれたので、「いいよー」っといった。いろいろおしゃべりして、18時すぐには寝てしまった。よく寝た。

3日目 行者還避難小屋〜千丈平

行者還避難小屋〜弥山〜揚子ノ宿〜釈迦ヶ岳〜千丈平

よく眠れた。小屋はやはり暖かい。雨は朝までの予報だったので今日は少しゆっくりスタートの予定。

4:30起床、5時過ぎスタート。霧雨。しばらくいったところで、ストックを忘れたことに気がつき戻る。戻っている途中で一緒だった若者に会う、ストックもってきてくれていた、うれしいなあ、ありがたい。若者はいいペースでどんどん先に登っていく。早いなあ。

弥山に登る手前で登山者に出会った。一人はこのあたりの山にかなり詳しいようでいろいろ話かけてくれた。ぬいたりぬかれたりしながら、いろいろ話しをしていたら、いろいろ情報を教えてくれた。

一週間前に奥駈を歩く若者がいて21世紀の森で水がとれなくて大変そうだった話し、玉置神社のところは駐車場じゃなくて展望台のところが泊まるのにはいいんじゃないのかという話など。21世紀の森で泊まることも考えていたのでいい情報だ。

弥山に登るがまだ営業していないので静か。山頂に寄り道して、八経ヶ岳へ向かう、雪はあるが踏み抜き注意程度。チェーンアイゼンは不要だった。八経ヶ岳はいいながめ。このころにはすっかり晴れていた。ぬれものを乾かして出発。

山々と谷が見渡せた。

揚子ヶ宿小屋に到着。結構つかれてるが翌々日には天気悪くなることがわかっているので、足をのばす。疲れて遠く感じる。水も少なくなってきたが、「烏の水」が水でていた。助かる。

ちょろちょろと烏の水。よかった…。

孔雀岳によりみち。孔雀覗からは岩峰がみえる。

釈迦ヶ岳の登りにはいると鎖場がある。鎖場は別にどうということはないが、雪がのこっていてルートがわかりずらくてしばらくルートさがしでいったりきたり。

息をきらせて、はあはあしながら、少し登るとお釈迦様の背中が見えた、「ほっ」。頂上だ。「かくし水」はもう少しだ。(全行程でここが一番苦しかったかも。)

お釈迦様の背中。

深仙宿までいこうかなと思っていたが、千丈平にいい泊まり場を見つけたので、ここに決定。水はじゃんじゃんでていて、たくさんとれるし、いいところだ。鹿はたくさんいた。他に1パーティ泊まっていた。

4日目 千丈平〜行仙小屋

千丈平〜深仙ノ宿〜太古の辻〜待経ノ宿〜平治ノ宿〜行仙岳〜行仙小屋

3時起床、4時半出発。夜、風はつよかったが、このぐらいなら今回持ってきた自立型ツェルトで問題なし。明日は天気が悪い予報なので、今日は予定より足を伸ばして行仙小屋までいき、明日の行程を短くする予定にして出発した。

深仙小屋は小さな小屋だったので千丈平で泊まってよかったと思う。日の出の風景がすばらしくて、ゆっくりと休憩。大日岳は岩場で今日は風が強いのでよるのはやめた。太古の辻に到着する。なんだかよい名前だ。ここから分岐して降りると前鬼にいける。こちらもなんだか気になる名前だ。機会を作っていってみたいと思う。

たまらない眺め。

ここからいよいよ南奥駈道。

巨大ではないがそれなりの大きさの山をいくつも越えていく。南にくると雰囲気がかわってきた。笹の原、新緑、ツツジ、美しい。


初夏の山々をこえてこえて。

持経小屋に寄る。置き水があったのでいただいた。南奥駆は道も道標しっかりしていて、小屋もきっちりしている。行仙で水がとれるかわからないので水を2ℓ持つ。重い。平治の小屋にくるとひとり登山の方がいた。天気があやしいので先にいくかどうかを検討されているところだった。

行仙岳をこえると、ようやく行仙小屋、天気がくずれそうなので小屋泊まりにする。だれもいない。

予定より早く到着した。後半調子がでてきてペースがあがったようだ。ハイカーズハイになってくるのか、6時間ぐらいすぎるとピッチがあがるようだ。

水を見にいく、たっぷりとくめた。

登山のグループ方がやってきた。泊まりではなく日帰りのようで、縦走だと今の時期、風呂が…と言っていた。5日入ってないんだけどなと思いながら少し話しをした。小屋はきれいにされていて、お酒つまみがテーブルにあってびっくり。電気もあって、携帯まで充電できた。志納金¥2000、携帯充電代¥100。全然高くないと思った。

翌日の作戦を考える。天気悪いし、展望台泊まりにするなら水もくめないし、その先の玉置神社で水くめるかもわからないし、自動販売機で買うのもなんだかいやだしで、水を持っていく必要があると判断。あらためて今日の料理用の水をジェットボイルにうつして、再度水をくみにいく。

やることやって、ようやく落ち着いた。ご飯食べて、寝る。

5日目 行仙小屋〜玉置山展望台

行仙小屋〜笠捨山〜地蔵岳〜玉置山展望台

結局、雨はふらずに朝。テントでもよかったか。でも一度、奥駈道の小屋も経験してみたかったのでよかった。小屋は快適、トイレもすばらしくきれい。

3時起床、4時半出発。今日の行程は短いが、雨が降り出す前に地蔵岳の岩場をぬけたかったので、いつもどおりの出発にした。が、すぐに雨。笠捨山への登りは長かった。よくよく地形図みるとたしかに長かった。地蔵岳の鎖場は雨なのでていねいに登る。そこからさきが雨のせいもあるが長く感じた。だんだんハイになってきて? 後半ペースがあがる。不思議な感じ。

雨なので気をつけていこう。

今日、どこまで進むか悩んだが、展望台までにした。玉置辻の方がもしかすると静かで泊まりやすいかなとは思ったが、こだわることもないと判断。

展望台の東屋は屋根があってすばらしい。どしゃぶりになる。うーん、よかった。ちょっと思ったより車が通る。(1時間に1回ぐらいだけど)

6日目 玉置山展望台〜熊野本宮

玉置山展望台〜玉置神社〜金剛多和〜吹越山〜七越峰〜大斎原

3時起床、4時半出発。雨はやんでいるがガス。世界遺産の碑のところまでくると雲海のながめがすばらしかった。巻道にはいったらルートミスだった。引き返す。でも、鳥がたくさんいて、朝の夜明けの感じがとてもよい道だった。

気をとりなおして、歩きはじめる。玉置山。まだ早朝なのでとても静かだ。宮司さんにごあいさつ。

早朝の静かな玉置神社。

大森山への登りも急登。休まずたんたんと登る。このへんの道は、おおきな高尾山風? 里が近いからか。

蜘蛛の巣が多い。でも、新緑きれいでとてもいい雰囲気だ。だれにも会わない。想像していたより長いがだんだんと地上が近づいてきた感じがする。アップダウンしながら歩く。

熊野川が見えた。ゴールが近づいてきた。

ようやく日当たりのよい送電線のところで、濡れたものをいっきに干す。あっという間に乾く。

乾かす!

ラストスパート。吹越山、吹越峠、七越の峰。道を間違えないように。もう少しだと思うせいか長く感じる。熊野川の河原へ降りた。

ゴールは近い。渡れるかな。

昨日雨だったので渡渉できるか心配だったが、上の方から川をみたときに行けそうだと思っていた。近くで見てもなんとかいけそう。

裸足でいくことにして渡渉開始。「意外と深いぞ。」流されるような感じはしないけど、お尻が少しぬれてしまった。「ふー。」無事渡った。石で足指をちょっとだけ切ったみたいだ。少し薬を塗ったりして、鳥居のほうへ。ズボンがぬれてしまったので、影ではきかえる。大斎原でお参り。「完歩」。

黒飴ソフトクリームやもうで餅を食べたり。本宮へお参り。

本宮からバスで新宮へ。さきほど予約した民宿へ。お刺身がおいしかった。ビール、地酒2合、ご飯もばくばくと食べてまった。特別はらぺこな感じはしていなかったけれど、入る、入る。

7日目 帰宅

JRで帰る。新宮駅までに歩く道すがら、パン屋でパンをかってのりこむ。動物が当たったとかで電車は遅れて出発。のんびり。車窓からの風景みているだけであきない。のんびりしすぎて、登山記録を書きながら帰ろうと思っていたけれど、結局書けず。亀山で途中下車してお昼ご飯。イタリアンのランチ。結構お客さん。人気あるのかな。時間があるのでゆっくり。近くで和菓子も買ってまた電車に乗り込む。電車を乗り継ぎ、乗り継ぎ、帰宅した。

(2022年4月)


いいなと思ったら応援しよう!