北アルプス 馬場島〜新穂高(早月尾根、五色ヶ原、雲ノ平)
北アルプスの歩いてみたかった場所をつないでハイクした。
Day 0 / 7月25日(月)
バスタ新宿から夜行バスで富山駅。バスタ新宿へははじめて行った。たくさんのバスがどんどん発着するターミナル。バスは数人だけの乗客で3列シートでとても快適。
Day 1 / 7月26日(火)
富山駅につき、コンビニで朝食を買おうかと思ったら目の前に"吉野家"。これ幸いと牛丼を食べてエネルギーを蓄える。京都に夜行バスでいったときも降りると目の前に"なか卯"があったが、夜行バスの降車場にはつきものなのだろうか。
電鉄富山駅から電車で上市駅で下車。タクシーがすぐにあるといいなと思っていたら、数台並んでいた。「馬場島までいいですか?」とたずねると運転手さんちょっとうれしそうだった。
準備を整えて出発。早月尾根は剱岳の山頂へすっと伸びる尾根ということで一度歩いてみたかった。登っていくと暑くて、もってきた水が多くなかったので少し心配になる。暑さは苦手で水分補給は注意しないといけないと思っていたのに甘かったか。
中腹まで登ってくると杉のねじ曲がった巨木。大きい。何本もでてくる。風格を感じる。
雲のあいだから陽がでてくるととても暑い。体力を消耗しないようにゆっくり登る。トンボがたくさんとんでいる。よく見るとブヨのような虫をくわえていた。「えらい!」
今日のキャンプ地の早月小屋に到着。結局、水も間に合った。この日は3張だった。今回の計画ルートは水がとれるところをえらんだが、ここは唯一、水がとれない場所なのでミネラルウォーターを購入。小屋の方も「こんなに雪あるところなのに水がとれないんだよ」と話していた。富山の水と書いたペットボトルを買うのは不思議な気分。
Day2 / 7月27日(水)
夜、雨が降りつづいていた。今日は剱岳を越える予定。岩場なのであまり悪天候だといやだなと思いながら夜を過ごす。早めに出発するよ予定だったが、雨の様子をみて5時前に出発した。急登。西側だけガスがあがり景色がみえた。振りかえると登ってきた尾根がよく見える。
剱岳の山頂は二度目。今回は残念ながらガスの中。行動食をたべながら少しガスが晴れるのを待ったがあきらめた。別山尾根を降っていくと、「ライチョウ ! 」 なにかくわえてうろうろしている。冬毛もかわいらしいが夏毛も悪くない。
天気が悪いせいなのかまだ時間が早いのか渋滞もなく別山尾根を降り、今日のキャンプ地、剱沢キャンプ場に到着した。
Day3 / 7月28日(木)
起きてテントから出ると「星がでてる ! 」 「よし」っと、歩きだすとすぐにガスがかかりはじめた。富士ノ折立、大汝山、雄山と歩いていくが、ずっとガスの中。立山ははじめてだったので残念だけどまあ仕方がない。熱中症になることを警戒して準備してきたが、寒いぐらいだ。手がかじかんできたので手ぶくろをつける。
雄山には立派なつくりの神社があって驚いた。神主さんがちょうどでてきたところだった。山の上で神主さんに会うのは不思議な感じ。
ひと休みして、一の越へ降りていくと青空が見えてきた。室堂からの登山の人がたくさんいて急ににぎやかになった。
龍王岳をすぎたころにはすっかり天気もだいぶよくなり、お花畑がたくさんでてきて夏の北アルプスの雰囲気でいっぱいになる。東側には黒部湖、針ノ木岳あたりの山々が見える。友人が全山縦走中で針ノ木あたりにいるはずと思いながら眺める。
途中、雪渓が何箇所かあったが、歩きやすいようにメンテナンス作業してくれていた。傾斜があるところは階段状にしてくれていてとても歩きやすい。
五色ヶ原キャンプ場はチングルマの咲くとてもいい場所。テントを張りゆっくりする。水もたっぷりでている。陽がさしてきたり雨がふったりの落ち着かない天気。
Day4 / 7月29日(金)
今日は行程が長めなので「さあがんばるぞ」と歩き始める。満点の星空。キャンプ地を振り返ると緑、黄色と明かりのともっているテントがきれい。うっすらと明るくなる大好きな時間帯。だんだんと明るくなり朝日がさしてくる。すると「クゥ、クゥ」。「ライチョウ」。親子で子供をつれている。朝日をあびながらうろうろしている。
スゴ乗越をすぎ、アップダウンしながら薬師岳への登りにかかる。はるか下にエメラルドグリーンの水がみえる。「上ノ廊下かな」いってみたいと思う。
薬師岳は山容がおおきくすばらしく立派だ。これから登る稜線をながめながらゆっくり休憩していたらガスがかかってきた。写真を撮りそこねてしまった。
途中、道が浅いV字状になり、片側が一面のお花畑。あとはガレた岩の上をたんたんと登る。北薬師岳に到着。ガレた岩が堆積していて、まるで山全体がガレた岩で積み上がっている風。「大地震で全部崩れそう」とかわけのわからないことを考える。薬師岳山頂まではあとは頂上稜線歩くだけだと思ったが、これが意外に長い。やっとお堂のある山頂に到着。反対側から登る人が多いらしく賑わっていた。
下りはなだらかな丸い感じ。北薬師側の険しい感じと違う様子で対比がおもしろい。「これは楽ちん」と思いながら歩いていたら、最後は沢の中の道で悪かった。
この日の太郎平キャンプ場はにぎわっていた。隣のテントの人と食事をしながら話しをした。夕立後、また晴れる。
Day5 / 7月30日(土)
キャンプ地を出発して太郎平に向かうとすばらしい景色。富山湾、富山市街の灯りがよく見えた。薬師沢への道に入る。お花畑がたくさん。なんども写真をとったりして足をとめる。なかなか進めない。今日は行程が短いのでゆっくり。
薬師沢小屋でひと休み。小さな可愛らしい小屋。機会があったら泊まってみたい。黒部源流の水が澄んでいる。
薬師沢から雲ノ平への急登を登る。ぬれた岩の道なのでなかなか登りにくいようで、何度かゆずってもらい先にいかせてもらう。「おにいさんがあがっていくよー」と仲間に声をかけてくれた人が、「あ、男の人…」と言い直していて笑ってしまった。確かに「おにいさん」は無理がある。
急登を上り、木道になる。低木もたくさんあってヤブっぽい。なんだ雲ノ平って有名だけとこんな感じなんだと思いながら進んでいくと、だんだんと開けてきてすばらしい景色になってきた。天気もよく気持ちよく歩く。アルプス庭園へ寄り道。
ゆるい登りをあがっていくと、「ライチョウ ! 」しかも子供も三羽うろうろしている。まるでカルガモの親子の様。
アルプス庭園からの眺めはすばらしい。楽園のような眺望。青い空、白い雲、山々に囲まれた広々とした場所。急登の疲れも吹き飛ぶ。
雲ノ平のキャンプ場は広々とした気持ちの良い場所。コーヒーと持ってきたバームクーヘンをたべながらのんびり。
すると恒例の夕立。かなり強くしばらく降っていた。テントのなかで「大丈夫かな ? 」と思いつつもゆっくり。この時期は昼過ぎぐらいには到着してしまうのがよいようだ。雨があがりテントから顔をだして、外にでるとキャンプ地のあちこちが沢になっていた。
Day6 / 7月31日(日)
行程は短いのでゆっくりスタート。スイス庭園へ寄り道する。気持ちの良い朝。
黒部源流を眺めながら鷲羽岳を登る。たおやかな山々。「イワナいっぱいいそう…」
早々と三俣山荘に到着してテント泊の申し込みをする。途中に興味のあった伊藤新道の道標があったので、小屋のおにいさんに道の話しを聞いた。「クラウドファウンディングもしてますんでー」っとしっかりアピールしていた。
雪渓から流れ出る小川のそばにいいテント場をみつけてテントを張る。予定どおり進んでいれば、全山縦走している友人も今日ここにくるはず。
雪渓からの流れの冷たい水で身体をふいたりさっぱりと気持ちよく過ごす。脳天を水につけたらキーンと気持ちがよかった。
そうこうしていると、友人がひょっこりやってきた。予定どおりとはいえ、山の中で知った顔に出会うのはおもしろい。ひとしきり互いの山行の話しをしながら過ごす。
恒例の夕立。
Day7 / 8月1日(月)
今日で下山。友人は行程が長いということで先に出発。しばらく後から出発。時折、ヘッドランプの光を消すと満天の星空。
三俣蓮華岳に登る。富山の街の光がきらきらとしている。だんだんと空の端がオレンジ色になってくる。どんどん変化していく。
双六岳への道を進むと友人に追いついた。今日で下山なので荷物が軽い。双六岳の山頂で夜明けを楽しむ。
山頂からのくだりはまーるい稜線に槍ヶ岳か映える。なんともいい風景。いままで自撮りしかできなかったので写真をとってもらう。
双六小屋で槍ヶ岳に向かう友人と別れて新穂高へ足をすすめる。いい天気でだんだんと気温も高くなり「暑い ! 」沢で、手ぬぐいをひたして、首にまいてひんやりさせたりしながら歩く。
最後はたんたんと林道を歩き、新穂高ロープウェイ駅に到着。
7日間の山旅も終わり。
2022年 夏