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  • 2024年 映画評

    2024年観た映画の評論をあげています。

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映画評 グラディエーター🇺🇸

『エイリアン』『ブレードランナー』の巨匠リドリー・スコット監督による、古代ローマを舞台に復讐に燃える剣闘士の壮絶な闘いを描いた歴史スペクタクル。第73回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞など計5部門に輝いた。 古代ローマの皇帝アウレリウスは、将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)を次期皇帝の座に譲ろうと考えていた。それを知った野心家の王子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は父を殺して玉座を奪い、マキシマスに死刑を宣告する。コモドゥスの手下に妻子を殺され、マキシマスは故郷へ逃れる

    • 映画評 グラディエーターII 英雄を呼ぶ声🇺🇸

      アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5部門を受賞した『グラディエーター』の24年ぶりとなる続編。前作でかんとくをつとめたリドリー・スコットが再びメガホンを握る。 将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻により、妻を殺された男ルシアス(ポール・メスカル)。すべてを失い、アカシウスへの復讐を胸に誓う彼は、マクリヌス(デンゼル・ワシントン)という謎の男と出会う。ルシアスの心のなかで燃え盛る怒りに目をつけたマクリヌスの導きによって、ルシアスはローマへと赴き、マクリ

      • 映画評 ナミビアの砂漠🇯🇵

        山中瑶子が監督・脚本を手がけた、現代日本の若者たちの恋愛や人生を鋭い視点で描きだす。2024年・第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で国際映画批評家連盟賞を受賞。 21歳のカナ(河合優美)は人生に対しても情熱を持てず、仕事や恋愛ですらもただの暇つぶしに過ぎなかった。同棲している恋人ホンダは家賃を払ったり料理を作ったりして彼女を喜ばせようとするが、カナは自信家のクリエイター、ハヤシとの関係を深めていく。しかし次第にホンダの存在を重荷に感じるようになる。 河合優美演じるカナに特

        • 映画評 ドライブアウェイ・ドールズ🇺🇸

          『ファーゴ』『ノーカントリー』などを手がけたコーエン兄弟のイーサン・コーエンによる初単独監督作品。車の配送に出かけた2人の女性が、謎のスーツケースをめぐって事件に巻き込まれるコメディドラマ。 日々の生活に行き詰まりを感じたジェイミー(マーガレット・クアリー)とマリアン(ジェラルディン・ヴィスワナサン)は、車の配送(=ドライブアウェイ)をしながらアメリカ縦断のドライブに出かける。しかし、配送会社が手配した車のトランクに謎のスーツケースがあるのを見つけ、その中に思わぬブツが入っ

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        映画評 グラディエーター🇺🇸

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        • 2024年 映画評
          66本
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          19本

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          映画評 笑いのカイブツ🇯🇵

          「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの同名私小説を原作に、笑いにとり憑かれた男の純粋で激烈な半生を描いた人間ドラマ。 不器用で人間関係も不得意なツチヤタカユキは、テレビの大喜利番組にネタを投稿することを生きがいにしていた。毎日気が狂うほどにネタを考え続けて6年が経った頃、とあるラジオ番組を通じて「ハガキ職人」として注目を集めるようになる。憧れの芸人から声を掛けられ上京することになるが、ツチヤを待ち受けていたのは社会の厳しさだった。 岡山天音が演じたツチヤタカユ

          映画評 笑いのカイブツ🇯🇵

          映画評 動物界🇫🇷🇧🇪

          人間がさまざまな動物に変異してしまう奇病が発生した近未来を描いたアニマライズスリラー。第49回セザール賞最多12部門ノミーネトされ5部門受賞。 原因不明の突然変異により、人間の身体が徐々に動物と化していく奇病が蔓延していた。“新生物”は凶暴性を持つため施設で隔離されており、フランソワ(ロマン・デュリス)の妻ラナもそのひとりだった。ある日、新生物たちの移送中に事故が起こり、彼らが野に放たれてしまう。フランソワと16歳の息子エミール(ポール・キルシェ)は行方不明となったラナを捜

          映画評 動物界🇫🇷🇧🇪

          映画評 HOW TO HAVE SEX🇬🇧🇬🇷🇧🇪

          ギリシャのリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みを描いた青春ドラマ。第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ受賞。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせる。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ(ミア・マッケンナ=ブルース)。やがて彼女はホテルの隣室の

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          映画評 侍タイムスリッパー🇯🇵

          現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディ。 幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は、長州藩士の侍と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻し、やがて磨き上げた剣の腕だけを頼りに、

          映画評 侍タイムスリッパー🇯🇵

          映画評 バジーノイズ🇯🇵

          DTM(デスクトップミュージック)を題材に斬新な音楽表現とタイムリーなテーマ性で話題となったむつき潤による同名コミックを『silent』の風間太樹監督で実写映画化。 自分の頭の中に流れる音楽をPCで形にし、部屋でひとり奏でることに没頭する青年・清澄(川西拓実)。自分の音楽を誰かに聴かせようなどと思っていなかった清澄だったが、上の階に住む潮(桜田ひより)は、毎日清澄の部屋から漏れ聞こえてきた彼の音楽を楽しみに聴いていたと話す。そして、潮が何気なく投稿した清澄の演奏動画によって

          映画評 バジーノイズ🇯🇵

          映画評 Cloud クラウド🇯🇵

          『散歩する侵略者』『蛇の道』の黒沢清監督による、憎悪の連鎖から生まれた集団狂気に狙われる男の恐怖を描いたサスペンススリラー。 町工場で働きながら転売屋として日銭を稼ぐ吉井良介(菅田将暉)は、周囲で不審な出来事が相次ぐようになる。吉井が自覚のないままばらまいた憎悪の種はネット社会の闇を吸って急成長を遂げ、どす黒い集団狂気へとエスカレート。得体の知れない集団による“狩りゲーム”の標的となった吉井の日常は急激に破壊されていく。 筆者は本作が公開されてから1ヶ月弱経ってから鑑賞し

          映画評 Cloud クラウド🇯🇵

          映画評 ルックバック🇯🇵

          『チェンソーマン』の作者で知られる漫画家・藤本タツキが、2021年に「ジャンプ+」で発表した読み切り漫画『ルックバック』を劇場アニメ化。 学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称賛されている小学4年生の藤野。そんなある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本の描いた4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられる。自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりで学校にも来られない京本。正反対な2人の少女は、漫画へのひたむきな思いでつながっていく。しかし、ある時、すべてを打ち砕く出

          映画評 ルックバック🇯🇵

          映画評 十一人の賊軍🇯🇵

          『日本侠客伝』『仁義なき戦い』シリーズなどで知られる脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを『孤狼の血』『碁盤斬り』の白石和彌が監督を務める時代劇アクション。 江戸幕府将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で争われた戊辰戦争。そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩で繰り広げられた、同盟への裏切りのエピソードを基に、捕らえられていた11人の罪人が、新発田藩の命運を左右する、ある砦を守る任に就き壮絶な戦いに身を

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          映画評 異人たち🇬🇧

          1988年に大林宣彦監督によって映画化された山田太一の小説『異人たちとの夏』を『さざなみ』『荒野にて』のアンドリュー・ヘイ監督によって、現代のロンドンを舞台に再映画化。 ロンドンの静かなタワーマンションに暮らすアダム(アンドリュー・スコット)は謎めいた隣人ハリー(ポール・メスカル)と偶然出会い恋に落ちる。ハリーとの関係が深まるにつれ、アダムは子供の頃の世界に引き戻される。両親の思い出をもとにした脚本の執筆のために訪れた実家で目にしたものは、30年以上前に亡くなったの両親が、

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          映画評 チャレンジャーズ🇺🇸

          『君の名前で僕を呼んで』『ボーンズ アンド オール』のルカ・グァダニーノ監督による、2人の男を同時に愛するテニス界の元スター選手と、彼女の虜になった親友同士のテニス選手の10年間を描いたラブストーリー。 テニス選手のタシ・ダンカン(ゼンデイヤ)は確かな実力と華やかな容姿でトッププレイヤーとして活躍していたが、試合中の怪我により選手生命を絶たれてしまう。選手としての未来を突然失ってしまったタシは、自分に好意を寄せる親友同士の若き男子テニス選手、パトリック(ジョシュ・オコナー)

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          映画評 ダム・マネー ウォール街を狙え!🇺🇸

          SNSを通じて個人投資家たちが金融マーケットを席巻した「ゲームストップ株騒動」を綴ったノンフィクションを『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『クルエラ』のクレイグ・ギレスピー監督が描く。 キース・ギル(ポール・ダノ)は赤いハチマキにネコのTシャツ姿の「ローリング・キティ」という名で、ゲームソフトを販売する会社「ゲームストップ社」の株が過小評価されていると動画で配信していた。彼の主張に共感した個人投資家たちがゲームストップ株を買い始め、21年初頭に株価は大暴騰。この事件

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          映画評 パスト・ライブス/再会🇺🇸🇰🇷

          海外移住のため離れ離れになった幼なじみの2人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間を描いたラブストーリー。長編映画監督デビューとなったセリーヌ・ソンが務める。 韓国・ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソンは、互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12年後、24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいた2人は、オンラインで再会を果たすが、互いに思い合うも再びすれ違ってしまう。そして12年後の36歳、ノラは作家のアー

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