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雨の日の思い出

※小学校の先生だった時に、子供たちに作ってあげた物語です。

「明日は、雨だし、少し学校にいくのがゆううつだな…。先生は、プールカードもわたしわすれてるし、本当に水泳あるのかな…」。

4年2組の女の子や男の子は、少し不安な気持ちでいっぱいです。


玄関のところで、行くのを少しなやんでいると、いつもきびしいお母さんが、やさしい話し方で伝えてくれました。

「わたしは、そんなに雨って、きらいじゃないのよ…」

「え、なんで?」

「ずっと、どしゃぶりの雨がつづいたとしても、雨はきっといつかはやんで、晴れになるんだよね。大変だって思っていることも、長くはつづかないし、きっといつかよくなるのよ。」

「うん、うん。」

「それに、雨がふらなきゃ、にじは見えないでしょ…。早く学校に行きなさい。」

「え~。いきなりこわくなちゃった。」

「大丈夫、あなたががんばっているのは、みんな知っているからね…じゃあ、行ってらっしゃい。」

通学路を走っていくと、あまりはなしたことのない、友達に出会いました。

「雨って、なんかふしぎだよね~、前まではきらいだったんだけど、今は少し好きかな」

「あなたも、雨を好きになってたんだ...しらなかった...私も今日雨がすきになったんだ、せっかくだし友達になろうよ!」

学校についたら、先生がみんなを待って、こう言ってくれました。

「先生も雨はきらいだったんだけど、今は好きだな…」

「みんなに会えるなら雨ぐらい平気だよ、来てくれてありがとう!」


「今日は、暗い顔のみんなじゃなくて、明るい顔のみんなが見たいな…せっかくだし、今日から八日間、お楽しみ会に向けていっしょにがんばろうね。みんなの笑顔が見れるのが、一番なんだよね。」


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