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【手品】Michael Weber Workshop 2017

(注:本記事は手品をやっている方向けの記事です)

Michael Weber(マイケル・ウェバーとか、ウェーバー、というのが発音としては近いでしょう)といえば、マジック界では、天才かつ非常に限られたところでしか秘密を共有しないことで有名です。本職が弁護士でもあることから、レクチャーツアーもあまりしないし、作品を発表するのは限られたコンベンションや自社から出す製品(しかも、結構な高価)に限られています。ということで、日本は当然ながら、世界的にもなかなか彼の作品に触れられるチャンスは限られています。

天才なんだけどなかなか表に出てこないんだよな

唯一、広く売られたものといえば、名著Life Savers(1991年発売)。残念なことにこれは再販予定はない、と版元のKaufmanも言っています。即席(風)に見せられる作品として色褪せないようなものがたくさん掲載されており、Weberの才能を垣間見ることができます。超オススメ。

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ということで、映像や本に触れたことがある人はとても限られてると思うんですが、実は彼、若い頃に何度か日本に来ており、そのときの映像は日本語翻訳(しかもMax Mavenによるもの)つきで実は販売されています。この映像FISM横浜のときですかね。(これ本人に許可取ってるんですかねぇ、と思うのは野暮でしょうか。)箱根のコンベンションでも呼ばれたことがあるらしく、マジックランドからもノートが出ていますが、これは一部後述の本と重複するところもあった記憶あり。あと解説があっさりしすぎてて内容としては良いものではないと思う。なお箱根ゲストたちのレクチャーノートの合本"HAKONE PRIDE"にも掲載されているみたいです。ゆえに、名前は聞いたことある人はいるはず。

最近はTim Tronoと組んで、Psienceというブランドで作品を不定期に発表し、彼から作品を買ったことある人向けにメールベースで細々と販売しています。賢さは一級品なものが多い...気がする。(一方で、手品にありがちなトリックが異常にシンプル、というものも多い印象があります。)

いやー、しかし、思い返せば私は初めて彼を知ったのは、2007年に放映された前田知洋さんのテレビ番組でした。板に打たれた釘にマグカップ(※注:読者の方から指摘いただきました)をかぶせると、コインマジックのマトリクスのように釘が移動していく、というマジック。トンデモなく不思議で驚いた記憶があります。他、映像で見たのはFat Brothers vol.2のボーナス映像ですかね。ジーンズポケットからアホみたいに色々モノが出てくる。これ、実は生で見たことあるんですけど、生でもまじで不思議でした。いいトリックだなー。

ちなみに、彼は本職が弁護士でもあることからか、レクチャーノートやトリックを買うと、割と強めの表現で流出(要は映像に撮るな、コピーするな、等)への警告を記載しています。これもなかなか出回らない理由でもあると思います。

そんな彼のワークショップを、フロリダで開催されたGenii Conventionで2017年に実は受講していました。ちょっと色々と調べているときに彼の作品を再度思い出し、いい機会なので当時のワークショップを復習しようと思い、せっかくなのでレビューも書くことにしました。自分の備忘録でも有りながら、日本語で彼の情報を少しでも書いておこうかな、というちょっとした思いもあります。

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レクチャーでもらった道具の入っていた封筒

マジックのレクチャーについて言いたいこと

今回のnoteを書くにあたり絶望したのは、自分のレクチャーメモです。いや、全編英語だから、という言い訳もあるんですが、内容がひどかった。。。解読に困りました。たぶん必死にメモ取ったんだろうという痕跡があるんですが、解読不能な部分もありました。でもぶっちゃけレクチャーって、大事なこと聞き逃したくないし見逃したくないから、メモ取りたくない派の人もいると思うんですよ。僕もそうです。せっかくだから見たり驚いたり純粋に質問したり、というところに注力したいわけです。

だから、1回しか受けられないような海外ゲスト呼ぶレクチャーやってくださる人に強くお願いしたいのは、最小限のやり方を書いた備忘録を最初から配ってほしい...できればそこに書き込む形で進めたい。これまでその形式を取ってくださったのは、金沢のヤマギシルイさんが「最初に手順書配る」をやってくれたのと、JONIOさんの「当日簡潔なレジュメを配り後日映像配信」という形でしたね。もちろん、これを配ることで練習を怠るとか、やる気を失うとかそういうデメリットもあると思いますので、一長一短ではありますが。

あとは、事前にどのトリックをやる、ということも説明してもらうと予習しやすく、質問も考えていきやすい。私自身、正直レクチャーで細かいやり方を聞くよりも、なぜそのようなハンドリングやプレゼンテーション、セリフにしたのか?とか、現場でのTipsとか、裏にある思想や創作過程を聞きたいタイプなので。

さて、前置きが長くなりましたが、ウェーバーのワークショップのトリックをレビューしていきます。と言いつつ、トリックの解説を書くわけではないんですが、ある程度一般の方の目が触れる場所に手品の裏側みたいなことを書きまくるのはさすがになぁ、と思いまして、ここから本当に情報を求める方向けに一定のハードルを設けるため、(開始から3日後には)有料にしたいと思います。すみません...。いただいたお金は、今後の私の研究とコーヒー代にありがたく使わせていただきたいと思います!

いきなりおまけ:FALSE ADVERTISING

いきなりおまけ、ということで拍子抜けかもしれませんが、2019のコンベンションのWeber&Tronoによる全員プレゼント作品です。

観客とマジシャンがインストラクションが書かれたカードに従ってデックをカットしたりシャッフルしたり配ったりすると、4枚のAと4枚のKが出現します。

Chad LongのShuffling Lessonをベースに、デックに入っている広告カードに手順を印刷してマジシャンが適切にガイドすることで現象が起きる、ほぼセルフワーキング。「広告カードに印刷する」とかハンドリングを簡単にする、というところに工夫が見られます。いいトリック。

1. MONEYMAKER

最初に解説してくれたんですが、ものすごいビジュアルでビビりました。英語読める人用に、これが現象の説明です。(Kaufmanの事前説明から)

Use your fingers like the rollers of a printing press and slide a dollar bill between them. Your audience will see the bill change as it goes in a $1 and comes out a $100. Your hands are empty when you start and when you finish. New method. No switches. Nothing added or taken away. Like trick photography for the real world.

いやまじで、超ビジュアルに、1ドル札が左手の指の間を通ると100ドル札に変わっていくんです。お札印刷ローラーあるじゃないですか、古いマジックに。それが指で起きるイメージ。嘘偽りなくここにある表現通りのことが起こせます。しかもスイッチしていないので超クリーンなんですよ。

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