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最近の記事

『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(シリーズ第32作)

わたしにとって寅さんシリーズは、(仕事上の)気持ちに余裕があるかないかのバロメーターとなっているのだが、今年はほとんど観る機会がなかった。年末になって、ようやく新しい企画のことなどを考える余裕が出てきたようで、久しぶりに寅さん観賞を復活させた。 数年かけてシリーズを頭から観てきたが、ここにきてそれが停滞していたのは、上記のようなわたしの状況もあるが、それだけではない。(公開が)1980年代に入り完全に量産体制円熟期に入ると、やはり観るほうもマンネリズムが気になり出してしまう

    • 朗読CD『山月記』(原作・中島敦、朗読・江守徹)

      長時間クルマを運転するときは、音楽を聴くことが多いのだが、それに飽きた場合は、クルマのハードディスクに入っている、新潮社の朗読CD『山月記』(原作・中島敦、朗読・江守徹)をよく聴く。「山月記」だけでなく「名人伝」「牛人」も入っているこの朗読CDは、中島敦が描く中国の雰囲気と江守徹の朗読がとてもマッチしていて、気分がいい。たぶん100回以上、聴いていると思う。 で、昨晩もこの朗読を聴いていてふと考えついた説がある。題して「李徴、虎になってない説」。主人公である李徴(りちょう)

      • 1998年の重大局面

        めったに自分の来し方を思い返すことはなく、ましてや「あの時、あっちの選択肢を選んでいたらどうなっていただろう?」なんて妄想をすることはほぼないのだけど(自分とは関係のない妄想はよくするのだが)、文庫の『全裸監督』を読んでいたら唐突に思い出した分岐点があった。 時は1998年、会社を辞めて、(数年前に中退していたつもりだったが、なぜか単位は留保されていた)大学に戻ろうとしていたわたしは、当座の学費を稼ぐためにアルバイト先を探していた。バイト雑誌を読んでテキトーに選んだ2社に履

        • 映画『さびしんぼう』

          映画『さびしんぼう』 (大林宣彦監督/富田靖子・尾美としのり主演) https://www.netflix.com/title/81318388?s=i&trkid=13747225 若いころに観た時とはまったく違った感慨に耽る。筋書きは覚えていたよりもずうっと入念かつ端正、そして厄介で、典型的な「映画」のプロットだということがいまにしてわかる。これはもしかしたら青春映画などではなかったのかもしれない。 「ひとを恋することは とってもさびしいから だからあたしは さびし

        『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(シリーズ第32作)

          替え歌「有罪率1000%」

          title: 有罪率1000% performed by カルロス・ゴーンと自動ドライブ https://youtu.be/CYweetJWgoA 君は微笑みながら 労働者の暮らし奪ってく 大きな楽器を運ぶ ケースに忍び関空を出てきたの 特別背任への瀬戸際へと 近づくムリ筋裁判かわして 有罪率1000% 欲しいよクリスマス休暇 君が言う権利は If you give me your money スクリーンにうかぶストーリー 目を閉じた Endless 記者会見 君

          替え歌「有罪率1000%」

          『IT』(スティーブン・キング)—深く考えるべきかも知れないけど、いまはそれをしたくない。そんな話

          『IT』(スティーブン・キング)を読んでいる。ほかに読まなければいけない本もたくさんあるので、気持ちと時間に余裕があるときに、ゆっくりと。たぶんいまのペースでいくと、読み終わるのに半年くらいかかるスピードで。 書籍にカバーをしないので、読んでいると意外なところから反応があったりする。たとえば子どものスイミングの迎えに行くときに持参すると、子ども(小学四年生)の友人のお母さんが「あ、この前、映画をテレビで観た! あれって原作があるんですね」と話しかけられる。うちではテレビで地

          『IT』(スティーブン・キング)—深く考えるべきかも知れないけど、いまはそれをしたくない。そんな話

          わたしとロールプレイングゲームの出会い・1

          小学5年生ごろから、月刊誌『タクティクス』(ホビージャパン)を読むようになり、中学2年生ごろまで購読し続けていた。兄の影響で遊ぶようになったシミュレーションゲーム(以下、SLG)と、ゲームブックの解説に書いてあったテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(以下、TRPGまたはRPG)を仲間と遊んでみたいと思うようになっていたけれど、そんなものに興味をもってくれそうな友人がいなかったから、なんとか情報が得られるのではないかと思って、ほとんど記事内容の意味もわからないのに熟読してい

          わたしとロールプレイングゲームの出会い・1

          「ノースアップが文明なんだよ」ーー久米宏

          夕方のイヌの散歩のときに、radikoで数時間遅れの「久米宏 ラジオなんですけど」(TBSラジオ)を聴いていたら、興味深い試みをしていた。題して「リスナー緊急調査! あなたのカーナビはノースアップ派? それともヘディングアップ派?」。 ノースアップは、多くの紙の地図と同様、つねに北をカーナビ画面の上に表示する方法、ヘディングアップは、つねに進行方向をカーナビ画面の上に表示する方法を指す。 久米さんは断然ノースアップ派である。つねに現在地と目的地の位置関係を方角で理解してお

          「ノースアップが文明なんだよ」ーー久米宏

          新型フォレスターの感想

          生まれてはじめてクルマを購入して、乗り始めてから2カ月弱が経ちました(それまでのクルマはすべてもらいものや親や他人のものでした)。 そこで、これまで運転してみて気づいたことをさみだれにまとめてみました。乗っているクルマは「フォレスター(18年式)・プレミアム」です。今後リコールされたら、その顛末も記録しておきたいと思います(笑)。 --- ●タイヤが大きい それまでのセダンとくらべてずいぶん大きく(18インチ)、おそらくそれによって、路面の感じがダイレクトに伝わるようになっ

          新型フォレスターの感想

          祖父からの手紙

          祖父からの手紙

          『闘う君の唄を』(中山七里、朝日文庫)

          『闘う君の唄を』 (中山七里、朝日文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4022648945 中島みゆき風の(というか「ファイト!」そのものの)タイトルと、大矢博子さんの解説にひかれ、はじめて中山七里さんの小説を読んでみました。 解説にあるように、前半は「お仕事小説」で、いったいどのように展開するのかがわからなかったけれど、中盤の「衝撃の告白」以降はミステリ仕立てで楽しく読めました。ただ、ミステリといってももうすでに答え(犯人)は出

          『闘う君の唄を』(中山七里、朝日文庫)

          『何者』 (朝井リョウ、新潮社)

          この小説に登場するような女性は現実に見聞きしたことがあるが、主人公のような男性はほとんど知らないので(というより知ろうとしないので)、ちょっとイメージしづらかった。年齢(世代)のせいか、ぼくがお目出度いからか、それとも運がいいからなのか。たぶんそのどれもだろう。 https://www.amazon.co.jp/dp/4101269319

          『何者』 (朝井リョウ、新潮社)

          『子育て指南書 ウンコのおじさん』( 宮台真司、岡崎勝、尹雄大・著、ジャパンマシニスト社)

          前半はけっこう冗長というか、すでにどこかで聞いたような話が多かったけれど、しだいに宮台節というか、思わずニヤリとしてしまうような文章が増えていき、そのまま最後まで突っ走るという感じでした。とてもマジメな本だと思います。 「子どもをコントロールし、カオスを全面回避し、法内に留め置きたがる」のはダメな親だという自覚から始めれば、頓馬な大人でもなんとかなる、とこの本全体を通じて励ましています。 https://www.amazon.co.jp/dp/4880493287 ---

          『子育て指南書 ウンコのおじさん』( 宮台真司、岡崎勝、尹雄大・著、ジャパンマシニスト社)

          『関野吉晴ゼミ カレーライスを一から作る』(前田亜紀、ポプラ社)

          クレート・ジャーニーといえばうちの犬(白いほう)だが、グレート・ジャーニーは探検家・関野さんの専売特許だ。 そんな関野さんがムサビ(武蔵野美術大学)で先生をされているそうで、本書はそのムサビの学生と、文字どおりカレーライスの材料となる、肉・米・塩・野菜・香辛料、はてはお皿とスプーンまで自分たちでつくってしまおうという取り組み(を記録した映画をまとめたもの)。 たぶん映画で観たほうが、学生たちが葛藤するようすなどを実感できると思うけれど、入り口となる児童書としては、これぐらい

          『関野吉晴ゼミ カレーライスを一から作る』(前田亜紀、ポプラ社)

          オーロラの夜/真島昌利

          オーロラの夜/真島昌利 https://youtu.be/wKTifr-rUGI ぼくが関西ではなく東京の大学に進学したのは、ほんとにヒョンな、というかまことにショーもない理由だったのだが、そのことを考えながら、自転車をこぎながら、よくこの曲を聴いていた。 そのころ、歌詞の全体は自分なりにだいたいイメージできたのだが、 「時は透き通る水だ」 というフレーズだけ、どうも実感がわかなかった。ぼくはだいたい15歳くらいでものごころがついたので、それから3〜4年しか経ってい

          オーロラの夜/真島昌利

          百名山踏破リスト(2017.12)

          毎日山ばかり見ていたら、こんなのをつくりたくなった。 まだ70座近くも登っていない有名な山があるのだとわかって、ちょっとうれしくなった。それにしても、81〜86番台(南アルプス)はしんどい記憶しかない(笑)。 6 トムラウシ 11 八甲田山(登山はしていない) 21 安達太良山 28 燧ヶ岳 29 至仏山 30 谷川岳 40 赤城山 42 四阿山 45 白馬岳 50 薬師岳 51 黒部五郎岳 52 水晶岳 53 鷲羽岳 54 槍ヶ岳 55 奥穂高岳 56 常念岳 64 赤

          百名山踏破リスト(2017.12)