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修復歴と修理歴について

特に事故の被害に遭った方は気になる、自分の車の価値が下がったかどうかについて。

大まかなところは保険会社さんのサイトにある解説で十分ですが、自分の車を修理に出す時に「修理歴になりますか?」と試しに電話してみると、その工場の事故に対する知識が分かるかもしれません。

状態にもよりますが、よくある回答は、

1.即答せず、「確認して分かる者からご連絡させます」
割とまとも。全スタッフが知ってるいるとは思えない話なので。
この話がきたら誰が説明すべきか理解してるという事は良い事だと思います。

2.「修理歴になります」と即答する。(基本的には修理工場に修理するために出しているので、修理歴になりませんとは言わないはず...)
有り寄りのナシ。嘘ではないが説明する努力を放棄してる。
自動車整備を修理と表現する人がいたら、オイル交換でさえ修理歴になると言えます。
修復歴について話をする事でトラブルになった事があり、修復歴についての話をしたくない、という可能性もあるけれど、修理歴と修復歴の違いくらいは説明してもいいと思います。

3.「修復歴になります/なりません」と即答する
無し寄りのアリ。質問に答えてないけど嘘はついてない。
質問は修理歴についてなので、修復歴と修理歴の違いを説明しないのはユーザー軽視(どうせ細かく説明しても分からないだろう、という決めつけ)だと思います。

言葉の定義とリスクヘッジが好きな私が考えるベターな解答は、
「修理歴という言葉は定義がされていないので、修復歴という業界内で定義された言葉を使わせていただきます。修復歴にはあたる/あたらないと思います(言えます)」
です。更に説明をする時間をいただけるなら、
「修理をしたか?という意味の修理歴であれば、修理をする工場ですので修理歴は有りとなります。修復歴については、車業界では日本自動車査定協会(JAAI)の定義する修復歴で考えますが、見る人によっては修復歴に当たる内容でも修復歴無しとする場合もありますし、修復歴にあたる作業がなくても修理した形跡があれば修理歴などの紛らわしい言葉を使って査定を下げようとする可能性もあります。」
と付け加える事もあります。

しかし!
自動車の構造は年々変化しています。
特に安全基準やその試験方法が変わると良い評価を得るために構造が変わりやすくなりますが、そのために修復歴の査定(判定)方法も変わります。

例えば2019年には、今まで修復歴になっていた損傷が、ならない損傷とされるような変更がありました。
(参考:日本自動車査定協会: https://www.aftc.or.jp/content/files/pdf/aftc_info/aftcinfo_20190326.pdf)
こういった発表があると、私のような人はJAAIに問い合わせをする事になります。
この判断基準はどの時点で適用になるか、という点です。
(電話して得た回答は、査定した時、でしたので、2019年3月末までに修復歴となった車両の一部は再度査定をすると修復歴ではなくなります)

厳密には査定士の資格を持っていない人が当該部位の交換以外で判断するのはリスクがあると思います。
そのため、査定士の資格を確認できない場合は、(100%修復歴にあたる/あたらない場合を除き)「あくまで私見」と考えていただいた方が良いと思います。
私は査定士の資格を持っていないため、公開されている基準を参考に「確実にあたる/あたらないと言える」については明確なため、お話出来ると考えております。

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佐野 秀輔
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