入江悠のミニシアター逍遥Vol.2〜第七藝術劇場
こんにちは、入江悠です。映画『シュシュシュの娘』の監督・脚本・編集・製作などをしました。
映画『シュシュシュの娘』は、昨年2020年、コロナ禍の自粛要請などで苦境に陥った全国のミニシアターを応援したい、との思いから始まりました。
「第2回~第七藝術劇場」
今回、散歩してきたのは、大阪・阪急「十三駅」から徒歩3分のミニシアター。(僕のような関東育ちの人には馴染みがないかもしれませんが、十三は「じゅうそう」と読みます)。
大阪に行く用事があったので、せっかくなのでご挨拶! と思って、お土産の旬なさくらんぼ買って向かいました。あとで考えたら、映画『シュシュシュの娘』のキーアイテム【ちくわ】を買うべきだったのですが、あとの祭り。
この十三にあるのが、「第七藝術劇場」さんです。
この映画館が好きなのは、この2つ。
☆街並みも、街を歩いている人も懐かしい。
☆映画館の前でダラダラ溜まれる。
本連載ではおもに「映画館の環境」について書いていますが、この第七藝術劇場さん、通称ナナゲイさんは立地がもう最高。昭和生まれの人なら誰でも懐かしくなる商店街と街並みです。
駅から映画館へ向かうほんのちょっとの道中、すれちがうオッチャンオバチャンがみんな最高です。なんだか用もないのに話しかけたくなっちゃう。
映画館の前の通りも広くて、ほぼ歩行者天国。映画を観た後に友人知人、あるいは知らない人とアアダコウダと映画の感想を語り合えます。コロナじゃなければ缶ビール片手にずっと話していられます。
僕は昔、『SRサイタマノラッパー3』上映後、舞台挨拶を終えて出ると、ばったりと俳優の村上淳さんにここで会いました。まさに人と人の出会いの場ミニシアター。いまやシネコンでもロビーの席が少ない中、こういう空間があるのはとても嬉しいことです。
【第七藝術劇場の思い出】・・・『SRサイタマノラッパー3』上映初日、ナナゲイさんが映画にちなんで、<ブロッコリー割引き>をしてくれました。お客さんはブロッコリーを持ってくると安く映画が観られるんです。客席に大量のブロッコリーならぬBro.が並んだ姿が一生忘れません!
第七藝術劇場/公式HP: http://www.nanagei.com/index.html
映画『シュシュシュの娘』全国ミニシアター 8月22日(土)より公開