切れない縁
人付き合いが苦手になり、他人の目が完全に怖くなってしまった高校時代。
それでも他人の目を気にするがゆえに、留年もせず休みがちにもならずに無事に卒業し、好きだった英語をもっと勉強するために外国語大学に入学した。
4年制の大学へ行きたかったけれど、短大のみの合格だったので、まずは短大へ入学して、3年次編入学で4年間通う流れをとるつもりだった。
そして「彼女」も同じ大学に進学していた。彼女は4年制の大学へ入学していたので、講義で一緒になることも少ないことを言い訳にして、あまり関わらないようにしていた。
大学でも他人の目を気にするのは変わらなかったし、変えようとして「他人の目を気にしないふり」をするのも白々しい気がして出来なかった。
それでも友人は出来たし、好きな事を毎日学べることは嬉しかった。
でも、同時にレベルの違いを突き付けられることも多かった。
1年生の時に「日本語禁止」のクラスに入ったけれど、一番上のクラスだったため、周りは帰国子女やハーフなど既に英語を第二言語として操ることに問題のないような人ばかりだった。
上には上がいて、私は「英語」が好きなだけで得意ではないんだ。
そう思った。
短大を卒業後、無事に編入学試験に合格し3年生になった。
でも仲が良かった子たちは、ほぼ短大卒業後に就職してしまったため、3年生になってからは一人でいることが圧倒的に多かった。
それがさらに他人の目を気にするようにしてしまったな、と思う。
その頃から、電車に乗るにはイヤホンが必須だったし(知らない人がたくさんで見られている気がして怖いため、音ですべてをシャットアウトする)、すれ違う人に見られたような気がすると、どこかおかしいかな、と服装をチェックしたり、ちょっと病的だった。
大学3・4年生になると就職活動が始まった。
当時はいわゆる「就職氷河期」は終わっていたけれど、まだまだ求人倍率は低かった。
「やりたい仕事」なんてなかったので、興味がある分野を片っ端から受けていた。その中でも「ブライダル業界」が当時の第一志望だったけれど、ことごとく不採用。様々な業種の会社の「面接」に120社以上行った。本当によくやったと思う。
それでも全然結果がついてこないことに焦っていた頃、「彼女」がブライダル業界で内定をもらったと小耳に挟んだ。