失礼なラブレター(中学時代の)にとんちで返したら?と無責任に勧める昔の同級生と少しだけ異性を挑発する質問術
平日、昼過ぎに故郷の共通の知人Wさんの連絡先を確認するため、Iさんに電話をかける。機嫌が悪そうな声。
「あ、機嫌が悪そう」と率直に口に出すと
「あ、今、うとうとしてた」と答えるので
「お昼、食べたら、眠たくなった? もう、おばあちゃんじゃないか」と笑ってしまう。
近所に住んでいた2年上の(当時)女子学生Kさんのことなどを話す。彼女は美人であるが、ませたところもあり、その頃のエピソードのことなど。
中学当時の男女交際の話などへ移行。
高校の同窓会のときに自分に声をかけてきたBさんの話へ。
「俺、今までの人生で、手紙で嫌いです、と書いた人が一人だけいて、それがBさんで」
「嫌い、なんて書くのよっぽどのことでしょう」
「何度か手紙をもらって、返事を出さなかったんだけれど」
「出せばいいでしょ」
「でも、今度会いたいとか、どう答えていいかわからないし」
「ふーん」
「とうとうアンケートみたいな封書が来て」
「アンケート?」
「この質問には、逃げずに、必ず答えてくださいと書いてあって」
「答えればいいでしょ」
「私のことをどう思いますか? 1.好き 2.嫌い (答えは1つです!)」
「えーっ、好きに△を付ける」
「なに、そのずるい回答」
「でも、好きじゃないわけでしょ」
「『選択肢は1と2しかありません。△でも1に付けてある以上、第三者機関の協議により、1、好きと判定します』と言われたら?」
「えっ、そんな決めつけられても・・第三者機関って何よ」
「回答欄のすぐ下に、どちらでもない、とか、中間です、という逃げの回答はなしです、と書いてあって」
「うーん、返事を出さない」
「逃げずに3日後までに必ず出してください。5日経っても返事が届かないときは、私のことを好きだとみなします」
「えーっ」
「後半は嘘だけど。でも期限は切られていた」
「とんちで答えたらよかったんじゃない?」
「とんち? 一休さんみたいな?」
「選択肢は、1、好き 2、嫌い だけで、どちらでもない は、なし と書いてあるんでしょう」
「しっかり書いてあった」
「1と2の中間に、1.5と書き加えて、好きと嫌いの中間と記入する」
「つまんないなー、とんちと言っているのに面白くないし」
「考えてあげてるのに、そんな言い方ないでしょ。一休さんの『この橋を渡るな」に対するとんち回答を参考にしたのに。それに一休さんの回答自体、それほどのもんじゃないよ」
「・・・」
「友達ではあるけど、つきあいたくはないんでしょう」
「そう」
「友達だけど恋人ではないよ、と。だったら『友達以上恋人未満』と書く」
「昔のアイドルの歌のタイトルにあった気がする。それだと恋人になる手前のステップという意味になるよ。挑発している気もするし。他人事だと思って面白がってるよね」
「いいえ、まじめ」(きっぱりと言うが、他人事だと思って明らかに楽しんでいる)
「手紙は、こっちを追い込む書き方だったし、少し頭にきたので、嫌いに〇を付けて出したんだけれど」
「でも嫌い、なんてわざわざ言わなくても・・」
「だから、それからずっと軽く引け目は感じていたんだけれど」
「うーん・・」
「自分だって、もてたと言っていただろう」
話題を彼女に振る。
「え? そんなこと言ってないよ」
「中学時代に数人から告白されたことがあるって」
「それぐらい、誰でもあるでしょ」
彼女はモテると自分が公言するタイプではない。その点、今まで交際してきた女性のタイプとは異質な方である。本当にそう思っているのだろう。でも調査データによると(自分調べw)せいぜい1割程度だと思う。
「中学時代に告白されるなんて、ごく一部だよ」
「そうかな」
「おそらく」
「そうだね」(このー)
「中学を卒業してから、少しだけ交際したLさんももてたようで」
Lさんは、20歳を過ぎて2度デートをしている。少し大人びた美少女と言う感じ。中学時代の同級生と明確にデートをしたのは彼女が初めて。でもデートのときの記憶が断片的にしか残っていないのは不思議。
「そう?」
「下級生からラブレターもらったけど、無視したと言っていた」
「どうして?」
「今日午後4時、十勝大橋で待ってます、と書いてあったようで」
「とりあえず行けば?」
「橋は、全長500mだし、どこで待てばいいのか、わからないじゃない、ということらしい」
「でも橋の下で待っているわけないんだから。橋の上で待っていればわかると思うけど」
「うん、でも十勝大橋で待つ、なんて果たし状のようだな」
「橋の真ん中で待っているのかな」
「男はロマンチストだから、橋の反対側で待っていると思う」
「どうして反対側?」
「双眼鏡で覗いていて、相手が来たら、反対側からゆっくり歩き始める」
「500mの距離をお互いに見つめ合いながら近づいていく? 間がもたないよ!」
「ヨーロッパ映画のようなシーンだけど」
昔、映画雑誌に(ロードショーか、スクリーン)、ナリー・ドロンがアラン・ドロンに抱きつくシーンの写真があった。これは、割と有名な写真と思う。同じクラスの女子が下敷きの透明シートの下に挟んであったのを記憶しているし、20代のときに交際していた女性がこのように身を寄せてきたように思う。それだけ、フランスなどのヨーロッパ映画が生活に影響を与えていた。
「でも、どうして十勝大橋?」
「景色のきれいな所で告白すれば、成功率が高まると考えたんじゃないかな」
「そんなことで確率が高まるかなー。逆に、嵐の中で告白したほうが成功するんじゃない?」
「嵐のときに呼び出されて行くわけないよ!」
「そうか・・・そういえば、私も中学時代デートしていた」
「どこで」
「喫茶店で」
「どんな話をした?」
「好きなタレントは誰? とか」
「中田喜子とか、十朱幸代とか?」(当時人気あったのである)
「忘れたけど」
「好きな女優を彼が挙げてきたら、『私と同じタイプだよね』とぐいぐい押していったら?」
「えー、全然似てないよって突き放されるかもしれないし」
「いや、デートしている時点で、向こうも気があるんだから、乗ってくるって」
「あと好きなテレビ番組の話とか」
「恋愛ドラマの話とかして、相手の反応を見れば?」
「どんなふうに?」
「たとえば、相手がNHK少年ドラマシリーズ、とかさわやかに答えてきたとき、『少年ドラマ? ふっ、お子ちゃまね。私は、渡辺淳一原作の恋愛ドラマ見てるわ』と言うとか」
「えー、愛憎ドラマでしょ、中学生見ないよ」
当時の21時台ドラマには、ベッドシーンは普通にあった。今は深夜ドラマ以外にそんなシーンがあるとクレームが来るだろう。
「彼が大胆な番組だね、と顔を赤らめたら、『どこが大胆? あれくらい私には普通よ』と挑発して反応を見る」
「挑発? 無理。Kさんじゃないんだから」
(Kさんは近所の2歳上の女性。美人ではあるが、相当ませていた人だった。結構自分にもアプローチしてきたのだが、13歳の少年時代の自分は少し対処に困っていた面はある。実際、その後10年間、彼女のような大胆なアプローチをしてくる女性はいなかった。それだけ彼女がませていたということでもある。当時、女性には愛想が悪かった自分が小学生時代からなじみだった彼女には普通に挨拶していたから好意を持っていると思っていたんだろうな)
電話を終える際、Iさんが
「田舎に帰って、Kさんに、あなたのことを覚えているか聞いてみようかな」と言うので、
「そんな勇気ないくせに」と少し挑発すると(Iさんは、あまり冒険的な行動をするタイプではないのである)
「少し前に、郷里で会ったの。実家のそばに住んでいるので」と答えるので少し慌てる。(ま、でもそんなことはしないだろうが・・)
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