「杏里『気ままにReflection』はダブル不倫を描いた歌だったのか」を令和に考える~解釈を追記(2022.12.5)
●しばらく多忙な日が続き、noteの更新を怠っていましたが、11月中旬からこの項目の購読数が増加していて驚きました。ただ、タイトルに「ダブル不倫を描いた歌」と書きながら、その理由をあまり記載していませんでした。どちらかというと、スージー鈴木さんやミラッキ大村さんのフレーズを思い出しながらユーモラスに書こうとしていました。タイトル倒れと思われた方もいるかもしれません(すみません)解釈部分を*として追記しました。
深夜の作業中、BAYFMの「9の音粋」先週月曜放送分をradikoで聴く。
杏里「気ままにReflection」この曲は80年代から90年代初頭のドライブの定番。彼女は女性のファッションにも大きな影響を与えていた。自分も好きでよく聞いていたし、曲を聴くと当時を思い出す。
スージー鈴木*1 が前年の杏里の「CAT'S EYE」に関して
「歌詞の意味がよくわかりません。
都会(まち)はきらめくpassion fruit
ウインクしてるエevery nigt
グラスの中のpassion beat
一口だけでfall in love
森本レオが読んでも意味不明です」と。
リズムのいい日本語7字にシンプルで切れのいい英単語が組み合わさり、発音して気持ちがいいフレーズが連打される。ここは、意味を追求するよりも(しょこたんの好きな言葉である)Don't think. Feel .なんだろう。
さて「気ままにReflection」をかける前に一部の歌詞を読みながら「これもよく意味が分かりません」と。
(Break Out)気ままにReflection
(Break Out)ウインクして気ままにReflection
(Break Out)投げキッスで気ままにReflection
(Break Out)ハートはもう気ままにReflection
(Break Out)さよならへと気ままにReflection
今まで失恋した女性がそれを忘れるために南の島で、新しい恋をポジティブな気分で求めるシーンを描いているものだと思っていた。明るい曲調であるし。
1番で「お互いそれぞれに待つ人がいるけれど」はステディがいたということを示す歌詞として受け取っていたが、その後のフレーズまで含めて考えると作詞者はダブル不倫を描いているようにも読める。CMソングであるから、そんな意味を込めているはずはない、という意見もあるだろうし、杏里の都会的な印象とシティポップのイメージからそれはない、と反論されそうだが。
*「ひと時だけ愛して あやまちでもいいのよ」
80年年代は軽やかな恋愛がもてはやされた。先月(2022年11月)宿泊施設で1977年の高校生向けの雑誌を発見したのだが、丸山圭子が「昨夜は明け方近くまでゆきずりの男と時を過ごしてしまった。まだけだるい体にナイト・ガウンをひっかけて熱いコーヒーを飲む」と書いていた。曲のプロモーション用フレーズっぽいが、当時、先端を行く新しい女性のスタイルと感じさせたものだ(しかし、受験期直前の『高2時代』でこんなこと言っていいのかとも思うが)
その中で異質なほど、重いフレーズ。87年発売、彼女の「HAPPY ENDでふられたい」とは全く違う心情(こちらの方はとても80年代的と感じる)
CMソングであり、映像も南国を映した陽気なもので、リゾート気分に浸れる明るい曲調。しかし、最後に歌詞は「さよならへと 気ままにReflection」と繰り返され、定まった悲恋が暗示されて終わる。
ずっと楽しい気分で聴いていたが、ベッドでボーッとしながらこの曲を聴いていて、ダブル不倫の心情を秘めていると確信。日清のCMソングなので、ずっとそんなことは言えなかっただろうが、そう解するのが自然ではなだろうか。
これから聴くとき、いちいち考え込んでしまいそうでもある。スージー鈴木が「この歌の歌詞の意味、わかりません」と言わなければ、そこまで考えなかったが。
曲が終わった後、鈴木氏は「(Break Out)と気ままにReflectionは掛け声。この言葉を外して、縦に読んでいくと意味は明快」とユーモラスに語る。ミラッキ氏がそれを受けて、「Reflectionと言いたかったんでしょうね」と。
Reflectionは、日本語でいうと反射という意味だが、84年の日清焼きそばUFOコマーシャルのキャッチコピーが「条件反射でプリーズ」なので、それに合わせたものであろう。懸賞商品を太陽光線に反射させていたのも歌のタイトルを意識したポーズと推測される。杏里のイメージに合わせて、なかなかおしゃれに見せるCMだった。
これからも「気ままにReflection」はよく聴くと思うが少し複雑な感情が混じる気もする。
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