しゅろ

本やマンガやアニメ、音楽、動画、エピソード等々の紹介や論評、個人的な雑感からちょっとし…

しゅろ

本やマンガやアニメ、音楽、動画、エピソード等々の紹介や論評、個人的な雑感からちょっとした創作まで、幅広く書いています。

マガジン

  • ひとり読書会

    • 117本

    とある読書会メンバーの共同マガジンです。基本は本に関連した内容でありつつ、ルールは特に設けてないので、各々がそれぞれの目線で雑談など、気楽に投稿しています。

  • エッセイ

    日常のエピソード等々

  • コント

    ちょっとおかしい短編集

  • 短歌のある日々

    短歌を一首掲げてエッセイを書きます。短歌の内容と関係あったりなかったりします。

  • 400字エッセイ

    原稿用紙一枚でエッセイを書きます。

最近の記事

天才キッズの誤算!小学校の運動会でまさかの幕切れ

はるか昔の話だ。 クラスに一人はいるような「計算の得意な子」だった小学生の私は、運動会の採点係というものを任された。一応説明しておくと、「計算の得意な子」というのは計算が速いだけではダメ。速くて、正確であることが必要条件だ。私は何べんやろうと、百マス計算はクラスで一番で、一度たりともミスをすることはなかった。天才だった。 そんな私だったから、採点係は当然私に決まったし、誰よりも一番私が「自分以外にいない」と思っていた。 運動会の採点係というのは、赤組、白組で競って点数を

    • "お部屋"デートはカオスな予感

      彼の家に向かう道すがら、私は何度もスマホの鏡アプリを確認していた。付き合って三か月になる隆志の家へ、いよいよ初めて訪れる日。ばっちりメイクはもちろん、お気に入りのワンピースに身を包み、勝負下着まで用意した。道中での緊張と期待感が混ざり合い、心臓が爆発しそうになる。早く彼の顔が見たい、でも会ったらもっとドキドキしちゃうだろう。そんなことを考えながら、彼のマンションへ到着した。 インターホンを押すと、すぐに隆志が顔を出した。 「…来たよー!」 「おお!上がって上がって!愛美!」

      • 通勤オリンピック

        朝の静寂を破るアラーム音が鳴り響く。いつもの朝、いつもの準備、そして私の「通勤オリンピック」の始まりだ。 今日も私は自宅から最寄りの駅へと、約1.2kmの道を歩く。私は他の人々のように、駅までの道を急ぐのではなく、ただ普通に歩く。だが、この「普通」というのが他人から見れば驚異的な速さであることに、私は密かな誇りを持っている。 私が1.2kmの距離を歩くのにかかる時間は、おそよ11分だ。一般的な成人が1分で80メートル進むと聞くが、私の場合は110メートル進んでいることにな

        • ヒトカラ

          ある土曜日の朝、男が一人でカラオケ店にやってきた。時刻はまだ朝の8時。彼は大のカラオケ好きで、週末のスタートを歌で飾ろうと決めていたのだ。眠そうな顔をした店員に向かって、堂々と受付に立つ。 「いらっしゃいませー」 店員は男の姿を見た瞬間、驚きの表情を浮かべる。だが、それはすぐに哀れみのようなものに変わった。あろうことか心の声がそのまま口に出てしまう。 「土曜日の朝っぱらから一人でカラオケですか?他にすることないんですか?」 男は一瞬ムッとしつつも、意気揚々とこう答える

        天才キッズの誤算!小学校の運動会でまさかの幕切れ

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          8本
        • 書評あるいは読後の雑感
          10本

        記事

          キャンプ初心者の悲劇!初体験で味わった恥ずかしい思い出

          キャンプ。自然に囲まれ、日常の喧騒を忘れる時間を過ごすためのアウトドア活動。聞こえは良いが、実際にはそう甘いものではない。自分が初めて体験したキャンプも、思い描いていた理想とはほど遠い結果を招いた。 そもそもの発端は、会社の先輩からの一言である。「キャンプってのは、テントと寝袋さえあればできるもんだよ。簡単だし、今度一緒に行こう」と言われたのが全ての始まりだった。先輩の軽い口調に乗せられて、私は特に深く考えることもなく「そういうものか」と信じ込み、本当にテントと寝袋だけ用意

          キャンプ初心者の悲劇!初体験で味わった恥ずかしい思い出

          30秒で眠れる枕

          佐藤は、ここ数ヶ月、寝付けないことで悩んでいた。仕事のストレスや不規則な生活が祟って、毎晩ベッドに入ってもなかなか寝られない。そんなある日、インターネットで「どんな人でも30秒で眠れる枕」を見つけた。レビューは高評価ばかりで、即購入を決めた。 枕が届くと、佐藤は興奮しながら開封した。 「これさえあれば、今夜こそすぐに眠れる!」 その夜、期待に胸を膨らませ、さっそく枕をセットしてベッドに横たわった。隣では妻の亜紀が先に寝息を立てている。佐藤は枕に頭を沈め、ゆっくりと目を閉

          30秒で眠れる枕

          助手席

          車内は雨が窓を叩く中、エンジン音だけが静かに響いていた。カーナビの画面はどこか道から外れて、まるで浮遊しているかのように表示されている。「なんだこれ、こんな場所走ってたっけ?」と彼はちらりと不安げに思いながらも、視線を戻した。助手席の彼女は、さっきから眉間にシワを寄せ、何か言いたげな表情だ。 「今!今のところだったんじゃない!?」突然、彼女の声が車内を切り裂いた。 彼は驚いてハンドルを握り直しながら、慌てたように返す。「え?え?今の…あー、もう、早く言ってくれよー。俺だっ

          「ラーメン二郎」挑戦記―聖地での初体験と心の葛藤

          十年前、私はラーメン二郎本店に足を踏み入れた。二郎好きの間では「聖地」として知られているあの三田本店だ。 ラーメン二郎といえば、ただの食事ではなく、闘いに近い。山のように盛られたヤサイと麺を前に、黙々と食べきることだけが許され、周囲との会話は厳禁、残すことはもってのほかという暗黙のルールがあった。もちろん、店がそう明言しているわけではない。だが、私の心の中にはそうしたイメージが染みついていた。 それでも、一度はその闘いに挑戦してみたいという気持ちがあった。ラーメン二郎の話

          「ラーメン二郎」挑戦記―聖地での初体験と心の葛藤

          ChatGPTで記事作成が劇的に変わる!SEOから画像生成までの活用術

          ChatGPTの凄さにおののいている。 既に使っている人からすれば「なにを今さら」だろうが、どれだけ優れたツールも使う人がそのレベルについていけるかが鍵なのだ。猫に小判、馬の耳に念仏である。 実は一年以上前から試してはいた。その時書いていたブログにも証拠画像を残している。 ↑カラオケで何かあったのだろうか。 ↑日本の国語教育に思うところがあったらしい。 ともかく、試してはみたものの、Google検索以上の有用性を見出せず、気が付くとすぐに利用を止めていた。 最近ま

          ChatGPTで記事作成が劇的に変わる!SEOから画像生成までの活用術

          GW旅行記1日目〜岩国編〜

          日頃オンラインで行っている読書会のメンバー三名で、三泊四日の旅行をすることとなった。せっかくメンバーの共同マガジンもあることだし、リレー形式で記録していくことに。まずは私、しゅろからスタート。あとのメンバーにプレッシャーを与えてはいけないので、簡潔にいきます! 初日は山口県の岩国。こう言っては語弊があるかもしれないが、この読書会メンバーらしく渋い選択である。王道の広島を外してお隣山口県は岩国から。 メンバーの住まいがバラバラなので現地集合にした。流石にこのGW、物凄い人出

          GW旅行記1日目〜岩国編〜

          好みとは違うけど良かった本たち!3月オンライン読書会の選書

          3月12日、毎月恒例のオンライン読書会が開催された。 テーマは「好みじゃないけど良かった本」ということだったが、いつにも増して盛り上がった。 好きじゃない、だけど良い本なのはわかる。この矛盾した感覚がもどかしさを生み、各メンバーを饒舌にさせたのだろう。各メンバー何が気に入らなくて、何が認めざるを得なかったのか。それぞれ書き連ねてみたい。 一人目。 好みでない理由:文系人間で科学に明るくないため 日頃は経済の本を紹介することの多い方。それでも、今のトレンドを抑えるべく

          好みとは違うけど良かった本たち!3月オンライン読書会の選書

          読書会総集編:2022年を彩った12回の本の旅

          『ひとり読書会』メンバーのしゅろです。 『ひとり読書会』は毎回オンラインで開催されている読書会ですが、今年は毎月休むことなくきっちり12回分行われました。レギュラーメンバー6名、各々まったく違った業界で働き、まったく違った地域で暮らしておりながら、未だに読書という共通の趣味で集える喜びを毎度かみしめながら参加しております。会の形式は二種類で、各自が紹介したい本を持ち寄って話すのが基本形式ですが、時折共通の本を設定して話し合う形式もやっています。 昨年12月からはこのnot

          読書会総集編:2022年を彩った12回の本の旅

          詩歌の魅力を語る難易度:オンライン読書会での挑戦

          毎月オンライン読書会に参加している。気が付けばニ年ほど続いており、いい加減持ちネタが尽きてきた。散々迷った挙げ句、私自身がここ数年触れてきた「短歌」について一席ぶった。 テーマが大きすぎて、超スピードでのプレゼンになってしまった。なぜアンソロジーを勧めたのかは説明した(短歌を知るには作品を数多く読むのが大事だと思うから)ものの、なんで現代短歌にしたかとか、どうして今短歌なのかとか、短歌のすごいところ、良い短歌とは何か、おすすめ短歌などなど、全くもって不十分なままに終わった。

          詩歌の魅力を語る難易度:オンライン読書会での挑戦

          オンライン読書会で白熱!『コンビニ人間』に見る現代の普通と異質

          8月28日と9月11日、二回にわたって読書会(オンライン)が行われました。課題図書となったのは村田沙耶香『コンビニ人間』。8月の読書会で取り上げたところ、思いのほか議論が白熱。通常設けている二時間の枠に収りきらず、急遽延長戦を行うことに。同じテーマで二回もやるのは初めてでしたが、二回目もきっちり二時間使い果たすほどの盛り上がりをみせました。 読書会メンバーも手応えを感じているようで、既に三人が今回の『コンビニ人間』(および今回の読書会)に関する記事を上げています。 三人に

          オンライン読書会で白熱!『コンビニ人間』に見る現代の普通と異質

          はやみねかおるの名作『怪盗クイーン』がアニメ化!読書の原点を語る

          今さらながら、はやみねかおるの『怪盗クイーン』がアニメ化していたことを知った。 何を隠そう、はやみねかおるの小説は私にとって読書人生の原点。今でも読書好きだと胸を張って言えるわけではないが、人並みに本を読むようになったのは、紛れもなくはやみねかおるの作品に出会ったからである。 出会いは小学生5年生の頃だったと思う。休み時間は基本的に外で遊ぶことの多かった私だったが、どうしたわけか、本好きで知られたクラスの女の子から一冊の本を借りたのがすべての始まりだった。 衝撃だった。

          はやみねかおるの名作『怪盗クイーン』がアニメ化!読書の原点を語る

          通信制限と119冊の読書―入院生活で得た貴重な時間の過ごし方

          入院からひと月と一週間。いよいよ退院を明日に控え、少しだけそわそわしている。 先月下旬に突如として訪れた悲運な出来事。あの金曜日もフットサルで気持ちよく汗を流して、帰宅したらビールを飲んで、最高の週末を迎えるはずであった。いつも以上に身体が軽く、プレー中も息があがらず、既に1G2A(1ゴール2アシスト)の活躍をしていた(怪我による妄想かもしれない)。それがまさか、ボール保持していたところにタックルをくらって痛みでうずくまるような、テレビでしか見たことがない瞬間が自分の身に起

          通信制限と119冊の読書―入院生活で得た貴重な時間の過ごし方