生きる

Jpopが流れる町で生まれた

北風の吹く方角にはいつも山があり、校歌には川が流れ、緑に感謝されられた

木造二階建てのアパートだらけの住宅街、でっかい工場としょぼくれたモールが人を呼び寄せていた

駅前のスナックのネオンが道路をいつも少し照らしていた、酒臭い裏路地、懐かない野良猫、いつもシャッターの降りてる本屋さん

国道沿いは街路樹と雑草、潰れたおもちゃ屋は学習塾にいつのまにか変わっていた

昔からある寿司屋には車が停まっているのを見た事が無い、でも、じぃちゃんの葬式の後はそこに行ったっけな

この町で生まれて育って死んでいく。

5時になると山に反響する音楽が好きだった

アパートの二階が俺の実家だった、兄貴と姉貴のお下がりだけが俺の持ち物の全て

でっかい公園には錆びた遊具と不気味な動物たち、いつもブランコを全力で漕いでた、軋み音を鳴らして

18になると周りは都会に出て行っちまった、残された俺は残された連れと毎晩飲み明かした

行きつけになっちまったしけた居酒屋で酒の味を知った、良いか悪いかなんて調べる余地はなかった

この町で生まれて育って死んでいく。

28になった時に、スナックの陽子との子が出来た、連れの妹だって事が俺を後戻り出来なくさせたのさ

町を出て行った何人かも実家の家業に勤しんで、だんだんこの町らしく染まって行ったのさ

何にもない、何処にでもある、なんの変哲もないただのこの場所に愛着が湧いて来たのさ


俺も同じ、この町で

俺も同じ、この町に

俺も同じ、この町が

俺も同じ、この町を


シュウマイガール


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