ポンコツOLは猫である
朝、目を覚まして、思う。
「今日も人間のふりをしなきゃいけない」。
会社ではサラリーマンという生き物になる。商談の席では、いつも以上に気を張り、相手の顔色を読み、ちょうどいい温度感の言葉を選んで話す。まるで綱渡りをしているみたいだ。落ちないように、バランスを取りながら前に進む。
「難しいなあ」と、心の中で小さくつぶやく。
サラリーマンは難易度が高い
サラリーマンって、本当に難易度が高い生き物だと思う。
8時間働くだけでも大変なのに、予算は年々上がるし、やるべきことはどんどん難しくなる。できるようになればなるほど、次はもっと高いレベルを求められる。
しかも、結果を出さないといけない。モチベーションが下がっている日だってあるけれど、やることはやらないといけない。それが「サラリーマン」なのだ。
「雇われている以上、仕方ないよね」なんて思いながら、今日もパソコンに向かう。
サラリーマンは本音と建前を使い分ける
たまに、1on1で目標を聞かれることがある。
「今後どう成長したいですか?」とか「どんなキャリアを目指していますか?」とか。
本音を言えば、「出世願望なんてないんです」なんだけど、そんなこと言えるわけもなく、
「頑張ります!」と明るく答える。
「自分、何してるんだろう?」と後から思うけど、その場ではちゃんと「頑張るサラリーマン」を演じる。
サラリーマンになるためのスイッチ
商談とかプレゼンとか、緊張する場面では、なんとなくスイッチが入る感覚がある。
「あ、今、自分、ちゃんとサラリーマンしてるなあ」と思う。
でも、家に帰ると、そのスイッチが切れる。「今日もお疲れさま」と自分に言いながら、ふーっと肩の力を抜く。湯船に浸かると、なんだか自分がただの人間というより、猫みたいに思えてくる。気まぐれで、自由気ままな猫。
そして「今日も人間として勤めた(演じた)」と頑張った自分を甘やかしたくなる(笑)
それでもサラリーマンを続ける
サラリーマンって、本当に大変。難しいし、疲れるし、理不尽なこともある。
でも、生きるうえでお金は必要だから働かないわけにはいかない。それに健康に生きるうえで、適度な社会性は良い刺激になる。
引きこもりも、ひとり行動も好きだけど、他人とのコミュニケーションが全くないのは寂しい。
同じ目標を持つ誰かと何かを成し遂げるのは、まぁ、悪くない。
だから、明日もまたサラリーマンを演じる。
少しだけ猫っぽい自分を隠しながら。