コーヒの科学

お疲れ様。読んでみた。自分の中での、考えてみたところを記します。

p,42
コーヒーゲノムからカフェイン合成に関わる候補遺伝子を全てピックアップい、茶やカカオと比べた結果、コーヒーの遺伝子群だけが、他の植物との違いが大きいことを突き止めました。これはコーヒーが進化する過程で、カフェイン合成能を独自に獲得したことを意味します。カフェインを作ることが一種の収斂進化である可能性を示した。、、、、
ゲノム解読によって、コーヒーの植物学的研究は新たな局面を迎えた

ゲノムからコーヒー豆を識別できる?
→scienceで論文あるから見てみる
→LLMでユーザの好きなゲノム配列が分かればレコメンドできそう?

p,50
実は、カフェインには他の植物の生育を阻害する作用があり、地面に落ちた手指から溶け出して周りに広がることで、近くに生えている植物を押さえて、自分だけがうまく成長できるように利用していると考えられます

どんな作用があるのか知りたい。
自然の中での、淘汰が行われている

p,55-56
コーヒーの花では発生初期に、雌蕊の元になる生殖器官(心皮)が2個でき、そこから生じる2本の雌蕊が発生中に一本に融合します。果実一つに2つの種子ができるのはこのためで、雌蕊の先端が二股に分かれるのはその名残です
しかし、ピーベリーはもともと、栄養価が低い枝先などに置きやすいので、栄養が2倍受けられるといっても、栄養価が低い枝先の2倍からあまり栄養価が変わらないとも言われている。

p,59
一つの胚珠の中に胚のうが複数生じた時に見られる「多胚」という現象で、二つ分の趣旨が内側と外側で重なったまま、「コーヒー豆」型になり、大きさも通常の倍ほどに大きくなるために、「エレファントビーン」と呼ばれる


この雌蕊が二股にならず、一つにする、または一方をなくさせることで、人工的にピーベリーを作ることはできないだろうか?

p,58
アラビカ種には完熟すると実が落ちやすくなる性質を活かし、気を揺らすことによって身を収穫しているが、未熟果の混入を確実には避けられず、結局は一粒ずつ選別しながら手摘みする方が、良質なコーヒー豆が採れる

未熟果だけを避けて落とすことはできないのか。かなりの結局の手間がかかっている。
成分検知?でも、マスプロダクトには勝てなさそう

p,73
収穫が一度に集中するコーヒーでは、水分が多くて痛みやすい果実を、いかに短時間で保存のきく生豆に精製できるかが効率化の鍵になります。

効率の良い生豆にする方法の研究?
精製法はいくらか見つかっている。

p,92
日本では世界で初めてのコーヒーカフェイン合成遺伝子を発見した奈良先端大の佐野浩教授らが遺伝子組み換えによる低カフェインコーヒーノキを作出するなどされている。

遺伝学から新しいコーヒーを作成している。この文献は漁りたい。
あと、脱カフェインする時に薬剤を使わないでいい方法も求められている

p,106
「苦味の美味しさ」が成立するためには
1、飲む人自身の経験や学習
2、社会的文化的な受容
3、ほどほどの苦味の強さ
4、苦味の種類や質感
という要因が関わってくると考えられる。

苦味の質感などはどう定義していくか。味覚と嗅覚、コーヒーの液体の粘性
、とかが考えられそう

p,113
我々がコーヒーを飲む時、一部は味蕾や口腔粘膜にとどまり、その後、粘膜の上をシート状に覆いながら流れる唾液によって洗い流されます。この現象は、唾液を移動層、口腔粘膜を固定層とする液体クロマトグラフィーに準えることが可能です。
各成分が口腔から消失する速度(口腔内クリアランス)は物質ごとに異なりm基本的に分子量が小さくて親水性が高い分子ほど速やかに流失すると考えられる

口溶けがスッキリだと、素早く流れるイメージで、なんか後に残るような感覚だと留まっているイメージ。分子量や親水性で異なる。

p,119
生産国では、生豆が精製途中で異常発酵を起こして不快な酸味を生じた欠点豆を「サワー・ビーン」と呼びます。しかし私たちが日常的に出会う「酸っぱいコーヒー」はこれとは違うもので、その多くは焙煎や抽出あとの「経時劣化」が原因です。最も多く見られる化学変化は焙煎後に生じるラクトン類が水分と反応して酸に変化する現象(ステイリング)です。

異常発酵の検知、見分け、むしろ異常発酵したものの豆をいいものに変える提案できるなど考える

酸敗で、焙煎豆に含まれる油脂の空気酸化で生成する低級脂肪酸によってpHが変化
油脂の空気酸化をコントロールできそう?

p,121
ヒトには400種類近い嗅覚受容体遺伝子が存在しており、一つの嗅細胞はそのうち一つの受容体だけを発現して、特定のニオイに特化します。

→鼻がいいと受容体が多い?多様?
コーヒー嗅盲がまれに見られるので、それを治す?(被験者がむずい)

コーヒーではカフェイン、タバコではニコチン、お酒ではエタノールが薬理活性の担い手です。どの成分もA10神経系で情報を伝える「快楽物質」ドーパミンの働きを促進しますが、作用メカニズムはそれぞれ異なります。カフェインでは、ドーパミンを受け取る神経細胞(ドーパミン作動性ニューロン)の働きを抑制するアデノシン受容体を抑制、「抑制の抑制」によってA10神経系を活性化して気分が高揚さえるのに加え、線条体のA9神経の活性化による覚醒作用や、大脳皮質全体にも興奮をもたらします。

じゃあ、薬理的にカフェインを再現しようとすれば、アデノシン受容体の抑制を行えば良さそう?

p,130
カフェインには苦味があり、その閾値は100mg/L(0.01%)前後で、コーヒーにはその10倍程度の濃度が含まれています、、、カフェイン全体の1-3割をカフェインがになっていると考えられています。

p,131
苦味の主役を探そう。最もコーヒーに近い苦味を示すのはクロロゲン酸の化合物でした。糖類の可燃物も苦いがコーヒーの苦味とは異なり、カフェー酸の可燃物は、エスプレッソに用いる深煎りのコーヒーに似た苦味と渋み(苦渋味)を示しました。クロロゲン酸とカフェー酸の可燃物からそれぞれ「クロロゲン酸ラクトン類CQL・ビニルカテコール・オリゴマーVCO」という新しい苦味物質のグループを発見し、これがコーヒーの苦味の中心を担うものだと報告した。

なるほど、ここら辺を適量合成すれば、コーヒーの苦味が再現できそう?
→感じたことのあるコーヒーの苦味が感じられる
+クロロゲン酸が等と反応して生じるフルフリルカテコール類を第3の苦味グループとして報告している

p,134
コーヒーの色を生み出す褐色色素群にも苦味がある。あのコーヒーの黒い液体の正体は「コーヒーメラノイジン」と総称される。焙煎の過程で生じる水溶性の褐色色素群です。(料理でできる焦げも正体はメラノイジンと呼ばれる高分子の褐色色素の混合物)。アミノ酸と糖類が加熱によって化学反応(メイラード反応または褐変反応)して生じる。、、、コーヒーメラノイジンは平均分子量や色調の違いからA(黒褐色、分子量:多)・B(赤褐色、分子量:中)・C(黄褐色、分子量:小)の3タイプに分けられC→B→Aの順で生じる。

これら以外の苦味成分がいい感じに調和しているから、みんなが感じている苦味が再現される

p,139
どれだけ多くてもほのかに香るだけの成分もあれば、中には微量でも強く匂う(ニオイの閾値の小さな)ものもある。1998年、ミュンヘン工科大のヴェルナー・グロシュ教授は、匂いの閾値が小さくて量が多いものほど、全体に与える影響が大きく重要な成分だと考え方に基づいている。
合計28種類の香り成分が重要だと結論づけた。→ちょっと甘ったるい感じ

一番コーヒーらしい香りの成分は2-フルフリルチオール(FFT)。
FFTは含硫化合物の一つ。、、硫黄原子は、植物や動物の生体内では大部分がシステインとメチオニンの2種類のアミノ酸として含まれていますFFTの硫黄原子以外の部分は酸素原子一つを含む、五員環になっていますが、しょ糖などの糖類の加熱時に生じる構造。つまり、FFTは含硫アミノ酸と糖類を加熱した時に生まれる香りの成分。、、、実はコーヒーの生豆では含硫アミノ酸の占める割合が非常に高くなっている
しかし、生豆のタンパク質の大部分を占める種子貯蔵タンパク質にも、含硫アミノ酸はほとんど含まれていません。その出所を突き止めたのはドレスデン工科大のエーバーハルト・ルートビッヒ教授。システインの割合が非常に高い、分子量4000-10000の小さなタンパク質(ペプチド)を数種類発見し、「コーヒーペプチド」と名付けました。
このペプチドは「システインプロテアーゼ阻害蛋白」というタンパク質の一種と考えられている。

2番目に香りへの寄与が大きい成分は、ピラジン類だと思われています。
アルキルピラジン類とメトキシピラジン類に大別されますが重要なのは、アルキルピラジン類です。アルキルピラジン類はアミノ酸と糖類によるメイラード反応によって生じる香りで、焦げやチョコレートの香りなどの本体。コーヒーらしい焙煎香がFFTとするなら他の食品とも共通する焙煎香がアルキルピラジン類と言える。

ここら辺の香り成分をコントロールすればコーヒーの匂いを出せる。
人間の鼻に香りを運ぶことできるんじゃない?コーヒーの
空間の一点に匂いを運ぶ研究あるかな

p,144
メトキシピラジン類には、ピーマンや生もじゃがいも、豆類などを思わせる青臭さや土臭さがあり、香りが大きく異なります。メトキシピラジン類は焙煎しても量はあまり変わらず、生豆のときは感じても、焙煎すると他の香りの影に隠れても立たなくなるのが普通ですが、ルワンダなどの中央アフリカのコーヒーにはこの匂いが非常に強い豆が混入することがあります。1−2粒混ざっただけでも、コーヒー全体に生のじゃがいものような異臭がつくことから「ポテト臭」と呼ばれており深刻な問題

ちなみに、見た目はほぼ一緒
このポテト臭に関する、論文や解決方法について、なんかないかなー

p,154
ケニア特有の含硫アミノ酸含量や有機酸素性の違いが何に由来するのかはよくわかっていません、ただケニアでコーヒーが栽培される地域は生産地として雨が少ない、独特の気候です。このため耐乾性に優れた独自の品種が栽培されており中でも、SL28やSL34というフレンチミッションブルボンから選抜育種されたものが最高品質だと言われています、、、中でも品質がいいのは、土壌の鉄分が非常に多いことだった

土壌や、気候によって成分が左右されるのは当たり前。これを再現するためには何が必要だろうか。天候をコントロールすれば良い?何がこんなに成分をよくしている?

p,155
モカの見た目からはとても想像できない気品漂う芳香と、優れた酸味やコクを併せ持ち、他に変わるものがない逸品として扱われてきました
この独特の芳香は「モカ香」と呼ばれ19世紀の文献によると、「気品があり、フルーツやワイン、スパイスのような発酵感を伴う香り」だとされている。、、、
モカ香の正体は、イエメンのモカマタリに発酵系の香りがあるジアセチルが多いことやエチオピアモカからラズベリー様の香気物質、ラズベリーケトンが見つかっていることが報告されている。
発酵豆と同様な匂いがあるが、発酵豆は欠点豆のこと、、、、

発酵を正しくコントロールできるなら、欠点豆は高級豆になるのかもしれない

  • 焙煎なしでのコーヒー豆の誕生?

  • 焙煎をもっと理解するためには?

  • 1ハゼからの2ハゼが早い理由は

    • 化学反応によるもの?


p,173
豆の膨らみ方や表面の皺の伸び、立ち上る匂いの変化、ハゼ音など、五感をフル活用しながら進行具合を見極めて判断するようです。

一般人がやるために必要なことは?電気刺激?AR?新規性?
五感ってどこを深く使おうかな

p,256
透過抽出はクロマトグラフィーならエスプレッソマシンはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)です。HPLCでは固定相にできるだけ細かい粒子を密に充填し、溶媒を高圧・高速で流すことによって理論段数が大きくなって、成分の分離能が向上します。

HPLCは、非常に精密な分離と分析を可能にするクロマトグラフィーの一種です。固定相(サンプルが通過する媒体)に非常に細かい粒子を高密度に充填し、溶媒(サンプルを溶かす液体)を高圧で固定相を通過させます。この高圧により、溶媒が高速で流れ、理論段数(分離能を示す指標の一つ)が高くなり、結果としてサンプル内の成分がより効率的に分離されます。

なるほどなるほど

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