嵐の映画はなぜ3300円なのかー文化芸術の経済学 ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”
1.嵐theムービーの無声応援回をDOLBYで見てきた
遅ればせながら「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」を見てきました。(ってタイトルくそ長いな。以降は嵐theムービーとします)
この映画なんと値段が3,300円。
DOLBYのを見たのでちょっと上乗せされ3600円。
おっさんが一人で見に行く勇気がなかったので、嵐好きでもない嫁を連れて見に行ったので見たので、2名分で7200円。
わあ、高え!
最後の加算は私の個人的な事情ですが、映画の固定額1800円に比べるとどうしても高い。
では、どうしてこんなに高いんでしょうか。
2.映画って1800円なんじゃないの?
映画の値段といえば、相場は1800円ですよね。どんな映画でも、どこにいっても同じ値段です。
似たものにあたるのが本の販売です。本は再販制度というのがあり、独占禁止法の関係で定価での販売が定められています。
映画館の統一料金も同じようなものかと思われがちですが、実は何か法的な根拠があるわけではありません。業界ルールってやつです。
今回の嵐theムービーのような倍近い料金設定が可能なのです。
3.実は3300円って、安いんじゃないか説
映画として考えると倍近い料金設定なので、一般的に考えたら高いですよね。
価格というのは、先入観によって決められます。
2000円と1980円の差は20円以上のように思いますし、
つまり、何と比較するかなんです。
映画でなく、オンラインライブと比較してみましょう。
あれ?なんか安く感じませんか?
まあ生配信ではないにしろ、映画館の映像と音響で見られると考えたら、3300円も高く感じないような気になりません?
ちなみに、当時の映画館で行ったライブビューイングの値段は
その時よりも1500円も安い!
でも挨拶もアンコールもカットされてることを考えるとちょっと微妙か?苦笑
4.なぜ通常の倍の価格なのか。松本潤の野望
ではなぜ3300円にしたのか考えてみましょう。
今回はすでにあるライブの映像化なので、映像の編集なので、このためにセットを組んだわけではありません。なので、普通に考えて費用的にはあまりかからないはず。
いってしまえば1800円でも十分もとはとれるはずです。
では、なぜ通常の倍近い料金かというと、それはジャニーズの掟と松本潤の野望です。
ジャニーズはいわずもがな、初登場1位をはじめとする話題性を重要視する事務所です。(そのからくりはまあ今回は省くとして)
なので、ジャニーズとしても、というかおそらく嵐のセルフプロデューサーの松本潤として今回の映像作品でも1位を狙っていきいわけです。
初登場1位はもちろん、年間1位もしっかり確保し、嵐ブランドを落としたくない。
「つか、休止中なのに年間1位ってすごくね?」
って言いたいし、メディアにも騒いでほしいし、ファンにも誇りに思ってもらいたい。
しかし、動員数で1位をとれるかは、ちょっと不安。オリコンと違って初動枚数でなく実人数が必要なので、「君の名は。」みたいなヒット作がきたらおそらく負けてしまう。
だったら、、、と考えたのが動員数1位でなく興行収入1位だと思われます。
倍近い料金でも観に来てくれるファンがいるので、そこを狙ったわけです。
できれば年の初めに公開したかったけど、コロナ禍がいつまで続くかというのと賞味期限の関係、今年映画でヒット作がないことから、年内公開にふみきったと思われます。
具体的に言うと、「シンエヴァ」の2/3の動員数で興行収入1位をとれる計算なので、松本潤の計算は正しいと思います。
年始には興行収入ランキング1位というニュースが駆け巡るでしょう。
5.結論。この映像作品は●●だ。
個人的には3300円の値段設定でも満足でした。
(というかDOLBYで3600円。なんなら嫁の分含め7200円だったけど😂)
満足な理由は、この映像はいわゆる「卒業アルバム」だからです。
どういう視点で言っているかというと、
ぼくは、嵐のLive映像化作品はおおよそ見ています。が、なぜか5X20は見ていませんでした。2020年末のオンライン配信で嵐の卒業式は終えたつもりでしたが、今回の映像を見るとなんだか卒業したあとに見る卒業アルバムのように思えます。
卒業アルバムって、値段じゃないじゃないですか。
みんなでライトをつけて応援する姿、あの時を懐かしむ一体感を味わいに劇場運びましょうよ。
「今から100万人、幸せにしてやるよ」
君の挨拶、脳内ではこう再生されたよ。
松本潤くんっ。