フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』 #15 弥次喜多 幸町店(沼津)
ハンバーグに付け合わせのにんじんのグラッセ、刺身のツマ、とんかつの隣にある千切りキャベツ。いわゆる脇役たちが美味しいと、このお店は当たりだと思う。
それに、親しみやすい店員さん、安定感を与えてくれる定食のメニュー、それを食べられる価格という3点セットが加わると、これはリピ確ですやん…と目を瞑りながら言いたくなる。
揚げ物や魚料理がよく出るということだったので、今日はこのお店でアウトローそうな「しょうが焼き」をチョイス。それに加えて、この店だから食べれるスパゲッティサラダも注文。わんぱく小僧のご飯みたいだ。
実は、先週も一緒に友人と訪れていたのだが、その友人も(時間があったので)来てくれてこのお店でのエピソードを教えてくれたり、目の前で料理を準備している店員さんと談笑をしていると、目の前からしょうが焼き登場。
写真越しに伝わってくる、しょうが焼きの美味しそうな見た目。キャベツと生姜焼きのタレの相性がよく、キャベツが早々になくなってしまう魔法の一皿。それを見かねた店員のお兄さんが静かに皿へキャベツを乗せ、こちらに寄越してくれた。山盛りのキャベツオンリー、新鮮な光景だ。
そして、スパゲッティサラダ。ハムときゅうりとパスタ、マヨネーズで和えるシンプルな味だけど、これが本当に美味しい。ご飯大盛りは罪悪感が芽生えるけど、このスパゲッティサラダならいいかな…と自分に甘えたくなってしまう一皿。沼にハマりそうだ。
定食屋のラインナップを見ると、リピートするというよりも、一通り全部食べてみたいという衝動に駆られる。あじフライ定食、かにコロッケ、いかフライ、しょうが焼き。さらには、一品料理のしめイワシ。ここまで5メニュー制覇、全制覇するまでどれぐらいかかるのだろう、ワクワクが止まらない。
自分が食べたいものを食べること、自分が喜ぶ料理を作ることも幸せだが、誰かと食べるご飯、いろんな料理が並べられたテーブルは、笑顔になれる。
さ、次はどんな料理がテーブルを埋め尽くすのだろう。どんな光景になったとしても、この挨拶で終わるだろう。
ごちそうさまでした。
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