一人一人オリジナルの人生だから、まとめることの葛藤を抱えて。|人生百貨店の裏側で。
「どうも、こんばんはジョージ・クルーニーです」とか、
「はじめまして、高田文夫です」といった挨拶ボケを使いこなしながらグッと前のめりにさせる高田純次のように、初対面でも話しやすい雰囲気を作れるのは、一種の才能だと思う。
(第4回公開までの)人生百貨店では、
ぼくが「静岡在住 家業持ちの大庭 周です」というキャッチフレーズ、同じくMCのみどりちゃんが「岩手出身のフリーアナウンサー、みどりーぬこと江川 みどりです」というキャッチフレーズを採用しているが、今回ゲストで迎えた生き方編集者の山中 康司さんは、ぼくたちのキャッチフレーズを面白がってくれて、ジェーン・スーさんの「人生の酸いも甘いもつまみ食い」というキャッチフレーズを引っ張り出したり、自身も「埼玉出身 ネギ畑育ち、生き方編集者の山中 康司です」といった挨拶をしてくれた。たとえ初対面だったとしても、最初の挨拶で一気にその後の時間が変わる。挨拶とか、つかみの重要性を感じた瞬間だった。
ということで、山中 康司さんをゲストに迎えた人生百貨店(第5夜)の裏側noteをぼちぼち書いていきます。
康司さんが投稿してくれているように、インタビュアーやライター、メンタルトレーナーなどの話を聴く側になる人って、自分の話を聴いてもらったり、言語化することって少ないんじゃないか。でも、いろんな話を聴き続けてきたからこそ、独特の世界観や考え、言葉に出会えるのではないか。そんな淡い期待を持ちながら、康司さんの人生に触れてみたくて、今回ラジオのオファーをさせてもらいました。
とても印象的だったのは、人と接するのが怖いと感じ、就活が出来なかったり、大学卒業してすぐに働けなかったときのキャリアカウンセラーの方から、「その経験をしたからこそ、出来ることがあるのではないか」という言葉。康司さんの話からすると、雷に打たれたような感覚だったんだろうなと思うし、でも本当にその通りだなって思う。
(少なくとも)自分と関わりのある人の中で、全く同じ経験をしてきた人はいないと思うし、もし同じ経験をしたとしても、時期だったり、脳内で考えていることや心の中で思っていることは違うはず。でも、近しい経験・境遇を歩んできた人の言葉って、心にスッと入ってくる。それはまるで、寒いときに(寒いと感じているだろうと見透かされて)飲んだ温かな飲み物が、心の奥に染み渡るように。
自分は唯一無二という話でいくと、
いろんなものの掛け算で自分は表される。仕事のスキル(資格・経験)的にいえば、簿記3級を持っていたり、フォークリフトの免許を持っていたり、これまで働いていた3社で共通して、営業やライターという形で初対面の人との関係性づくりを経験したりと、これだけでも3つの掛け算が出来上がる。それにプライベートの経験、キャリアなどを掛け合わせていくと、自分と全く同じ人なんていないのだ。一部分だけを見れば、似ていることはあるかもしれないけど。
だからこそなのだろうか。
自分の人生もそうだけど、誰かの人生を語る上で、
簡単にまとめることはできないし、逆に全部を語ろうとすると時間がどれだけあっても足りない。康司さんが話していたように、ライターのような記事をまとめる側の人は、「誰かの人生をまとめる上での抵抗」を感じないといけないし、経験や葛藤などいろんなものが絡み合っているのが人生だから、分かりやすく読みやすいようにというのがライターの鉄則がありながらも、キラキラした部分だけを切り取ればいいわけでもなく、泥臭い部分をまとめればいいわけでもない。その人自身が伝わるために、切り捨ててはいけないところは何かを見極めないといけない。そのために目の前にいる人ときちんと向き合うことが大事なんじゃないか。そう感じました。
あとは、この人生百貨店が生まれたのも、ソーシャルやローカル(地域)に興味を持てたのも、7年前の乙武 洋匡さんの勉強会「乙武社会塾」がすべてのはじまりだった。あの日、高校の先輩である蒔苗さんの誘いを断っていたら、今自分は何をしているのか分からないし、自分なりの生き方を歩めていなかったかもしれない。そう思うと全ての出会いに感謝だし、ターニングポイントだったと思える出来事が、こんなにもくっきりと分かるのもないんじゃないかと思えた。
ここからは生き方を、時にあそびながら、ちょっと真面目に考えながら、探究していきたいし、それを自分一人ではなくて、大切な人だったり、さまざまなところに住んでいる友人・自分のことを可愛がってくれる人たちと一緒に考えたいな。自分の人生というドラマに、いろんな登場人物が出てくる方がぼくに合っている。今回の人生百貨店の話を聴きながら、そんなことを裏側で感じていました。
パーソナリティを一緒にしているみどりちゃんの自己紹介記事がステキに仕上がっているので、人生百貨店の裏側にも掲載します。
それでは、次回の裏話もお楽しみに。(おたより大募集中です)