晴れ渡るだけが夜明けじゃない
日食なつこ/少年少女ではなくなった
"鍵の開け方の分からない夢があったんだ"
これはあくまで僕の解釈です。
この曲のテーマを要約して先に話すと、少年少女ではなくなった=「もう子供じゃなくなった、大人になるということの現実や社会の厳しさを知った」ということ。これを言い換えて表しているタイトルになっていると思います。
歌い出しからサビに向かうにつれて、聴く人にジワリジワリとこのテーマを感じさせる演出になっていて、このジワリジワリを演出しているのが優しさを纏いながらも、ある種まわりくどい日食なつこらしい言い回し。彼女自身の自虐をもって慰めてくる共感と、その自虐が聞く側の痛いところを突いてくるまさに飴と鞭のような歌詞。そしてサビに辿り着く頃にはこの曲のメッセージ受け止める準備が万全になってしまっていて、漠然と抱えていたモヤモヤを言葉にしてもらえたような感覚に陥りました。
この曲を初めて聴いた時は本当に感動した。ちょっと泣きながら聴いた時もありました。僕と同じ1991年生まれのアーティストなので余計に響いたのかもしれません。うまく言葉に出来ないけれど多くの人が抱えているような感情を、言葉にして共感をさらう曲は聴く人に感動を与える。
ここまで説明してしまうと、僕がグッときたのは「歌い出しではなくその後に続く歌詞じゃないか」と感じる人もいると思う。けどハッキリはしないが歌い出した時点でなんとなく伝わってくることってあると僕は思うんです。
「少年少女ではなくなった」というタイトルを見て曲を再生する。そしてピアノのイントロから始まり、“鍵の開け方の分からない夢があったんだ”というフレーズが耳に入ってくる。この流れだけで曲のタイトルで何となく感じていた「印象」と、いわゆる大人になるということを過去に実感したときの「記憶」、このふたつが歌い出しだけで自覚出来ないレベルで紐付けさせられた。だから歌い出しだけで引き込まれたんだと思っています。名曲です。
是非聞いてみてください。
最後まで読んでいただき有難うございました!
〜筆者プロフィール〜
Gacchi(ガッチ)
1991年生まれ。吉祥寺を中心に活動するシンガー
日々の中で感じる”なんとなくいい”瞬間を聴き取りやすいラップと
思わず口ずさみたくなるメロディーで発信中
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