被爆77年。3年ぶりの「1本のいのちの下で 2022」を広島で開催しました。
被爆77年の2022年。新型コロナウイルスによる行動制限がない3年ぶりの「1本のいのちの下で」を開催しました。
この企画は、8/6-8/7の広島で、爆心地から最も近い370mで被爆した1本のシダレヤナギの下に集まり、「今」について表現し、それを感じ、語り合おうという企画です。
2017年に1回目を行い、2018年より広島市青少年センターと連携し、4回目になる企画で、2020年、21年は新型コロナウイルスによる影響で企画は中止。3年ぶりの開催となりました。
2022年のシダレヤナギは枝葉をたくさん伸ばし、生き生きと大きくなっていました。
プログラムは8/6の8:15の「浅見俊哉:作品公開制作」から始まります。
太陽光で直接感光紙に焼き付ける手法(フォトグラム)で被爆樹木の「今」の時間を記録しています。
この企画に集まった表現者たちがこの時間ならではの表現を行います。
今回参加したアーティストは、浅見俊哉、青木裕志、Life Garden、齊藤瑠璃(Wmikaとのコラボも)、浅野堅一、祐源紘史、6組です。
8/6、8/7、広島市青少年センターのロビーに作品展示を行いました。
また今年は、被爆樹木のある河川敷、行き交う人たちにも作品を展開しました。過去に撮影された被爆樹木の影と現在の様子が風によって移り変わります。
また、青少年センターの入り口には、浅見が広島での制作10年の節目にあたり、これまでの活動のアーカイブの展示も行いました。
8/6・8/7に、「影をつかまえる」フォトグラムのワークショップを行いました。ポストカードサイズの感光紙に自分のたいせつなものと被爆樹木の下でみつけたものを組み合わせて作品を制作します。
ワークショップを通して、参加者の一人ひとりの目と感じ方で制作し、「今」の時間を共有します。
2日間を通して、のべ50名の方と様々な企画の時間を通して交流を持つことができました。抽象的になっていってしまう「過去」の出来事に対して、主体的で自分のこととしてリアリティを持ち続けていく大切さを改めて実感した時間となりました。ご参加いただいた皆様、連携し企画を実施していただいた広島市青少年センターの皆様に厚く御礼申し上げます。
写真提供:AOKI.Hiroshi
●企画詳細
●企画概要
あなたは被爆樹木を知っていますか?被爆樹木とは1945年8月6日8:15に落とされた原爆によってダメージを受け、今も、生き続けている樹木です。この企画は、この被爆樹木をもっと多くの人に知ってもらい、「今」について考える機会をつくりたいと企画しました。2020・2021年は新型コロナウイルスの影響で企画を立案するも、実施できませんでしたが、2022年は、広島市青少年センターと連携し、4回目の開催となります。
この企画の代表を務める浅見は2012年、被爆樹木に出会い、毎年変化する「被爆樹木の生きている時間」を感光紙に焼き付ける作品『呼吸する影-被爆樹木のフォトグラム-』を制作しています。その中で、1年に1枚、8/6 8:15に撮影する特別な作品があります。爆心地から最も近い370mで被爆した「シダレヤナギ」の撮影です。この作品制作を公開する他、企画趣旨に賛同し集まったアーティストが作品展示やワークショップ、ライブパフォーマンスを、新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながら臨機応変に行います。さらにオンラインでの配信を通して、同じ時間を共有する取り組みも実施します。ぜひ被爆樹木と私たちに会いに来てください。木の下で語らいましょう。
●開催場所 Venue
被爆樹木シダレヤナギの下
広島県広島市中区基町14 (爆心地から370m)
広島市青少年センター1Fロビー他
広島県広島市中区基町5番61号
●関連リンク
・「1本のいのちの下で 2022」ご案内
・公式ウェブサイト
・プロジェクトのコンセプトについて
⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター