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24 6/3 情熱とは何か

Twitterにも書いたのだけれど、

全盛期に情熱も戻りつつあるのを感じる。
先週は台湾で暑い中、しかも早朝の便で行って深夜に帰るような強行スケジュールで5日くらい撮影をしたんだけど、終始元気で自分でもびっくりした(笑)
こんなに元気だったのは、いつぶりだろう、、、最近は撮影は好きだし楽しいこともあるけど、心身ともに辛いこともちょっと多い時期が長かった気がする。
それもあって、仕事を会社の中でも後輩に任せられるようにしたりして、減らしていくフェーズをずっと経ていた。
ただ、結局のところ、自分は単純に写真を撮ったり、映像を作ったりすることがとても好きで、特に仲間と一緒にそれをしている時が最高に楽しくて、そこに情熱をかけられている時が一番幸せなんだなと痛感している。
それに比べれば、その他の趣味や生活とかって、割とどうでもいいのだなと。

ちょうど今読んでいるこの本。

ゴキブリというほとんどの人が好きじゃないんじゃないかと思う対象に、本当に情熱を持って研究されている大崎さんの話がとても面白い。
もちろん、家に出てくるゴキとは全然違う種類のゴキ(クチキゴキブリ)を研究されていて、そのゴキは離婚もしないで子育ても一緒にやる、卵胎生(というのもこの本で初めて知ったけど)のゴキで、本を読んでいるうちにだんだん可愛く覚えてくるような感じなのだけれどもw
単純に研究対象の話も興味深く面白い(彼らは交尾の前後でお互いの翅を食べ合う習性があり、それを研究されている)が、この本を読んで感動するのは、幼い頃からずっと同じ対象に情熱を燃やし続けている人の好奇心と、行動力と、探究心に心打たれる。

生きている虫を見ているのが、この世の何より面白い。時間を忘れる。 時間だけではない。何もかも忘れて見入っている。 人間の生活さえ忘れているので、三度の飯も忘れる。これぞ日常茶飯事。

ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

自分もこうありたい!と思って羨ましく思ってしまうような、そんな話が満載で、すごく楽しく読ませてもらっている。
そして、研究生活を経て得た色々な知見は、非常に自分の活動の参考にもなる。

人は、なんだか分からなくても楽しそうに話している人を見れば、内容も面白そうと錯覚するものだ。私はこれを、大学の講義で何度も経験した。

ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

これなんかまさに、現場でのディレクションとか、プレゼンに通じるのではないか。

こうして日々彼らを観察することは、はたから見れば遊んでいるように見えるかもしれない。いや、たしかに遊んでいる。しかし、この遊びこそが研究に重要なのである。 毎日見ていると、彼らの日常が非言語的に分かってくる。歩き方、体の色、感触、人間の手を押し返す力、脚の棘の鋭さ。なんの目的もなく眺めたり触ったりしているときこそ、こういう 些細な点に気づくことができる。そして、それがちょっとした考え方の変化や謎を解明するヒントにつながるのだ。

ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

これも映画や写真を見続けていることの意味みたいなのに通じてるな、と思った。毎日同じものを見たり違うものを見たりと様々だけど、やはり作り手の力は、見ることで養われていると思っている、それも意識的に見ることで。

研究対象が違うからといって参考にならないと決めつけるのは非常にもったいない。というか、むしろ、別の生き物を扱った話にこそ、研究のヒントが転がっていることが多い。この洞察は今の研究生活にも役立っている。

ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

まさに、この本なんかは直接的にクリエイティブの本では全然ないけど、だからこそ、色々な示唆をもらえるなと感じてる。
語り口もとてもライトで面白い本なので、ぜひ一読をお勧めします!
(ちなみに僕はゴキブリが死ぬほど嫌いですが、本を読んでちょっと好きになった・・・かも?w)

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