地域の魅力を支えられる仕組みづくり
起業後初めてのピンチ
新型コロナウイルスの影響で2020年の春頃から多くの企業が危機に陥りました。例に漏れず、というかどこの業界よりも大打撃を受けたのが僕がいるインバウンド業界です。外国人旅行者を相手にするビジネスなので、外国人が入国できなくなればビジネスは成り立ちません。
4月にはほとんどの売上がなくなり売上が前年比90%減となりました。
そんな大ピンチの時に考えたのは売上がない状態で会社がどれくらい生き残れるかということと新たな売上をつくるための挑戦についてです。
どんなに早くてもインバウンドが戻ってくるのは2021年春。
何もしなければ会社は倒産してしまいます。
そんな中でYouTubeやオンライン講座、オンラインツアーなどウィズコロナ時代にできる新しい挑戦を立て続けに始めました。
毎日届く「助けて」という声
僕の挑戦は常に情報発信とセットです。
TwitterやFacebookで挑戦を発信していたのですが、それと同時にやってきたのが助けを求める連絡です。
僕は常にポジティブでピンチには逆にアドレナリンが出てしまうタイプなので僕自信がピンチってことが伝わっていなかったのか多くの友人知人から連絡がきました。
会社には社員もいますので自分の会社のことも考えながら、自分のできる範囲で他の会社や人たちのことをできる限りサポートしました。
自分のことになるとそんな頑張らないタイプですが、人のためになるとやる気がでるタイプなんですね。
ということで、さまざまなサポートを行ったのですが、クラウドファンディングの支援をして欲しいという連絡もたくさん頂きました。
売上がない中でどうかと思うのですが、大切な友人・知人からの依頼は全て支援しました。
ビジネスとも絡めて支援する
新型コロナの影響は渋谷という街にとっても厳しい戦いでした。
4月頃から普段人が集まる渋谷のような町から人は消えました。
渋谷の常連のお店がどんどん潰れていくのを目の当たりにしました。
学生時代から渋谷で過ごし、渋谷区に住み、渋谷の観光を仕事にしている僕にとってはとても辛い状況でした。
僕が渋谷で一番の魅力的な場所だと感じている「渋谷のんべい横丁」も危機だということを横丁でお店をやられている店主の方のFacebookで知りました。そこにはクラウドファンディングのリンクも貼り付けてあります。
すぐにリンクを開きました。
自分の会社も危機の中で支援ばかりしていて良いのかと感じましたが、のんべい横丁がなくなったら渋谷の魅力は失われてしまう。
僕が毎週飲んでいる場所でもあり、僕らのツアーコースにも入っています。
クラファンのページを見ていると、とあるリターンが目に入ってきました。
【永遠にその名を刻もう!】
横丁にあなたのお名前を永遠に刻印!
30,000円
これに支援すると金属銘板に「横丁の支援者」として永遠にお名前が刻まれるというのです。
ここで経営者としての自分は考えました。
「支援をすると一生のんべい横丁に名前を刻むことができる。サービス名を入れれば一種の宣伝にもなるし、話のネタにもなる。僕個人や会社名ではなくJapan Local Buddyというサービス名を入れることで会員さんが来る理由ができて横丁に人が増える。皆にとってプラスじゃないか。すぐに支援しよう」
プライベートな自分とビジネスマンである自分の意見が合致して、すぐに支援ボタンを押しました。
ただ支援するだけだとすぐに限界がきますが、ビジネスに絡めることで支援を続けることができたり、大きな支援ができる。
10月には僕らのメインサービスである「Japan Local Buddy」という名前が刻まれました。
町の魅力を守り発信していく
今僕らは日本人向けのツアーも展開していますが、毎日のように「のんべい横丁」を案内しています。
僕らツアーガイドが紹介することで、一見入りづらいお店も入店するハードルが下がります。
実際にツアー後にのんべい横丁に行ってくれる方も少なくなく、微力ながらのんべい横丁にも貢献できるようになってきたかなと思います。
今後も町の仲介人として地域の魅力を案内しつつ、皆がピンチの時に頼りになる人間になれるよう力をつけていこうと思います。