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【狂犬ツアー振り返り。観光を再定義しよう! かわいい子には旅をさせろのリアル⑤】日々の雑感 day76

既に月末。約一ヶ月を経てになりますが、6月3日・熊本県山鹿市で開催された「狂犬ツアー@山鹿」での振り返りをしていきたいと思います。山鹿清流荘の平井社長ご尽力による宿泊施設の貸し切りからの二次会「狂犬の夕べ」。温泉入浴時間もあわせて融通を利かせて頂くという、まあこれでもか!と魅力満載の時間でした。

☆アフター。この2022年という機会

僕らしくメンタル。心理ベースの視点で行くと、2022~2025年は一つのチャンスなんですよね。

この国の政策を作ってきた方々は、ずっと世界という視点からの現実を受け入れてこなかった。目を背けてきました。経済成長を続ける世界の中で、ほぼ唯一の停滞、後退国家になっても「日本は世界2位!」みたいな幻想を前提にして、それを正当化する為の嘘に嘘を重ねていく。

30年もそんなことやってたら、今になって認めたり、謝ったりなんてもはや出来ないわけです。

けれど、この2年以上の間、世界は特殊な状況下に置かれました。その有事でも諸対応を誤って、またこの国だけが「国民にお金がない」状態でインフレを迎える。いわゆるスタフグレーションがちらつき、そこでまた馬鹿みたいにデフレに戻そうというおかしな集団も出てくるわけです。

ですので、私たちはもはや先進国と呼ぶのもギリギリ及第点レベル。いつ赤点になり、転落し、後進国になってもおかしくない現実を受け入れるところから始めなければいけません。そして、円安の現実も受け入れながら、経済を回復していく必要があります。清貧に耐えるという日本人像は、現実的ではありません。衣食足りて礼節をしるというこのラインを維持していくことは、国として、行政が最低限守り抜かなければいけない一線である筈です。

さて、生産年齢人口が少ないので、これまでのように製造業に投資をしても働く人がいません。その働く人をまたより発展していない国から連れてきて賃金をおさえていけば、またデフレでこの国の人は貧しくなっていく。相対的貧困が加速する繰り返しです。いつまでもトヨタさえ・じゃないんです。

この視点からも「観光」という産業の再定義に希望が見い出せます。私たちは自分たちの立ち位置を受け入れるのであれば、「観光」という産業が持つポテンシャルに誰でも気づくことが出来る筈です。

☆インパクト大だった上天草エリアマネジメント

その意味でも今回最大の収穫というか、リアルで瀬崎社長にお会いできたことは本当に良かったと今も感じています。秋が深まって、お魚の脂が乗り始めてきた頃には上天草に訪れたいと固く思っておりますが、本当に素晴らしいエリアマネジメントの実践だと感じましたし、そんな会社には20代、30代ばかりが働いているというリアルもまた、若者がいない、若者がやる気ないとか他責している面々はまず受け入れることが必要な現実と思いました。

詳しくはご本人の記事をいろいろ参照して頂きたいのですが、もうすっとばすと利回りの良さやシナジー効果とか、もうマーケティングのお手本のように上天草が変化してきていて、世界的特殊状況とかも関係ないかのような成長をみせて、小さなブランドになろうとしているわけです。

僕はかねがね「観光」の本質の一つに「地域ポテンシャルの発揮」があると言っているわけですが、見事に上天草というエリアのポテンシャルを引き出してこられたなと思います。まさに素材を活かすも殺すも料理人次第というところ。

そしてこうした挑戦を見るにつけ、正直これからの「観光」で行政はお金と権限を手放すか、でなければ責任を伴ってコラボする覚悟を示す必要があると考えています。いつまでも名前だけ共催とか協賛にいれて、お金は出さない、人も出さない、うまくいったら「あれ俺だから」というやり方はいかんわけですよ。

民間基準で見たら、観光協会とか観光部署とかで本当に効果的なPRや関係性を構築できているところなんてほぼないわけで、そこに毎年税金使って「効果」とか「生産性」とか見たとき、国民にとって本当に必要ですか?って話です。結局、これまでの日本の観光が「安くたくさん」になったのも、この行政の観光に関するKPIや指標が「数」しかないからじゃないですか。

うちの高遠エリアの桜だって9年前に僕が来なければ、観光バスで来る客の消費が一人500円くらいなんて数字は表に出てこなかったかもしれないし、実際に僕が「500円×1万人より1万円×500人」というアンチテーゼをだして、実際に1万円を使う人を連れてきて信毎さんが密着して記事になり、実証してもまだ人数にこだわった。そんな背景こそが、この国全体を覆ってきた古い観光の姿なわけです。

☆今なら「仕方ない」と言えるから

それで、いろいろ自己正当化してきて自分を守らなきゃいけない。大嫌いな「責任」からも逃げたい。そこも含めて、今ならしれっと変われるんじゃないですかということです。だってね、今なら世界中が巻き込まれた特殊状況だから仕方なかったんだって言い訳出来るし、していいですよと言いたい。それでこの国が前向きに進めるならそれでもいいんじゃないかなとも思います。

ただし、この機を逃さずに変化を受け入れること。
地域のポテンシャルを信じて、挑戦する人を支え、応援する。もちろん手を貸す、お金を出す、権限や資産を出すといった様々な方法で実際に現場に関わりましょう。新しいスタートやりましょうと。そんな意識と行動の変化をしてほしいなと思ってやまないわけです。

2025年には団塊世代がいよいよ全員75歳をこえていくまた新たなステージが来ることがわかっている(今回の参院選はその意味でも本当は重要)わけです。子や孫の為に未来を残すことに人生を使うのか、子や孫から奪い続ける人生を送り、国そのものも衰退、崩壊させていくのか。問われているところだと思いますし、子や孫の働く産業として「観光」というカテゴリーにこそ今投資をする。いや、しなければやばい!とすら考えています。


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さいさんの地方創生Diary 「現場とFACTが示す選択肢とは?」
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