【闇バイトへ向かうルート】

警察も啓発活動を積極的に行なっているのに、これほど闇バイトに加担する者が減らないのはなぜか。

逮捕者の動機で多いのが以下の2つです。

・生活苦や遊ぶお金が欲しかったから
・借金を返したかったから

私はこの2つの動機の根っこには「経済的不況」が原因としてあると考えています。

1つ目に関しては別の投稿で解説したので割愛。
  
2つ目の「借金を返したかったから」

これに関して今回はガッツリとお話していきます。

ニュース記事に書かれている動機を見ると

「ギャンブル(やホスト、ショッピング)で借金があった」

というのが多くありました。

借金と聞くと

「ギャンブル(やホスト、ショッピング)で作った」

というイメージがありますが、私はそれだけではないのではないか、というのが私の考え。

こんな事件があったのを覚えていないでしょうか。
  ↓
107人逮捕のSNS投資詐欺組織 供述で浮かぶ「ホワイト」な実態

https://www.asahi.com/articles/ASSCL2DN7SCLPTIL00JM.html%0A%0A

逮捕者の多くは20代から30代のようです。

ターゲットは主に主婦で、商材はバイナリーオプションのシステム(偽物)。

107人も逮捕者が出たので、ひたすらターゲットになりうる人に手当たり次第にアプローチしていたのでしょう。

実は私の公式LINEでも別件ですが相談が来たことがありました。

「マッチングアプリで会った女性に100万円以上する物販スクールを売られたんですが大丈夫でしょうか」

話を聞くと「アウトーーーー!」という内容でした。

実はローンを組めるようになった18歳から30代前半までをターゲットにした起業塾(副業)詐欺や投資詐欺は多数存在しています。

起業塾(副業)詐欺の大体の相場は30万円から150万円

投資詐欺は搾り取れるだけ(1000万円までは聞いたことがあります)。

起業塾系は高い金額を払ったのにまともなサービスが提供されず、数ヶ月も放置されたりもし、結局は稼げずに借金だけが残る場合が多いのです。

「残った借金を返済するために稼がないと・・・。何かいい案件を見つけないと・・・」

と切羽詰まっている時に「誰でも簡単・ホワイト案件・高収入」という文字を見つけたら飛びついてしまうのではないでしょうか。

「犯罪だとわかっていても騙されて作った借金をなんとか返さないといけない・・・。やるしかない・・・」

となってもおかしくはありません。

実際にR6年の「消費者白書」のデータを見ると、2023年のSNS関連の消費者相談件数は過去最多となっています。


2019年 25,119件
2020年 40,495件
2021年 50,909件
2022年 61,148件
2023年 80,404件  

被害の内容は年齢ごとに異なっており、

10代〜20代は美容サービス(脱毛エステなど)や副業勧誘

30代〜40代は投資詐欺(FXや暗号資産)、個人間取引トラブル

50代〜60代は高額な投資詐欺

70代〜は個人間取引トラブル、個人情報流出からの不正利用

となっています。

80,404件のうち「副業勧誘」の相談件数は12,726件。

「副業勧誘」の詐欺師たちのターゲットは10代〜20代の若者です。

この「副業勧誘」により作ってしまった借金を返済するために闇バイトに引っかかってしまった。

つまり

経済的不況
 →「個人で稼げるようにならないと!」
 →副業勧誘や投資詐欺で多額の借金
 →借金を返すために高収入案件に応募
 →闇バイトで特殊詐欺や強盗に加担
 →逮捕され罰則(懲役)を受ける
 →釈放後、前科のせいで上手く社会復帰できない
 →再犯、逮捕、懲役

という暗黒のルートができているのではないか、というのが私の考え。

実際どうなのかは分かりません。

しかしこの予想はありうるのではないでしょうか。

根本の経済的不況が改善されないと、その暗黒ルートはなくならず、取り締まりを強化しても形を変えて残り続けるでしょう。

では。

公式LINE登録者限定で、ある解説動画をプレゼントしています。

実際に遭った事件をもとに

・どうにかして防ぐ手段はなかったのか
・どのようにしたら被害を最小限にできたのか
・どのように対処した方がよかったのか

それに対して元警察官の私がガッツリと事件の解説をしました。

犯罪の事件解説は、重要な事柄がセンシティブな内容として規制されることがあるため、公式LINEで発信しています。

↓解説する事件

京都で発生した女子高生強盗致傷事件。

↓元記事(2024/11/26の記事)
自転車に乗った女子高生を転倒させカバン奪い胸や腹を殴るなどの暴行した韓国籍の男性を逮捕

いいなと思ったら応援しよう!