白石島レポ2 〜星降るサウナ/海ほたる光る小宇宙〜
夜空には2つの種類がある。
都会の光に遮られてまばらにしか星が見えない夜空と、宇宙にあるあらゆる恒星の光を目視でほとんど捉えることができるほど透き通った満点の夜空。
白石島の夜空はというと、言うまでもない。
都会に住んでいると、こんなにも輝かしい満点の星空など、すっかり忘れていた。というかほとんど見たことがなかったかもしれない。幼き頃に北海道旅行で見た深夜の夜空の記憶と、もしくは絵本の世界かプラネタリウムくらいでしか見たことがないような星空の景色が、今自分の目の前にあった。
深夜のもう日付が回った頃、友人が作ったサウナに向かう。昼間は海水浴場となっている場所を少し奥に進んだ辺りの砂浜にそれは佇んている。ようやく3、4人が入れるくらいの、コンパクトなサウナだ。
こんな時間ということもあり、他には人も車も一切いない。虫の鳴き声と静かな波の音だけが聞こえる。
サウナ好きなら誰もが確実に唸るであろうが、熱源は薪ストーブだ。薪ストーブから創り出されるあの温かく柔らかい熱は、どんなに頑張っても薪ストーブでしか創り出すことができない。
薪ストーブならではの、燃える木がパチパチという音をたてるのが最高にたまらない。もちろんストーンに水をかけてセルフロウリュもできるという、この上ない本格セッティングだ。ジュワーという音と、ぐわっと高まる湿度、同時に檜の香りが室内に充満する。
10分ほど汗を流し、さて水風呂はというと、もちろん目の前にある海全てが水風呂!!
サウナから海の水風呂に走ってダイブ。一度はやってみたかったことが叶ってしまった。
海の水風呂を貸切。こんな贅沢して良いのだろうか?そんなに私は人生に徳を積んできただろうかと罪悪感すら抱いてしまうほどだ。
そして感動はそれだけではない・・・
自分の周りでかすかに、でもはっきりと海の中が青く光る。
海ほたるだ。
海の中で手足で水をかくと、かいた部分が帯状にほわぁっと青く輝く。海ほたるはどうやら刺激を受けるとより青く光るらしい。
まるで魔法使いになった気分だ。こんなのはしゃがないわけがない。
空には満点の夜空、海には青く広がる小宇宙。
その時の記憶は、今思い返してもまるで夢だったのではないかと思えてくるほど、美しく幻想的なものだった。
海ほたると海に浮かびながら星空を見上げ、自分が今この上なく特別な体験をしていることに言葉が出なかった。
海ほたるは1年中見られるわけでもないようだ。時期的には今回訪れた10月頭は結構ギリギリな時期だという。
こんな貴重か経験をさせていただいたことに感謝しかない。
〜続く〜
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