『ハングオーバー』を観て思い出したこと
学生時代、ハチャメチャな先輩たちに囲まれて過ごすことができました。
なので、『ハングオーバー』の登場人物たちのように記憶がないことは当たり前です。
ただし、飲んでからのことなんて武勇伝でも何でもありませんし、いろいろ書いてオリンピックの役員を降ろされても困ります。
すみません。見栄を張ってみました。
役員でも何でもありません。
月に200万円とかもらっていません。
これは、しらふで記憶している話です。
或る日、学館で学友と話をしていると、右翼の先輩が怒鳴り込んできました。
「おい、Uはいるか?」
「いませんけど、どうかしましたか」
「どうしたも、こうしたもあるか。この頭見てみろ」
よく見ると、坊主頭に薄っすらとモヒカンが残っています。
話を聞いてみると、こういうことでした。
Uというのは私の同級生で、1年の春の大学野球の時に初代モヒカンをやった男です。
以来、モヒカンは某サークルで代々受け継がれる行事になっています。
先輩は、床屋に行って
「クーテーカット」
と注文したそうです。
すると、床屋の親父は。
「そうかー、もうすぐ大学野球が始まるもんね」
とワケの分からないことを言って切り始めたそうなんです。
先輩はうとうと眠ってしまって、
「はい、できたよ」
と声をかけられて目覚めました。
ど近眼なので、メガネをかけて確認しますと。
鏡にモヒカン刈りの男が映っていたいたそうです。
「何だこりゃー!」
当然、先輩は怒ります。
硬派は硬派ですけど、モヒカン族とは種類の違う硬派です。
床屋の親父を怒鳴りつけ、丸刈りにさせたそうなんですけど、
不思議なことに、
薄っすらと、モヒカンが残っていました。
別にUが悪いわけでもなく、おとがめはなかったみたいで、
強いて悪いと言えば、クーテーカットをモヒカン刈りと解釈した床屋のおじさんと腕前でしょうが、
笑い話を残した功績は大きいと思います。
この先輩は、豪放磊落のきわみみたいな方で、とても尊敬しております。
或る日、先輩が、まずくて有名な 稲〇のタンメンを食べていると、大きなゴキブリが入っていました。
文句を言おうと思いましたが、客が多かったので客が減ってからにしようとめずらしく気をつかったそうなんです。
そして、気づいたら、
汁まで全部飲み干していました。
「これじゃ文句言えないじゃないか」
と憤慨していました。
自分にです。
そんな彼は、いま中央区で弁護士をしていらっしゃいます。
正義感の強い男です。
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