「つながり」は「愛着」と「煩わしさ」を同時に生成する。
(出典:「孤独なボウリング」より)
ソーシャルキャピタルで学んだのですが、
「地域活動への参加頻度によって、生活満足度(幸福度)は、
ある一定レベルまで上がるが、その後は減少していく。」
というものがあります。
図は1900年代後半あたりのアメリカのデータです。
(詳細は本にも載っておらず)
大体年間30回、2週間に1回程度であれば、ボランティアやクラブ会合の出席、家での歓待などは生活満足度にプラスの影響を与えるのですが、それ以上になると減っていきます。
まぁ、なんとなく分かりますよね。多分好きで参加して自主的にやっていくわけですが、常連さんのようになると少しずつ役割や役職がついたりして、
いつの間にか、「自主的→義務感」に変わってしまったりしますものね。
一方、面白い動きをするのが、「教会への参加度」。これだけ違う動きをする。これはアメリカ社会における宗教や教会が果たしている役割なので今回は考察を省きます(というか大学院の授業でも議論が白熱し、答えが出ずでした(笑)
んで、
これを私たちの身の回りや広田町での実情に当てはめ、システム思考で因果ループ図で表現するとこんな感じなのかと思います。
つまり、つながりが増えれば増えるほど、町への愛着などはますループ(右側)が回っているのですが、同時に、しがらみや煩わしさを感じるループ(左側)も回っていきます。
逆回転を考えてみると、「つながり」が減るほど煩わしさは減りますが、同時に「愛着」も減っていくということになります。
これって、何と無く実感としてありますよね?
よく自分が顔を出すコミュニティとかで知り合いが増えていけば、
そのコミュニティの人に誘われたら行こうかな、とか、
手助けしてあげようかな、とか
そういう「愛着」に関する気持ちが起こる。
一方で色々頼まれたりとか、会議とかに召集されたりすると、めんどくさかったりとか、つながりが強いぶん断りずらかったりして、「煩わしい」気持ちが起こる。みたいな。
で、これ、厄介なのが、
左と右のループで回る時間が違うんですよね。
視覚的にもわかるようにループの大きさを変えたのですが、
「愛着」が形成されるループよりも、
「煩わしさ」が形成されるループの方が早く回ってしまうんです!
(実感的に!)
でもこれも実は、そのコミュニティへの参加の初期は、
「愛着」のループの方が早くまわり、「煩わしさ」ループの方が遅く回っているのだと思うのですが、ある一定の「つながり」までいくと、
ループの速さが逆転する。
というなんとも分かりずらく、めんどくさいものなのだと思います(笑
でもこの論理を知っていれば、うまく対処できると思います。
①愛着のループは時間がかかるが、より短期間でメリットのあるループを作っていくことはできないか?
②愛着ループの方が強烈に作用するようにループを作れないか?
③「煩わしさ」ループが回るのを遅くするためにできることはないか?
等等いろんな視点で施策を考えていくことができそうです!
→色々な施策を考えてみました!
https://note.com/shunsuke_mitsui/n/n043fdab95e2b