【Behind The Scenes】はじめて、しもまち「Like the flow of a river,」と「Beyond goodbye,」を監督した話。
○はじめに
「はじめて、しもまち」とは、新潟市中央区のしもまちというエリアを多くの人に知ってもらおうと2020年に始まったプロジェクトで、僕は2本の映像を制作させていただきました。
この記事の趣旨は、このBTS(ビハインドザシーン、制作の裏側みたいな)的な話を読んでいただき、踏まえてもう1回映像を観てもらえたら面白いんじゃないかなということです。
あとはバンドマンとして長く活動していた僕が、本格的に映像制作をはじめて、どんなふうに向き合っているかも知ってもらいたいなと思います。
それでは、一つよしなに。
○撮影までの準備
今回はご時世的なことや準備期間があまりなかったため、事前にロケハンを行うことはできませんでした。そのため現地スタッフさんから情報をいただいたり、自分でひたすら調べて、イメージに合う場所をピックアップして、ぶっつけ本番で撮影を行うという、かなりスリリングなものでした…。
また出演していただいた成美さん(Trigger to recollection)とも、撮影当日にはじめましてといった感じだったので、事前にイメージの共有は必須でした。
イメージ共有のために一番はじめに作った資料(とも呼べないペライチ)が上の画像です。一部内容隠してますが、まあなんとも雑ですね…。言葉だけじゃなく、写真などがあると、よりイメージ共有しやすくなりますね。
ここから本番までに掘り下げたり、ちょっと方向転換したりがあって、完成しました。方向転換について一つ挙げますと、「かつて出会った子」はヒトではなく、妖精や神様の類い(または幼い時にしか見えないもの)だったというアイディアを最終的に付け加えています。
○撮影当日!
成美さんとの撮影はしもまち中で実質2時間ほどで、あとは1人で歩き回って撮影をしました。たぶん2020年で一番歩いた日な気がします…新潟の夏は暑いですね…。
撮影許可をいただいた旧小澤家住宅の雰囲気はもちろん、しもまちは街中の路地や小道がとても魅力的だなと思いまして、それを映像に収めることが出来てとても嬉しいです。
○音楽とナレーション
映像中の音楽は、自分で打ち込んだものとAI作曲したものを組み合わせています。
AI作曲の技術って年々進歩していて、ほんとすごいなーと思いますね。ただAIだけの力で完パケを作ってもらうのではなく、プラス人の手を加えて使いたいなと個人的には思ってます。
ナレーション入れよう!というのは撮影後に出てきたアイディアで、自分で台本を書いて、その道の方にお願いしております。セリフには結構こだわったので、改めてよく聴いていただけると嬉しいです。(2本の映像でちょっと異なる部分もありまして、そこもこだわりました)
○タイトルの付け方
タイトルはけっこう悩みました…。この作業って普段ミュージックビデオの制作では発生しないものなので、あ!考えなきゃいけないのか!と公開直前にぶち当たったのです。
で、そんな時にたまたま目に入ったツイートがありまして。作詞家の松井五郎さんのものです。(下の画像をご覧ください)
この言葉と、往年の名曲にヒントをいただき、今回はタイトルを付けてみました。各タイトルについた「,」は、物語はまだ続いていくんだよということですね。
○おわりに
新潟市は僕が生まれ育った街であり、いつか映像で関わることができたらなと思っていましたので、とても良い経験をさせていただきました。
2020年夏のこの映像は、僕の中の郷愁や蒼さ、恥ずかしさなんかを煮詰めたものになっていて、こうして振り返るのは「ひいーーっ!」と声をあげたくもなってしまいますし、技術としてもありゃーという部分がたくさんありますが、映像制作元年の作品として大事にしていきたいと思います。
「Like the flow of a river,」と「Beyond goodbye,」、改めてよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。公開している他の作品もぜひぜひご覧ください。